第41話

「そうだね。だからこそ、圧倒的な力でアルムは勝たないといけない。アルムの集中の邪魔はしないようにしないとね」


「リオン何か楽しそう。本当、戦闘狂だよね」とカーリが嫌そうな顔で見てくる。そんな顔してたかな。


リーンハルとルーニーが近くに来た。

「私達もそっちにいってもいいですか?」

観客席で見ていたが落ち着かないのであろう。闘技場の中で見たいと言って来た。


リーンハルとルーニーを椅子に座らせて話しをしながら再開を待つ。僕達の後ろの観客席にガンスが座った。

「ガンス、どうやってはいっの?」

「なあに、受付のお兄ちゃんに笑顔を見せたら快く通してくれたぞ」


絶対嘘だ。本当に嘘だそう思う。


30分が経ち人が闘技場に戻ってきた。さっきより多い数がいる。立ち見の見物客まで出始めた。


ランナーから中央に呼ばれる。試合方法についての話があり、勝敗はさっきと同じ決め方となった。


アルムが木刀を持ってきた。ランナーに頼み僕も木刀をもらうと1度別れて席に戻る。


フルにアルネの所です待つように伝え、マントをアルネに渡す。刀を外しカーリに渡し白狐を呼び出す。


白狐にみんなの事をお願いして中央に戻る。


「テイマーなんだから、テイムしたモンスターを使ってもいいんだぞ」

アルムがそう言う。


「いや。アルムに実力だけで勝ってみたい。まだ50戦全敗だからね」


「ふん。生意気! 私に勝とう何て100年齢早いわよ」


ランナーの声を待たず戦闘体制にはいる。ランナーがそんな僕達を見て静かに闘技場の外の通路に出た。


それを合図に戦いが始まる。お互い木刀が顔の前でぶつかり合っての止まる。

そのまま力比べの状態に成るが、アルムとの力比べは僕の方が明らか上になのにも関わらず、力でアルムに負けてしまった。

木刀ごと後ろに飛ばされる、体勢を立て直す余裕もなくアルムの攻撃が来る。アルムの木刀が僕の目の前を通りすぎる。

アルムの体を後ろに見て構えるとアルムは振り返り戻ざま対峙した。


吹き飛ばされてから1秒とかからない攻防に見ている観客から不思議と拍手が出た。


アルムが静かに体勢を低くして構える。

知っているアルムの必勝パターン。低い姿勢から、目にも止まらない突きの連打。


僕が木刀を下段に構えた。全ての突きをかわしアルムに打ち込むつもりだ。


お互いやりたい事がわかるためか、なかなか動けない。


睨み合いが続くと体力の消耗が激しくなる。

汗が右目に入った。一瞬気がそれた隙にアルムがせめて来た。今はアルムの間合いだ。

アルムの突きをかわし、左横に動き距離をとって横から木刀を振りアルムの顔を狙う。


アルムがぎりぎりで避け動きが止まる。少し距離をおいて再び睨み合う。


観客席から息を吸う音が聞こえる。僕達の攻防にみんな大人しく見いっているようだ。見ていた人にはアルムの木刀が複数本に見えたはずだ、対峙している僕にも6本ほど木刀が見えた。


不意にアルムが木刀を捨てる。

「強いな。らちが開かない。私は素手で行かせてもらう」

「なら僕もそうします。僕は貴女に勝つ」そう言って木刀を捨てる。

「ふん、寝言は寝てから言え」それがアルムの返事だ。


アルムは魔闘師だ。木刀を持っての戦いより素手の方が正直怖い。魔闘師は、魔力を纏い体を強化して戦う。武器は持たず魔力によって強化した肉体を使う。能力は身体強化魔法より強く体に纏った魔力は鎧よりも硬く、手足は武器よりも強い。

アルムの右にでる人族の魔闘師は見たことが無い。


タイナーの声が響いた。

「魔法師、結界を急げ。白魔術師を観客席に待機。兵士、気を失なった者は直ぐに運び出せ」

アルムの体から魔力が溢れる。魔力の圧に数名が気を失なった。いくら結界に守られているこらといっても、気持ちの弱いものには厳しいだろう。


アルムは体を覆うように魔力を纏う。まるで魔力の鎧のように見える。


「アルム、また強くなりましたね。貴女って人はいつになったら追い付けるのか? あい変わらず底が知れない人だ」思わずため息がでる程だ。


僕は身体強化を倍掛けし、さらに風まといをかける。


「ふん、リオン。少しは強くなったな今度は少し楽しめそうだ」


お互いに構えた。アルムに攻撃させてはいけない。僕から動く。


アルムに右の前蹴りを放つが、簡単にかわされる。その後は一方的に攻めているように見えるがアルムにかすりもしない。


「リオン、本当にありがとう。私の為に気を使ってくれて」

アルムがすれ違いざまに声をかけてきた。

僕の首の後ろにアルムの肘が刺さった、首を強打され僕は動けずそのまま倒れた。


アルムは魔闘師の能力を戻し普通に戻る

両手を上につきだし勝利を宣言した。


ランナーがアルムの勝利を宣言。

僕の回りに白魔術師が3人も駆けつけヒールをかけてくれていた。


タイナーが通路まで来てアルムに声をかける

「アルム、大義であった。最初、飛行隊の2人をみた時、飛行隊の弱さに驚いた。たがアルムのお陰でこの国の力を他国にも改めて示す事が出来た。本日は休め、またこの国の為にアルムの力を貸してくれ」


「陛下、私等の為に勿体ない言葉です。

陛下、出来ればこの3人について、飛行隊にいれたいと私は思いました。それ程の実力を持っていることは明らかです。またリオンはおそらく後10年もすると私すらかなわない力を得ると思います」


「まことか?」

「はい」


「リオンとやら動けるか」


何とか立ち上がると、アルネが肩を支えてくれる。

「はい、今参ります」


アルネとカーリに付き添われながらタイナーの前まで来た。


タイナーが

「お前達は今後何か目的が有るのか?」


「はい、1度燐国のリュックニーを探索した後、ダンサール国とマンチャタ国を回りたいと考えいます」


「そうか。あいわかった。実はこのアルム公爵より正式にお前達を飛行隊にと話しがあったがそれはまた後程としよう。


このアルムはこの若さで他のついづいを許さぬ強さが有る。そのアルムがお前達を認めた。自信を持ってよい。お前達ら紛れも無いAランクの実力が有る。近年まれに見る実力で有る」


「ありがとうございます」

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