第27話
和気あいあいとしたなかでアメール村についた。 ギルドまで入り受付に声でかける。
奥から「ハ~イ」と声が聞こえた。
「サンリューチュさん。お久しぶりです」
サンリューチュさんがぱっと明るくなり「リオン君、元気だった? ちょっと待ってねランバートを呼んで来るから」
と言ってまた奥に入っていった。解体作業をしていたのかランバートがエプロン姿で出てきた。
「リオンじゃないか。いつこっちに来た」
「ランバートさんご無沙してます。今ついた所です」
サンリューチュさんが後に気か付き
「リオン君。パーティー? 紹介して」
「カーリとアルネが僕のパーティー」
そう言って2人を紹介する。
ランバートさんが「カーリとアルネっていう聞いたことあるな?」
「サンリューチュわかるか?」
「ひょっとして冒険者学校の卒業生で唯一Bランクになった人じゃない」
「ねーねーそうだよね?」
カーリが「そうですけど、私達以外にはいなかったんですか?」
「やっぱり、未だ出て無いよ。貴女達は相当頑張ったんだね」
サンリューチュさんがしみじみと言った。 リーンハルとルーニーと呼ぶ。
「ランバートさん、サンリューチュさんこの2人はラピス支部から預かった子達です」 リーンハルとルーニーが挨拶した。
「ランバートさんこの2人を少しの間面倒見てもらえませんか? 2人にバウド猪等の依頼をやってもらったり色々な経験をさせたいと思って今回連れて来ました」
ランバートがリオンの頼みじゃなと言って快く受けてくれた。
それからハマイルさんから預かった物を渡し。ビックタイガーやブラックウルフ等来る途中で倒したモンスターを卸した。
「所でリオン? 今日は何の為に来たんだ? わざわざ彼女を紹介しに来たわけじゃ無いだろう?」
「「彼女?」」カーリとアルネが身だしなみを整える。
「ランバートさん、この依頼をご存知ありませんか?」そう伝え依頼書を見せる。
ランバートさんが渋い顔になった。
「これなら知ってるよ。最近モンスターの出現率が高くてな。災害の渓谷にいるドラゴンが原因だって聞いている。発起人はババヤさんだよ。まぁ、ババヤさんも無理やりやらされている感じだけど」
「そうですか。1度ババヤさんにあってから災害の渓谷にいってみたいと思います」
「ババヤさんならこれからギルドに来る予定だ。折角来たんだからゆっくりしていけ。
お嬢ちゃん達も長旅でつかれただろう。今日はゆっくりとして旅の疲れを取っ手くれ。
宿はこの上だから好きな部屋を使って構わない。こんな状態だから旅人もいないしな、正直、閑古鳥か鳴いてる状態だったから助かるぞ」
「ランバートさん、有り難うございます。お言葉に甘えて今日はゆっくりさせていただきます」
夜、ランバートさんが歓迎会を開いてくれた。ババヤさんにワイバーンも一緒に来た。
ワイバーンは一回り大きくなり通常のワイバーンの1.5倍もあった。 初めてワイバーンを見るアルネ達が、怖がっていたが人懐っこいワイバーンと言うこともあり時間が立つとみんなでじゃれあったりしていた。
「色々な事は明日にして今日は久しぶりの再会を祝おう」
そうランバートさんが言って歓迎会は大いに盛り上がった。
翌日、ババヤさんに話しを聞く。 災害の渓谷にいるドラゴンを捕らえようとする集団がいるらしくいつも何かをしている。
それ自体は問題が無い、ドラゴンは元々、渓谷の一番深い所に住んでいて他のモンスターに何かする等はあり得ない、そんなドラゴンが何故か他のモンスターを自分達の住みかから遠くに追い出しているらしく、弱いモンスターは住みかを失いこの辺りに出て来ている。
ババヤさんの村はワイバーンが要るから問題無いらしいが他の村や行商人等が被害を受けている。
ドラゴンを捕らえようとする集団について聞くと皆良くわかならいらしい。
何でも日中は何処かに隠れ、夜になると黒ずくめの格好で出て来るらしい。
ババヤさんはこの国の人ではなく別の国の服装だと話していた。
災害の渓谷は東西に長く刻まれた渓谷で一番深い場所で地下に100mはある。 深くなるに連れて強いモンスターがいる。
