第52話


 『アルケイク』に到着し、以前と同じようにリベティに会えるかどうか確認してみると、受付の表情が柔らかなものになった。


「今ちょうど【念話】で確認とれました。今からでしたら時間が空いてますし、問題ないようですがどうしますか?」

「それなら、頼む」

「では、こちらの通路を進んでください」


 どうやら、運が良いことにまたすぐに面会することができた。

 案内された通路を進むと、途中の部屋からリベティが姿を見せた。

 今日も怜悧さを感じる顔たちの彼女がすっと頭を下げてきた。


「お久しぶりですレウニスさん。本日はどのような御用でしょうか?」

「迷宮攻略をしてきて、スキルストーンと武具が手に入ったんだ。買い取ってくれるのならお願いしたいと思ってな」


 俺は持ってきていた鞄を持ち上げるようにしながら言った。

 リベティの表情はあまり変化こそなかったが、僅かに驚いているように見えた。


 リベティに俺の鞄を渡すと、彼女は中を確認していき、それから目を丸くした。


「こちら、迷宮攻略の際にドロップしたのですか?」

「ああ、たまたまな」

「たまたま、ですか。なるほど、運の良い方ですね。それでは、こちらの部屋で詳しい話をしますのでどうぞお入りください」


 さすがに、色々と疑っているようだ。

 まあ、だからといって俺から教えるつもりはない。

 案内されるままに部屋へと入り、俺とオルエッタはソファに腰かけた。


 それから、リベティは商品を一つずつ説明していく。

 このスキルストーンはいくらで、この武具はいくらで……といった具合にだ。


 オークションに出した場合の平均の値段と、『アルケイク』で買い取ってもらった場合の最低金額。

 それらを比較した俺は、


「すべて、『アルケイク』に買い取ってもらってもいいか?」


 ここで買い取ってもらうことにした。

 金額はギルドでの買い取り金額よりも増えるからな。

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