第7話



「リベティ。早速で悪いんだが、スキルストーンはどうなったんだ?」

「はい。問題なく準備できました。こちら、要望通りのスキル六つになります」


 リベティは袋を取り出し、そこから石を取り出した。

 テーブルに並べられた六つのスキルストーンを手に取ってみる。

 【流れ星】が四つと、【劣勢強化・力】と【劣勢強化・速度】の二つだ。


「問題なければ、こちらに受領のサインをお願いします」


 言われた通り、事前に交わしていた契約書を取り出し、お互いにサインを行う。

 これで取引は終わりだ。

 想定よりもさくっと終わり、安堵の息を吐いた。


「ありがとな、リベティ」


 声をかけると、リベティは少しだけ微笑を浮かべた。


「いえ、こちらこそです。それではまた何かあれば言ってください。いつでも対応しますから」


 頭を下げたリベティは、それから部屋の外へと向かう。

 オルエッタが笑顔とともに手を振ると、リベティは少しだけ手を上げて返していた。

 リベティが部屋を出ていったところで、オルエッタが顔を覗きこんでくる。


「リベティさんからもらったスキルたちは、強いのですか?」

「正直に言えば、微妙なスキルだ」

「ええ!? そうなんですか!?」


 俺がぶっちゃけると、オルエッタはそれはもう驚いた顔をしていた。

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