第16話
翌日 訓練をする為、森の空き地にくる。すでにアルネさんとカーリさんが来ていた。
「今日も魔力コントロールからね。昨日やったこと覚えてるよね。先ずはやってみよう」
立ったまま魔力をへその下に集める。圧力をかけ密度をあげる。
「そのままキープ。圧力をかけたままね」アルネさんから指示が出た。 魔力に圧力をかけたまま、30分が過ぎる。
「よし、一旦休憩」
「休憩しながら聞いて欲しい。魔力に圧力をかけたまま魔力を動かす練習をやるからね。
説明は良く聞いてね。
へその下に貯めた魔力を胸の中心に移動させる。胸の中心に来たらへその下に下ろす。これを交互に繰り返す、わかったかな?」
アルネさんが身振り手振りで教えてくれた。
休憩を終えて練習再開。
先ずへその下に魔力を集め密度を最大まで上げる。その魔力を胸に上げる。当然、密度は保ったままだ。
最初はゆっくりしか出来ない。だから繰返し練習する。魔力の上げ下げで今日の魔法の練習が終了。
お昼の休みを挟んで武術の練習になる。カーリさんから足の動きの癖を直すと言われ摺り足で動く練習の提案を受けた。
武術を行うに辺り、癖を無くす為には動き全体を直す必要が有るらしい。先ず動きの無駄を無くすトレーニング。それが終ればカーリさんと対戦形式の練習となる。
カーリさんは武器全般に使えるらしく今日はロングソードで対戦となった。
重たいロングソードを小枝のように扱い攻めてくる。何とか間合いを積めて接近するが気が付くとロングソードの間合いにはいって負ける。どんなにせめても、かすりもしないのは流石に落ち込む。
練習が終わりアルネさんに魔法を使う時の注意点を聞いた。
「リオンは魔法戦士のタイプだから詠唱破棄が必要になる。
刀に魔法を乗せたり、片手で刀を持ち反対の手を使い魔法を出したりする必要がある。後、身体強化や補助魔法を身につけるとより効果的かな」
「使える魔法を教えてもらえる」
「先ずは、身体強化。索敵察知。
火属性は、ファイアー、ファイアーボール、ファイアーシールド、ファイアーソード、ファイアーランス
水属性がウオーター、ウオーターボール、ウオーターシールド、アイスボール、アイスソード、アイスシールド、ウオーターキール(毒消し)
風属性が ブーリズ、トルネード、風纏い(身体強化魔法)
土属性が サンドソイル、ブロックソイル、ソイルクラシャッー、ソイルランス
光属性が ヒール、ハイ・ヒール、クリーン、キア、ハイ・キール、ライト、ハイ・ライト、ライトソード、ライトランス、ライトシールド、ライトボム
闇属性はほぼ使えません」
アルネさんが呆れ顔で「貴方本当にEランクなの? 少なくても私達と同じBランク相当の魔法を習得しているわ」
「本当です。18才になって初めて登録しました。ギルドのクエストもそんなにこなしていないのでEランクです」
カーリさんが「ギルドの制度のランクって、あくまで基準に過ぎないからね。それより私達と半年も練習すればBランク相当になりそうね。
そしたら国外のダンジョンも入る事が出来るから先ずは力をつけない無いとね。後レベルアップと実際練習の為に辺境都市にある、ダンジョンも入らないとね」
◇◇◇◇◇◇
1ヶ月たった日の朝、宿に辺境伯の家紋を着けた馬車が到着した。
ライズとの約束である1ヶ月に1度は顔を見せる。その約束の為今日は、ライズの屋敷に行く。
しかし何故か馬車が来た。確かに2週間程前に予定を確認した、だからと言って馬車の迎えって?
