第47話


「わ、私も、隙があったら援護しますよ!」

「……ああ、頼む」


 とはいえ、オルエッタは武器さえ持っていないからな。

 彼女に手を貸してもらうにしても、囮に使うくらいが限界だろう。


 ただ、その方法も、いまいち思いつかない。

 彼女と完全なる意思疎通ができれば、突っ込んでほしいタイミングなどを伝達できるが……それは不可能だしな。


 スケルトンナイトがこちらへと迫っていたため、俺は思考を戦闘モードに切り替え、迎え撃つ。

 斬り結びながら、俺はスケルトンナイトを仕留めるために、動く。


 スケルトンナイトが長剣を振りぬいた。轟音とともに迫るその一撃は、力強くもあり動きには無駄がない。

 一撃目はかわすが、まるで追尾するように剣が迫る。

 二撃、三撃と、俺の回避した先を狙うように攻撃してくるため、かわしきれない。


「くそっ!」


 小回りを利かせた連撃を受けきれず、腕を掠めていく。

 痛みに顔を顰めながら、すぐにポーションで傷の治療を行う。


 ステータスを失うわけにはいかない。攻撃よりも回復を最優先に、スケルトンナイトへととびかかる。


 俺の残りのMPは200を切っている。連続で【シャドールーラー】を使用していたの原因だ。

 ここから先は、無駄には使えないが、【シャドールーラー】なしではスケルトンナイトを攻めることも難しい。


 ……だが、どちらにせよこの手持ちの剣では、スケルトンナイトを突破するのは至難だ。

 あいつを破壊するには、オルエッタのハンマーを使うしかないだろう。

 とはいえ、スケルトンナイトの速度から、大人しくハンマーを食らってくれるはずもない。


 隙を、作るしかない。

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