第30話 イケメンとはなんぞや

 イケメン。

 言うまでもなく、見てくれの非常にいけてる男子のことですな。


 前まえから申しておりますが、作者、あんまりリアルのイケメンに興味はございません。特に、「俺イケメン、もてるんだぜ、へっへ〜ん」みたいな、中身のうっす〜い頭ん中セッ○スのことしかないおバカ野郎なんぞ、ぺいっと放り出して平気です。「あっち行け」ぐらいな勢い。

 まあ向こうだって、別にこっちに興味なんかないでしょうけど。


 ああ、ほんま年とって楽になりましたわ。

 若い頃って、なんでああ、ただ若いっちゅうだけでわらわら近づいてくる男どもがいたんでしょうねえ。

 あ、いや、別にこれ、もて自慢やなくて! あれですよ、痴漢とか変態とかそういう系のですよ。「よってくんな、きもっっ!」って思うような野郎どものことですからね? そこはお間違いのないように。

 そういえば、別にこっちは興味もなんもないのに、やたら寄ってくる男(先輩)がおんなあと思っていたら、そいつと付き合ってる女性の友達から「○○君は△△ちゃんのものだからね。手をだしちゃダメだよ?」と意味不明の釘をさされたこともありますな。

 アホかっちゅうの。勝手にしとけや。

 頭の中で「けッ」と「どアホ」を百万回ぐらい唱えた、懐かしい思い出です。


 あ、いかんいかん。

 今回は、毒を吐くつもりの回ではなかったのに!

 仕切りなおしや。


 えーとですね。

 先日、子どもの個別懇談がありまして。

 中学校へ寄せてもらったわけなんですが、自分の母校でもあるにも関わらず、今と昔とでは生徒数も激変していてクラスがどこだかわからない。それで、そのへんにいた運動部らしい少年たちに「○○クラスはどこですか?」と声を掛けたんですね、私。

 ほーしたら、練習中で忙しそうにしていたにも関わらず、ひとりの男子生徒が「あ、案内します!」とさっと前に立って歩いてくれたんですわ。


 いや〜、爽やかイケメン君でした。

 中学生やけども、彼はぜったいもてると見た。

 いまどき、こんな子ぉもおるんやなあって、気持ちがほっこりしましたわ。

 お母さん、羨ましいわあ。


 そう。

 やっぱり、男は中身ですわな。


 と、そんな話をさっそく会った娘にしていたら、娘、ひとこと。


「なにを言うとんねん!」


 そして、額にすこーんと、チョップを食らわす真似をする。

 さすがは私の娘です。つっこみが容赦ない。

 私も別に、それに動じずにふと思う。


「あ、でも、これええなあ。これ、『ぽっちゃり』に書こうかな」

「やめなさい!」


 って言われてまたチョップの真似されたけど、書いてもた。

 へへ〜ん。書いたもん勝ちやもんね。へへ〜ん。

 これを読んだら、本物のぽっちゃりがまた

「●さん! ぼ、ボクという者がありながら……!」

 って涙に暮れるのかもしれませんが、まあそれはあとのお楽しみっちゅうことで。


 当のぽっちゃりは何をしているかと言うと、いまクーラーの効いたリビングの床でお昼寝中です。おなかに両手を乗せて、可愛いポーズ。

 体型のこともあって、なんや赤ちゃんみたいですな。

 それではそろそろ、もみもみしに行こうかと思います〜。

 のほほほ。

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