アルネさんが意外に馬車を楽しんでいて、カーリさんが乗り物酔いしている。何か逆な気がする…。意外な2人のギャップに驚きつつも、宿から馬車に揺られる事2時間。ライズの屋敷に着く。
アルネさんが先降りてしまう
「アルネ~、おいてかないで…」カーリさんが悲痛な叫び声を上げている。
カーリさんを担いで馬車を降りると木陰にカーリさんをおろし少し様子を見る。
「リオン…っう。あ…あ…りがとう」
カーリさんが今にも死にそうな感じだ。
アルネさんが来て「フ~」っと小さいため息を付く。「カーリ、いい加減慣れなさい。いつまでたっても旅が出来ないよ」
アルネさんの冷たい言葉に驚く。でもこの2人はいつもの事のようだ。
カーリさんが回復するまで木陰で休み回復をまつ。 カーリさんがふらふらと立ち上がった。
カーリさんをささえながらライズの元に向かった。案内されたのは邸宅の庭。ライズは庭でお茶をのみながらゆったりとしていた。
2人でライズの元に行くとアルネさんはライズの隣に座りお茶をのみ出す。カーリさんもライズの隣がいいらしくライズの隣の席に座らせてライズと向かい合うように僕が座る。
ライズが驚いたように聞く「カーリ。あんた男に触れて大丈夫なの?」
何でもカーリさんは極度の男嫌いで有名らしい。ライズもそれを知っていながらに家庭教師に推薦したのも凄いと思う。
カーリさんが、だらッとした状態で答える。 「うん、リオンは大丈夫。でも他の男は無理」
アルネさんがここ最近の報告をする。また三人でダンジョンにも入ろうと思っていると説明した。ライズが驚きの余りアルネさんの肩を掴み「ちょっと、貴女達ど、どうしたの?何かあった?さてはリオンに口説き落とされた?」と仕切りに聞いている。
でもライズでしょ、ダンジョンや依頼を受ける時この3人で行動しろっていったの?
思わず心の中でつっ込む。
「ちょっと、ライズ落ち着いて」アルネさんがなだめる。
「いやいや、落ち着く何て無理でしょ。確かに、今、私の知る中では最高の2人をリオンにつけたと思って要るけど、パーティー組むって? 貴女達この1ヶ月で何が有ったの?」
カーリさんがむくっと起きて「ライズ、リオンは別。この子、どんなに私に打ちのめされても諦め無いし、素直に言われた事を覚え用ようと努力もしてるし、他の男と全く違う」 そう言うとまた、伏せて苦しそうにしている。
アルネさんが「これは本当よ。カーリと2人、冒険者になって男から初めて人として扱われて要るのは確かね。だから私達もリオンの夢を応援する事に決めたの」
「そっかぁ。なら良かった」「リオン。この2人は私の大切な仲間なの、これからもよろしくね。リオンの所に向かわせて良かったわ」
アルネさんとカーリさんの大変さは、元冒険者だったライズも良く分かるようだ。
ライズとの面会が終わり、ギルドに来る。ギルドでパーティー申請する。
受付をしていると周りがざわざわしてきた。
アルネさんとカーリさんを見ている。
まあ、2人とも綺麗だから人気が有るのだろう。
1人のでかい男が来た。ロングソードを腰に付けフルプレートを着ている。身長が190cmは有るだろうかなり大きな男だ。
体格も良く見るからに強そうな男だ。 その男が受付カウンターに右肘をついて話しだす。
「おいアルネ、何でこんな優男連れて何してんだ。パーティーが欲しいなら俺がなってやるよ」
アルネさんが顔も合わせず「口が臭い。鏡見て出直しておいで、大体、お前のようなカスは知らないね」そう言って相手を突き放した。
「ふざけんなよ。俺はBランクのハートックスだ、お前も俺の事は知ってんだろう?」
アルネさんが男を見る。「お前誰だ?」
ハートックスがアルネさんに掴みかかろうとした時、カーリさんがその手を掴んだ。獣人属、特に力の強いタイガー族のカーリさんの握力は半端ではない。ハートックスが痛がっている。
「お前、たいした実力もないくせに私達に関わるな。それとパーティーのメンバーには困っていない」カーリさんがそう言ってハートックスの手をはなす。
ハートックスがつかまれた手を押さえ、苛立ちの中こっちを睨んでいる。 周りがどよめく中、ギルドの受付のお姉さんが坦々と作業を進め手続きが終わる。
「リオン、カーリ、手続き終ったから行くよ」
アルネさんが何事も無かったようにギルドを出ていく。
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