普段は首都にいる兵士等が上層階の弱いモンスター等を駆除する等訓練場としても使われる場所になっている。
ランバートさんにリーンハルとルーニーを預けババヤさんの村を経由して渓谷に向かう。
比較的にモンスターの少ない場所から入り中腹まで来る。人が野営した後が見つかった。
「ねえ、リオン。幻覚草を燻した臭いがする。幻覚草ってモンスターに効くの?」
カーリは獣人族のタイガー族だ、狼族よりは嗅覚は劣るが人よりは鼻がきく。
「幻覚草は基本的に人と動物だけだよ。毒草を燻すと弱いモンスターには効果は有るけど」
「それに動物の臭いが濃い。人やモンスターのとは違う臭い。動物を扱って狩りをしているのかしら」
「可能性は有ると思う。この国にはいないけど、他の国には動物をテイムして狩りやモンスターを倒す人達がいるって聞いた事がある」
「この中腹を過ぎるとモンスターが出るから注意してね」
それからさらに渓谷を下ると、湿地帯が出てきた。モンスターの臭いがする。
結界を3人を覆うように張り辺りを伺うとビックフロックを発見。不味い事に3匹もいる。
ビックフロックは体長2mはあるカエルのモンスター、貪欲で動く物を何でも食べる。共食いも普通にするモンスターだ。
ビックフロックはCランクのモンスターで舌で攻撃をしてくる。攻撃自体は強く無いものの刀等の刃が通り難く魔法を使い倒す必要があるモンスターだ。
アルネがファイアーボールを唱える。アルネは魔力が強く初級魔法ですら他の人の中級魔法を越える力がある。
アルネの上に出来た3つのファイアーボールは1つ1つが優に1mを越える大きさだ。 その巨大なファイアーボールがビックフロックに向かう。
1匹は直撃して丸焦げになって倒れる。後の二体は直撃こそしていないがかなり損傷を受けて動け無くなっている。カーリと僕で残りの二体にとどめを刺す。
「悔しい!! 絶対私の魔法で全部倒したと思ったのに」アルネが倒し損ねた事を凄く悔しいがる。
強力過ぎる魔力のコントロールにアルネは苦戦をしている。アルネも魔力コントロールを続けているのは良くわかる。
初めて出会った時と比べても魔法の命中精度が格段に上がっている。
ビックフロックのいるエリアを抜けるとゴツゴツとした岩場が出てきた、岩場を下っていると岩蜥蜴が集団で暖を取っていた、未だ日が当たらず動けないようだ。
岩蜥蜴は1匹はCランクのモンスターだが、常に集団で狩りを行う。単体で行動する事のないモンスターだ。
集団の場合はAランクモンスターだが、唯一の弱点が体温調整が出来ず寒いと動け無くなることだ。つまり今がチャンス。
「カーリ、岩蜥蜴の集団がいる。動かれると厄介だから2人で全部仕留めるよ」
「ほーい。やっと出番だね」
カーリがウキウキしている。最初にあった時と比べ凄く砕けた話し方をするようになった。信頼されてるんだろうな。そう思える瞬間だ。
「カーリ、暴走しないでね?魔法が効きにくいモンスターだから私は休んでるわ」
アルネがカーリの暴走を心配している。 カーリとは良く練習しているから癖もわかるし僕としては何も問題無いけど。
カーリが一気に距離を縮め岩蜥蜴の集団に突っ込む。体の暖まっていない岩蜥蜴が抵抗出来ずに倒されている。
カーリの短刀が岩蜥蜴の体を切り裂きどんどんと倒し僕の出番なく終わってしまった。
カーリが物足りないと言ってプンプンしていた。
「カーリお疲れ様」そう声をかけると褒めてと言わんばかりに抱きついて来る。
カーリの頭をよしよしと撫でるとカーリが落ち着いた。アルネはその様子を呆れた顔で見ている。
_____________________________________________________
何時も読んで頂き有り難うごさいます。
★をもらったりやフォローして頂いたりと嬉しい限りです。
今後ともよろしくお願いします。(^-^)/
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます