第10話
首を傾げるオルエッタに、俺は分かりやすく言い換えることにした。
「装備やスキルストーンが確定でドロップするようになるってわけだ」
「え……ええ!? それってとても凄いスキルじゃないですか!」
「そうだ」
「……あれ? でも、占い師ってとても不人気の職業だって私教えられましたよ? ドロップ確定なんて、とっても凄いスキルですよね?」
ドロップ率を操作できる職業は、それこそ占い師くらいなものだ。
しかし、占い師は基本的に不人気だ。
だって、
「【女帝の威光】は対象となる魔物に発動できるが、成功確率は1%だ」
だから、効果を実感しにくいのだ。
それでも、常に魔物に使い続ければ、月に一度くらいはドロップするだろうけど……けど、もちろんこのスキルにもデメリットはあるからな。
「……せ、成功確率1%ってそれって、ほとんど失敗しませんか?」
「ああ、そうだ。だから、そこで【流れ星】のスキルが重要になってくるんだ」
「そういえばっ。【流れ星】のスキルって結局どんな効果なのでしょうか?」
「成功確率を5%ほど上げるスキルだそうだ」
「……ってことは、【力の根源】と【女教皇の知略】が30%になって、【女帝の威光】が21%になるということですか!?」
「そうだ。21%なら、まあ単純に五回もやればほぼ一回は成功するだろ? 多少は期待も持てるはずだ」
「た、確かに……っ!」
目をキラキラと輝かせている。
オルエッタは自分の活躍している姿でも想像しているのかもしれない。
俺も、前世がなければこの効果を知ることはなかったが、占い師は知識があれば優秀な職業だ。
占い師以外にも、使い方や知識があれば優秀な職業スキルはたくさんある。
俺はそれらについて誰かに披露できる程度には学んだものだが、今のところ披露する場面はあまりないが。
「そういうわけで、これからは魔物を見つけたらとりあえず【女帝の威光】を発動してもらいたい」
「分かりました! そういえば、一つ質問です!」
元気よく手を挙げてきたオルエッタに首を傾げた。
「なんだ?」
「【女帝の威光】は、デメリットはないのですか? とりあえず使ってしまっても大丈夫でしょうか?」
「……デメリットは二つあるんだ」
このスキルは確かに優秀だ。
だが、欠点もある。
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