第13話 赤ずきんとはなんぞや
赤ずきん。
はい、もう有名な童話のタイトルですわな。
余談ですが、いわゆるグリム童話以前の、民話から書き起こしたペロー童話のほうでは、いま知られているよりもはるかに陰惨な印象のある物語でもありますが。いや、もとの民話のほうがもっとえげつなかったらしいけど。
要するに、「親のいいつけ守らへん子ぉはえらい目ぇに遭いまっせ〜、気ぃつけや〜」っちゅう、訓話としてのお話やからねえ。
赤ずきんちゃん、狼に食べられっぱなしやし。
狼って要するに、男の
ほかにもまあ、いろいろ暗めなエピソードもあったりしますが。
まあそんなんはええねん。
なんでいきなり童話の話になったんかっちゅうと、私がとあることをダンナに「なんでやねん!」とたずねると、最近、「それはねえ?」ってあの赤ずきんちゃんのおばあちゃんに化けた狼口調でダンナが答えよるからなんですが。
何度となく書いておりますが、ダンナはめっちゃ白いぷりぷりお肌のぽっちゃりさんです。
だのに何故か、ヒゲがちくちくしたり、あらぬところに毛ぇはやしているのがどうにもこうにも、私の脳内でしっくりかみ合わないもんで。
で、時々その「あらぬ場所」の毛ぇをつまんで、私が叫ぶわけです。
「なんでやねん! なんでこんなとこに、毛ぇ生えとんねん! わからん! 意味不明や!」
いや、何度も申し上げておりますが、相手がレッキとした成人男性で、エエ年した男やっちゅうことはわかっとるんです。多分、理性をつかさどっとる部分ではちゃんと分かってる。
しかし、どうもこの、感情をつかさどっとるとこが拒否るんですね。
「なんでこんな、ぽっちゃり色白、赤ちゃんみたいな体型の奴に毛ぇ生えとんねん、理解不能!」て。
最初のうちこそ、ダンナも「いや、そんなこと言われても……」って苦笑してたんですが。最近はもう、す〜っかりこの変なヨメの扱いにも慣れてきて、上記のようなことになっているわけです。
「なんでやねん! わからん! こんな色白つやつやぽっちゃりに、なんでこんなもんが生えとんねーん!」(私、ダンナの脇の下のものをひっぱりつつ)
「……それはね? ●さんに引っぱってもらうためだよ?」
どんな会話やねん。
例によって娘は知らん顔で、隣で自分の趣味である漫画描いたり、読書やらやっておるだけです。
余談ですが、この「ぽっちゃり」は、娘も愛読してくれております。
それにしても。
なに、『赤ずきんちゃん』のおばあちゃんに化けた狼っぽく言うとんねんな。
全部むいたら、結局出てくるんは寂しがりやのウサギの皮かぶったぽっちゃり男子ではないか!
なんかいろいろむかつくぞ!
ちなみにひっぱっているところは、時と場合によってまちまちです。
ここで文字に起こせないような危ない場所でも、わりと平気でひっぱるヨメです。
「あっ! 大変だよ、○さん!」(ダンナの尻をなでつつ)
「え? なにが?」
「おしりが、ふたつに割れてるよ!」
とか、そんな台詞もすっかりスルーされるようになってしまった。
「ああ、うんうん。割れてる、割れてる」って終わり。
むむう。つまらん……!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます