第6話
「それでは今日も迷宮にてレベル上げに向かいましょうか、レウニスさん!」
リベティと契約をしてから、一週間が経過した。
この一週間はオルエッタとともに近くの迷宮でレベル上げに励んでいた。
とはいえ、俺とオルエッタが一緒に行動するのは迷宮の入り口までだが。
部屋に訪れた元気のよいオルエッタ。
今日はリベティが来る予定なのだが……そういえば、オルエッタに説明するのを忘れていた。
お出かけ準備万端のオルエッタの無邪気な笑みに、俺は申し訳ない気持ちになる。
「いや、今日の出発は少し待ってくれ」
「え? どうしたのですか? 今朝もトレーニングを行いましたし、もうやることないですよね? あっ、もしかしてお腹空いたのですか? それでは、どこかで軽く食事をしていきましょうか!」
朝食はさっき食ったばかりだろうが。
「今日は、ちょっと重要な話があってな。あるスキルストーンが届く予定で、それを受け取ってから迷宮攻略に向かう予定だ」
「スキルストーンですか。またレウニスさん強くなってしまうんですね」
「俺もだけど、どちらかといえばオルエッタだな」
「私ですか? 本当ですか!?」
目をキラキラと輝かせる彼女に、俺は頷いた。
強くなる、というよりも金稼ぎができるようになる、というのが正確なところだ。
でも【流れ星】による成功率の上昇は他の占い師系スキルにも関わってくるし、前と比較すれば強くはなるか。
ただ、結局占い師自体が運に頼りすぎる部分が強いからな。
安定感がないので、迷宮内ではあまり使ってほしくないのも事実だ。
そんなことを考えていると、扉がノックされた。
「あれ? どなたでしょうか?」
「たぶん、さっき話していた件だと思う」
オルエッタにそう返してから扉を開ける。
そこには、予想通りリベティがいて、こちらに気づいたリベティはぺこりと頭を下げてきた。
「お取込み中のところ申し訳ありません。今大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だ。とりあえず、中に入ってもらっていいか?」
「はい、分かりました」
リベティがこくりと頷き、俺はオルエッタとリベティを部屋に入れた。
後ろ手に扉を閉めるリベティを見ながら、どうするかと悩む。
宿の部屋なので、椅子は一つしかない。
「リベティ、座っていいぞ?」
「いえ、私のことは気にしないでください」
とりあえず、リベティにそこを勧めてみたが、首を横に振られてしまう。
俺も取引相手を立たせたまま座るつもりもないので、そのままお互い向かい合う形になる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます