第96話 素通りダメよとはなんぞや

 さてさて、こんにちは〜。

 師走も、早くも半ばとなりましたね。次第に寒さが深まってきておりますが、皆さまお元気でしょうか。


 私は相変わらず、1本ですが松葉杖をつきながらのんきに通勤をしております。

 少しずつ通勤時間を早めにして、周囲の様子を見ながら元の時間に戻そうとしているところ。

 あいていれば優先座席を利用しますが、あれ、いかにも健康そうな中学生とかが堂々と座ってる時があってちょっとモヤつく。私の姿を見ても微動だにしないし(苦笑)。

 まあほんまに不健康なんかもしらんけど。


 決して悪気はないんやと思うんですけどね。単に気が付かんだけで。すいてれば座ればええことやし。

 でも座るなら、「必要とあらばいつでもすぐに立つ」という心の準備と周囲への目配りぐらいはして欲しいかもなあ……。大体そういう子、まったく周りを見てへんもんね。

 これはまあ、通常の席に座っていても同じやと思いますが。


 さてさてダンナはと言うと、例の会社からの「リモートワーク解除命令」が取り消されて、今週はとりあえずそのまま自宅で仕事をしておりました。

 とはいえ来週からは遂に出勤です。

「あ~あ。来週から出勤かあ。イヤやなあ」

 と、こないだから溜め息ばかりついている、筋金入りのインドア派です。


 いや待ってえな。近隣の学校やらが次々と閉鎖になったり色々している中では、やっぱりまだ出勤するのは怖いんですが〜。

 そういう私も学校勤めなので、危ないっちゃ危ない。ですけども、こちらはあんまり、リモートで仕事ができる職種やないしねえ……。


 まあそんなんで、相変わらずダンナに見送られつつ出勤する今日この頃。

 ダンナは朝、私の荷物を持って道の途中まで送ってくれています。


 あ、いかんいかん。

 まーたサブタイトルを忘れてつらつら近況を語っとりますな(苦笑)。

 えーと、なんやっけ。

 あ、「素通り」ね。


 私の足がこんなんなもんで、このところ入浴前にはずっとダンナが着替えやらバスタオルやらをいそいそと脱衣所に準備してくれています。

 先日もTシャツ1枚とパンツだけになった格好で、椅子に座ってる私の脇を通り過ぎようとしました。

 Tシャツに包まれた豊満なぽっちゃりがこれみよがしに横切っていきます。


「あ! 待ってや! 素通りしない。素通り禁止!」

「え?」


 ダンナ、不審な顔で立ち止まる。

 私はそのままTシャツをめくりあげて、勝手にダンナのおなかをモミモミし始めます。

 まあいつもの事ですな。

「もう〜。早く風呂はいろうや」

 と、ダンナ苦笑い。もちろん嬉しそう。


 コタツで隣に座ってる時も、なんの前触れもなくいきなり服をめくりあげてモミモミし始めるヨメ、それが私。


「もう。なんなのよう!」

「え。そこにぽっちゃりなおなかがあるから」


 私、完全に真顔です。

 いやそれでは語弊があるか。

 どっちかっちゅうと、「めっちゃ肉食系な野獣の顔」?

 まあ、「そこに山があるから」とおんなじですよね。

 え? なんか間違まちごうたこと言うとる?


 そういえば、だいぶ前に書いたので覚えてらっしゃらない方もあろうかと思いますが、ダンナの背中の虫刺されの痕はまだ完治しておりませんで。

 薬を塗ったり、シール状の薬シートを貼ったりしてだいぶ良くなってたのに、このところちょっとサボってたら案の定、微妙に悪化してしまいました。

 いまだに痒いので、寝ている間につい掻いてしまうらしいんですな。どうやら、季節的に空気が乾燥してきたのもあかんらしい。


 お薬シートやと、モミモミするのに手に引っかかりますし、塗り薬だとベタベタする。いずれも触り心地はあんまり良くない。

 いや、それでもモミモミするけどね、私は! 断固!


 という、ただそれだけのお話でした。


 あ、そうそう。

 前回の「クララが立った」の数日後、お風呂上がりに、わたくしようやく自分で立ったままパンツを穿くことができました。

 これまでは松葉杖をついて足を1本ずつ上げたとこへ、ダンナが嬉しそうに穿かしてくれとったんですわ。

 飽くまでも「嬉しそうに」ね!

 ここ大事。テストに出るで?


「おお〜。穿けたね」

「『穿いた、穿いた! クララが穿いた!』やね!」

 私、得意げです。

「クララがなにを吐くねんな」


 あっさりダンナに突っ込まれた。ぶへえ。


 ということで、最後はちょっとしたおまけでした。

 ではでは!


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