第3話 馴れそめとはなんぞや
馴れそめ。
なんやしらん、これ、やたら聞きたがる人って、いはりますよねえ。
あれ、なんでなんかいなあ。
世にある「女子トーク」と呼ばれるものの大半についてほとんど興味のない私にとって、これはホンマ、謎ですわ。
いまだに、そういう話になると急にお目めをキラキラさせて身を乗り出してくる女子(というにはかなり妙齢のかたも含む)、ほんま苦手。
ええやんもう。ほっといてえな。
でもまあ今回、せっかくやから書いとこうかと。
もうばれっばれな読者さまもいらっしゃると思いますが、私、かなり晩婚です。子供も間違いのない高齢出産やしねえ。
いや〜、大変やったわあ。思い出したくないわー。
ダンナは前にも申しました通り、会社ではほとんど「パートのおばちゃん」みたいな扱いをされてる男子やったもんで、そういうお相手としては完全に女子からスルーされてるタイプ。「安全パイ」すぎて視界に入ってないってやつかな。それでもまあ、一応お付き合いしてた人はいたらしいですがね。
二十代のころは、「ぽっちゃり」どころか女子より体重ないぐらいのガリガリ君だったんやそうですが。
しかし、太かろうが細かろうが、どっちにしてももてへんかったと。
ああ、ここ泣くとこやね、きっと。
あ、でも真っ白なお肌の小柄な華奢男子だったころは、けっこう、痴漢やら痴女には遭遇したらしいです。き、気の毒……。
痴漢より、痴女の話のほうが怖かった。うーん。
まあ、ともかく。
要するに、そうやって「売れ残って」はったところ、私がとある映画を誰か一緒に観にいってくれへんかいな〜と思ってたら、なんかのつながりで当時のダンナが「ハイッ」て手ぇ挙げはったわけです。
え? なんの映画かって?
そらもうアナタ、ダンナも私もまぎれもない「ヲタ」ですから。
日曜日の朝にやってますでしょ、バイクに乗った特撮ヒーローのお兄さんたちが悪いやつらと戦ってるのんが。
あれあれ。
あれの、「平成版」の映画だったわけです。
戦隊モノも決して嫌いではないんですが、やっぱりこっちの方が好みで。
友達が近くにいてたらよかったんやけども、ちょうど転勤したりやら、結婚したりやらで遠くに行ってて。
親戚にでも子供がいたらダシにするんやけども、あいにくとその時は、まだ弟らのとこにもいてなかったしで。
どうも、妙齢の女ひとりで観にいくっちゅうんは
それがまあ、きっかけ言うたらきっかけですねえ。
というわけで、いまうちの子供はほんま、「ヲタ」で煮しめたような子供になっております。
ダンナがカラオケで歌うのは「マジン○ーZ」とか「スター○ルフ」やし。あ、私ももちろん、両方歌えますけどね。
なんか子供らしい夕方のアニメはあんまり見んと、夜中にやってるようなのをわざわざ録画してみているので、友達と話はちゃんと合っているのか、親としてはちょっと心配ですが。
でもまあそんなんで、言うたらえらい長いこと「売れ残って」はったのをつかんだ私だったわけですが、これが意外や掘り出しもんやった。
なにがって、まず家事能力が凄かった。
掃除、洗濯、家事のすべてを、ほとんどパーフェクトにこなせました。ひえー。
私、正直いって料理するのんが大嫌いなので(下手ではない・ここ大事!)これはほんま、助かりました。
ダンナは作って、それを「おいしい、おいしい」て食べてくれる人がいるんがことのほか幸せなんやそうです。それで両方幸せなんやったら、ウィンウィンやもんね。
お付き合いしている段階で、ちょろっとこちらも探りは入れていたんですよ。「どのぐらい家事できます?」みたいなことをね。
「ああ、うん。まあ、大体できますよ〜」
っていうのが、その時の答えやったと思います。
でもまあ、私、実家にいる男どもがほんま、「箸にも棒にも」ってひどい野郎どもばっかりだったので、男のそういう台詞は一切信じないように胆に銘じてたんですね。
そこらへんはもう、あの母の教育の(非常によろしくない)賜物だと思っていますが。そもそも料理キライなんも、この母のお陰みたいなもんやし。
若いオネエサンがた、ほんま気ぃつけや〜と言いたい。
アホな息子溺愛ママに「可愛い可愛い」って育てられてもーた坊ちゃんは、どんなにイケメンでも優しいと思っても、絶対ついていったらあかんで〜。
アホみます。確実に、アホ見ます。
アナタの貴重な綺麗で若い時間を無駄にするからね〜。
あーこわ。溺愛ママこわ!
大きな声では言われへんけど、子供の学校の男子のママにも、確実におるもんなあ。
絶滅さすんは無理やねんから、自衛するしかあらへんよねえ。
あ、しまった。
「ほのぼのエッセイ」なのに毒吐いてしまいました。すみません。
まあだから、あんまり期待はしていなかった。
いや、期待してなかったのが良かったのかもしれません。
おかげさんで、今日もダンナが土日の間に仕込んでくれてたハンバーグ焼くだけで晩御飯できるし〜。わあい。
明日用にって、ちゃんと肉じゃがも作ってくれてあるしで。
え?
そんで私は何をしてんのかって?
そらもうアナタ、そのお陰でこうやって小説書かせてもらえてますんですがな!
「ようそれで、離婚とかされへんな」って聞こえてくる気がする……。
うん、私もそう思います。
せやからもちろん、感謝はしてるし。
でもあれですよ?
それ言うのん、基本的に向こうですからね?
下手したら毎日のように言われますよ?
「●さん、ボク、捨てないでね!」
って。
あはははは。
わあ!
「なにノロケとんねん!」って石投げるんやめて〜!
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