第93話 ハメハメハ大王の子どもとはなんぞや


 こんにちは~。

 相変わらず、まだ松葉杖のつづれです。

 結局、仕事は12月から再開ということになりました。いい加減、そろそろ仕事いきたいですもんね。


 ということで、家にいるだけでは歩行訓練にならへんもんで、このところは外へ出て松葉杖で距離や歩数を稼ぐ感じで歩行練習をしております。もちろん、家でもストレッチやリハビリの運動もしております。

 足はもちろん、腰や体幹の筋力アップも取り入れています。

 まあ、ばっきばきにはやらないでちょっとずつですけどもね。


 気のせいかもしれませんが、松葉杖を使うことで腕の筋肉がだいぶ固くなっております。

 前はほら、妙齢の女性ならよく持ってはる二の腕の下のびろびろした余分なお肉がないこともなかったんですが、消えてきました。いや全部やないけどさすがに(笑)。

 力を入れると、力こぶがググッと硬くなります。今まではあんまりこういうことなかったし。そらまあ、腕で体重を支えなくてはいけないわけで、当然っちゃあ当然ですわな。


 まあそんなんで、近所をてくてくと松葉杖で歩くわけですが。

 つい先日、えらい強風が吹いた日がありまして。

 前にもチラッと言いましたが、こちらは山です。山は、平地ではさほどでない日でもかなりの強風が吹くことが多いんですなあ。

 別に気象予報ではなんにも言ってなくても、ここだけ「え、台風?」みたいな強風が吹くことはよくあります。


 んで。

 先日、「さて外あるいてこよっかな~」と、そのついでにダンナと一緒に近所のスーパーへ向かおうとしたときのこと。

 あまりに強い風が吹いていて、松葉杖ごとあおられてこけそうになった。


「あかん。こらあかん。ごめん、これ危ないわ」

「せやね。もう帰る?」


 せっかく寂しがりやのダンナについて買い物にいくつもりやったのに。

 はあ、残念。

 表の道路までは出たのですが、そこからすごすごと戻りました。

 まあ、転倒してまたいらん怪我すること思ったらそのほうがね。「戦略的撤退」ってなもんですわな。


 でも、そこでハタと思った。

「これ、もしかして雨が降っても仕事いかれへんのんとちゃうん……?」と。

 だってそうですやん? 荷物はリュックとかでええとしても、両手がまだ松葉杖でふさがってるわけやし。普通の傘はさせませんし。オリンピックで一時話題になった、頭にかぶる傘なら使えるかもしらんけど(いやあれじゃ小さすぎるやろ)。

 

「レインコートでも着るしかないんかな~? これって」

「いや、カバンもあるし。危ないんとちゃうの」


 ダンナはとにかく私を仕事場へやりたくないご様子(苦笑)。

 でもさあ、そんなこと言うてたらさあ。


「そんなん私、完全に『ハメハメハ大王』の子どもたちになってまうやん!」

「うひゃひゃ。ハメハメハ大王! ほんまや」


 いやダンナ、わろてる場合やないし。


 あ、ご存知ないかたのために補足しますと、昔、確か「みんなのうた」でよく放送されていた「南の島のハメハメハ大王」という童謡がありましてね。


「南の島のハメハメハ大王」

 作詞・伊藤アキラ /作曲・森田公一


 歌詞はもちろんここでは書けませんが、南の島の大王ハメハメハと、その奥さんや子どもたちの歌です。

 大王も奥さんの名前もハメハメハで、その子どもたちも国民もみんなハメハメハって名前なんやけど、その性格や暮らしぶりはこんなんで……ってな歌。

 楽しくてほのぼのしていて、一回聞いたら忘れられないメロディです。


 三番で出てくる子どもたちは、学校がきらいでしてね。

 ほんで、風が吹いたら学校に遅刻をして、雨が降ったらお休みするんですな!

 平和やね! のんきやね!

 でもええなあ。憧れるわなあ、そんな生活。


 そういえば、ダンナも若いころ、特に高校生の時には雨が降ったら学校いかんかったらしい。

 おばあちゃんもようわかってはって、


「○○(ダンナの名前)、今日どないするん」

「あー。雨やから休むわ」

「そうか」


 で、終わり。

 ……終わり!


 ちょっと信じられへんけど、そんなんやったそうです。

 ええなあ。さすがに私はそれは許してもらえんかったわ~。


 ではでは、また~!


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