第219話 あんたどこの子とはなんぞや


 はいこんにちは~。

 こちらも夏休みが終了しまして、仕事はじまっております~。まあダンナはいつも通りにリモートワークやけども。


 ということで今日のお話、さっそく参りましょ~。

 先日、ムスメが朝8時ごろに私にそろそろ~と寄ってきて言った。彼女は普段からそうですけども、夏休みは特に昼夜逆転が激しくて、朝方までゲームしたり課題の制作をしたりしていますんですが。その日もそんな感じで、夜じゅう起きとったらしいんですな。

 

「あのさあ。今朝、5時ぐらいにさあ。ネコの声がしてさあ」

「お。なに?」

「あんまり声がするから外に出てみてん」

「ほうほう」

「ほんなら、お隣の窓のとこにネコおって~。まだ半分子ネコみたいな、このぐらいの大きさの子」

「おおう……」


 うちはマンションなもんで、廊下側の窓とかどこも同じようなつくり。小さめの窓の前に格子があって、ネコは窓ガラスと格子の間に入り込んで鳴いていたそうな。いかにも「入れてよ~」みたいな感じで。


「お隣のおじさんも出てきてさあ」

「ふん」

「私がだっこしてみたけど、うねうねして逃げられそうになって」

「へー。だっこできたってことは家ネコやね。野良さんならそもそも触らせへんもん。すぐ逃げるもん」

「せやんね~」

「ほんで?」


 お隣のおじさんも困ったようで、結局、マンションの敷地内の植え込みのところへ放しはったそうな。


「えええ……でも、家ネコなんやろ?」

「うん」

「飼い主さんがめっちゃ心配して探してはるんとちゃうんかなあ。まだまだ暑いし、このへんのカラス、狂暴やし心配やなあ……」

「せやねーん」


 ムスメ、心配そうである。私もネコ好きですし、とても心配。

 ということで、もう管理人さんが来てはる時間帯やったしで、「一回、管理人さんにお話ししておいでよ。掲示板とかに情報だしといてもらったらええんちゃう」とアドバイス。

 ムスメ、すぐに出ていってそのようにしたようです。


 で、後日。

 仕事から帰ってきたらうちのポストにメモが入っておりました。

 管理人さんからで、「あのネコは無事に飼い主さんのもとに戻りました。飼い主さんが●●さん(うちの苗字)に大変感謝されています」とのこと!

 いやあよかった。

 その後ムスメがかえってきてからメモを見せましたら、


「うわあああ。よかったああ~」とめっちゃ力抜けたふうになり、喜んでおりました。

 ほんまよかった。うちもみんなネコ好きですから心配していたのです。


 とはいうても、うちのマンションはペット不可。前の住まいのときにはネコを飼っていましたが、その子は24年生きて大往生を果たしましたというお話は前にもしましたっけね。

 んで、ここでは飼えないため道具そのほか全部処分してしまっていました。そんなわけで、話を聞いてもどうしようか……と思うばかりで心配していたもので。


 蓋を開けてみれば、なぜかペット不可なのに、どうやら同じマンションの方の飼い猫だったようで。ネコちゃんはひとつ階をまちがえちゃったらしい。

 ほんで後日、私のいない間に奥様がお礼にこられたそうな。

 在宅していたダンナが出ましたが、どうもよく脱走する子らしいですな。やれやれ……。

 ともあれハピエンでよかったのです~。


 てなわけで、今回はこのあたりで。

 ちゃんちゃん!

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