第89話 誘蛾灯(ゆうがとう)とはなんぞや


 こんにちは~。

 朝晩寒くなってまいりましたね。ついこないだまで「暑い、暑い」言うてたんが嘘みたいですなあ。暑いからいうて買い込んであったアイスが寒くて食べられへんようになってきたもんね。

 こちら、周囲は山なんですが、山並みが次第に茶色や赤へと変貌を遂げつつあります。


 さてさて。

 ダンナですが、来週から遂にリモートワークになったようです。要するに、家でパソコン使って仕事する、アレですな。

 「え、今ごろ?」って思いましたよね? 私もめっちゃ思いました(笑)

 とりあえずこれで年末まではいくようです。

 やったあ、これまでもそうでしたが、今まで以上に家事はダンナがやってくれそう!(そこかい)


 ただまあ、運動不足は心配ですなあ。

 ほっとくと永遠にインドア派な人なので。

 いや、くるくるお掃除してくれてますし、お買い物にもせっせと行ってくれておりますけども。

 よく「一緒に行く? 一緒に行く?」って聞かれるんですが、なにか買って欲しいものがあるとき以外、大体執筆が忙しくて「う~ん……」って生返事してしまう私。ダンナ、ひとり涙目ですごすご出かけるのですが(苦笑)。

 いや、たまにはついていくよ、たまにはね! 

 だいたいお菓子目当てやけど!(子供か)

 いや、下手についていくとすぐお菓子を買っちゃうので、これはあくまでも無駄遣い対策ですがな!(ほんまかいな)


 いきなり話がそれた。まあいつものことや。

 そういえば前回、ダンナをネコにたとえました。前にも書いたことがあったと思いますが、ダンナはよく自分を昔亡くなった私のネコの「生まれ変わり」だと申します。

 ネコは名前を「ウメ」と申しましたが、ふた言目には

「だって、ウメの生まれ変わりやもん!」て。


 って、無理があるやろ。

 だって結婚してしばらくはそのネコ、ダンナと一緒に暮らしてましたんやで? 

 かんっぺきに重なってますやん! それでなにが「生まれ変わり」やねん。


 そもそもそのネコ、当時は完璧にダンナを「自分の下僕」だと考えておりましたんで。

 私には甘えるけど、ダンナには甘えない。それでいて、エサなどの世話は偉そうに要求する。

 コタツなんかがが冷たいと、

「コタツが冷たいわよ。そこの下僕は何をやってるのかしら。アンタ、はやく温めなさい?」

 って皇太后さまよろしく下から睨んでるぐらいなもんで。


 「生まれ変わりや」なんて言うたらアンタ、

「はあ!? 下僕の分際で盗人猛々しいわ!」

 ってしっぽペシペシして怒るに決まってると思うんやけど……。


 さてさて。

 ほんでこの週末の朝も、わたしたちはしばらくベッドにおりました。例によってお花を摘みに行って戻ったら、ダンナがまた枕を占領して嬉しそうにパタパタしてるので、「まーたやっとる!」って押しのけて隣で寝る。

 するとぎゅーっと抱き着いてきて、

「愛してるよ、●さん! 捨てないでね? ね?」

 これもまあいつものやつなんで、無視してスマホを見ていたら

「●さんは、ボクよりもスマホのほうが好きなのね……」

 とか言い出す。


 甘えん坊の、まことに鬱陶しいぽっちゃりである。

 いやその「捨てないでね」かって、月一回ぐらい聞いてたら慣れるし(笑)。

 「スマホの方が」に対しても「その通りやで」と思いながら無視していたら、なんや目の端にぺかっと光るもんが見えました。


 見れば、真っ白いぽっちゃりお腹をさらしている。

 ダンナ、よくこんな風にTシャツのおなかのところをぺろっと引っ張り上げて人を誘ってくるんですな!

「さあ、わたしのおなかをもみもみしなさい」と言わんばかりに!


 ぎゃー!

 すぐに食らいつく私。早速もみもみしまくります。

 もはや入れ食い状態。


「まったく! これしたら釣れると思っとるやろ! 誘蛾灯ゆうがとうか! ほんで私は蛾か!」

「うん。●さんしか釣れへんけどね」


 ダンナ、超満足そう。

 ま、そんなこんなな朝でした。

 

 ではでは、みなさん風邪など召しませんよう、どうぞお気をつけて~。



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