第2話
「隣がクランハウスになります。そちらで詳しく話しましょうか」
「分かった」
オークション会場に隣接された大きな建物。
そこが、Sランククラン『アルケイク』の本部だ。
まさか、本部にこうして足を踏み入れることになるとは思わなかったな。
中に入ると、まずは受付があった。
そこはギルドと同じだが、室内の造りはギルドよりも綺麗だ。やっぱり、儲かってるんだな……なんて考えが浮かぶ。
受付から横の通路に入り、いくつも並ぶ部屋の一つへと通された。
「改めまして。私はリベティと申します。それで、早速ですがこちらのゴーレムメイルに関してですが、買い取りかオークションに回すか。どちらにしましょうか?」
「そうだな……」
買い取りは、このクランに買い取ってもらうものだ。
すぐに金は入ってくるが、相場の最安値くらいの価値にしかならない。
ゴーレムメイルは兄が自慢していたので知っているが、確か購入金額で百五十万ゴールドほどだった。
その金額で買い取ってもらっても、十分すぎる額ではあるが……。
オークションに回してもらったほうが、恐らく金額は跳ね上がるだろう。
二百万か、下手をすれば三百万ゴールド程度まで上がるかもしれない。
ただし、今からオークションに回してもらうため、最低でも二~三週間程度はかかるだろう。
「その前に、頼み事についていいか?」
「そうでしたね。何でしょうか?」
「このクランでは様々な商品を扱っている同盟クランがあって、それらのクランで買い集めた商品の中から、優れたものをオークションとして販売しているだろ?」
「よくご存じですね」
「さすがに、このくらいのクランになればな。俺の頼み事は、あるスキルを俺に直接販売してほしいってものだ」
「なるほど……どのようなスキルでしょうか?」
「【流れ星】のスキルだ」
「……な、【流れ星】、ですか?」
俺の口にしたスキルに、それまで変化のなかったリベティの表情に僅かながらの動揺が混ざった。
……そりゃあそうか。
【流れ星】は効果不明のスキルと言われているもんな。
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