第163話 ナゾの四ケタとはなんぞや

 はい、こんにちは~。

 世は夏休みに突入いたしましたね。

 まあ例の感染症でそれどころではない気もいたしますが、そんなこんなな中、わたくしはムスメとまたもや夏休み向け特撮映画を観にいってまいりました~。

 ダンナは特撮好きではあるんですが、平日だったこともあっておうちでお仕事(笑)。


 公開初日、その一番最初の上映回のチケットをゲットしておりましたが、それでも少し早めに出かけました。

 なんといっても、やっぱり物販が気になるからです!

 ムスメは相変わらず特撮ライダー大好きでして、しっかり推しもおりますため、特にその推しのアクキー目当てなところも(笑)。

 最近はこのアクキー(アクリルキーホルダー)、ランダム販売のことが多いのですよね。つまり、何が入っているか分からない、ガチャみたいな売り方なのです。


 ともかくも。私とムスメ、早めに映画館に着き、早速物販コーナーへ。

 事前に何が発売されるかはネットで情報公開されていますんで、買うものはある程度の目星をつけてあります。


「ええと、じゃあこれとこれと……アクキーは12種やねんなあ。んじゃ10個にしてみっか!」

「ええっ、10個……」


 絶句するムスメ。

 まあ一個六百円以上しますからね、アクキー。

 でもランダムでしか売られない商品だと、そのぐらいは買わないとなかなか推しに巡り合えないじゃないっスか~。

 もうダメですねこれ。完全にヲタ思考ですね(汗)。


 ともかくも。

 そうやってパンフレットなどと一緒に物を選んだところで、カバンを探ってハタと気づいた。


「あ……れ? いや待って。ちょっと待って???」

「え、なに?」


 ムスメが不安な顔になる。

 オカシイ。

 いつもならこのカバンに入れているはずのお財布がない!

 わたくし、小銭入れと札入れを別に持つタイプなんですけどもね。札入れのほうにカードも入れているんですけどもね。

 交通機関に乗るのは、定期やなんかを使って財布をいっさい出さなかったもんで、ここに至るまで気づかんかった。


 なんと、たまたま前日にそれを他のケースに入れていて、わざわざ取り出しておいてきてしまっていたらしいのです……!


「え? え? え? や、やっぱりない……!」


 ひええ。痛恨。真っ青になりましたわもう。

 小銭入れの方には、せいぜい五百円ちょいぐらいしか入ってない。

 せっかく初日の早い時間に来ているのに、後日出直したりしたら欲しいものがなくなっている可能性もあります。事実、ほかの映画で物販が軒並みソールドアウトになっていたことがけっこうありましたしね。


「どうしたの?」

「おっ、お金が……」

「えっ、マジ!? なにやってんの──!」

 ムスメも真っ青。

「すんませんすんません、ほんっっまスンマセン! ちょっと待って!」


 お客さんの列にムスメを残したまま、ちょい離れて必死にカバンを探った。

 まずいまずいまずい。

 考えろ考えろ考えろ。


「おうっ?」


 と、ほかのところに片付けておいた別のカードを発見!

 こちら、普段は使わないカードなもんで、存在をすっかり忘れておりましたが……これ、使えるんか? ホンマに……??

 第一、肝心の暗証番号とか憶えてないかも。うへえ。

 そちらはダンナの持っているカードの家族カードってやつやったんで、慌てて家にいるダンナにL〇NE。


「〇さんごめん! 〇〇のカードしかないんやけど。えっと四ケタはなんやろか」


 もう慌てふためいているので、「暗証番号」という単語がすぐでてこない私。

 以下、その時のLI〇Eのやりとりを。


ダンナ「四桁ってなに」

私「よんけたのばんごう」

ムスメ「暗証番号だとおもう」

私「はあそれ」

ムスメ「秒でお願いお願い」

私「はよはよはよ」

ムスメ「わたしはむりょく」

ダンナ「何の暗証番号」


 ってな感じで話があっちゃこっちゃになりましたが、すでにもうその時にはお店の人に商品を渡して、カードを差し込む場面になっておりました。

 しょーがないので、思いつく番号を入れてみる私。


「あ、はい。カードをお取りください」


(え、マジ? やったああああ!)


 なんと、一発で認証してもらえました。なんか奇跡的です。

 ていうか、そちらは私のカードで私が登録してた暗証番号でよかったらしい。

 もうアホすぎる……。すんません!

 ほんまよかった。けど、めっちゃ汗かいてドキドキして、心臓に悪いったらありません。絶対寿命ちぢんだし!

 でも、あとは安心してソファのところへ移動し、ランダムのアクキーをムスメと確認しました。


 その苦労の甲斐あってかどうかわかりませんが、なんと10個ともかぶりがなく、キャラクターがバラバラな上、ムスメの推しも無事にゲット!

 ムスメも「よしっっ!」と小さくガッツポーズ。

 いやもう、ほんとほっとしました~。


 あ。ひとつ申し訳なかったんが、そんな様子の私たちを見て「あの、〇〇のアクキーありませんか……」って話しかけてきてくれたお姉さん。

 これは絶対お仲間! 同じ作品を愛するお仲間!

「ごめんなさい、今回、かぶりは一個もなくて……」ってお断りせざるを得ませんでした。申し訳ない! すみません!

 あとはサワヤカな気持ちでふたりで映画を堪能して帰りました。


 あ、そうそう。

 帰りにはやっと区役所にも寄って、自分とムスメのマイナンバーカードの申請もしてきました。今頃かい!


 そんなこんなで、結局、帰ったら夕方。

 「お金ない! どうしよう!」ってビックリして慌てたぶん、緊張がすごすぎたのか、めっちゃ疲れた。翌日になってもまだなんやダルかったです。

 はあ、年はとりたくないもんですなあ。


 でもまあ、結果よければすべてよし。

 だけど今回、ほとんどダンナの話やなかったですね。

 ちゃんちゃん(笑)。

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