第8話
「では、どうして購入したのでしょうか?」
オルエッタの抱く疑問は当然だろう。
その疑問を取り除くように、俺は口を開いた。
「世間一般で言えば微妙だけど、俺とオルエッタにとっては相性最高のものなんだよ」
俺の言葉に、オルエッタは顎に手を当てる。
「うーん……【劣勢強化・力】と【劣勢強化・速度】がレウニスさんと相性が良いのは以前聞いたので知っていましたが、【流れ星】は私と相性が良いのですか?」
「さすが、理解が早いな」
「えへへ、ありがとうございます。【流れ星】ってどんな効果があるのですか?」
「成功確率を強化するんだ。オルエッタ。今のレベルは22だったよな?」
「はい! ここ最近頑張ってレベル上げをしたおかげで、随分と高くなりましたっ」
「それなら、スキルポイント20を使って、確率魔法を上げてくれ」
「確率魔法をですか? 分かりました!」
それから彼女は虚空へと手を向け、スキルを取得していく。
まったく疑問を持たずにスキルポイントを割り振るのは、さすがというべきか。
オルエッタは人を簡単に信じすぎる。
いや、それだけ信用してもらっているのか。
ただ、将来的なことを考えると心配ではある。
彼女が悪い男に騙されないか。
ついつい、親のような気分になってしまうな。
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