第16話 就活とはなんぞや


 就活。

 つまり、就職活動。

 いやあ、うまくいったら書こう、書こうと思っていたネタを、これでやっと書くことができます。


 これを書いているのが3月31日ですが、つい昨日、ダンナがようやくとある会社から、「4月から採用」との電話をもらいました。

 今日まで勤めていた会社は初めから一年契約だったもので、しばらく次の会社を探して就職活動をしておったわけです。


 なにしろ半世紀は生きてきた人なので、まあ書類選考の段階で落とされる落とされる。ここまで、多分150連敗ぐらいはしております。

 まあねえ、若い社長さんやと、ダンナより年下とかざらにいてはるしで。難しいのはまあ、分かるんですけども。

 でも、「こんな人畜無害のぽっちゃり男子やで! コミュニケーション能力かて、おばちゃんモードやけどいっぱいあるで! 年齢やら履歴書の文字列だけで何がわかんねーん!」と私は叫びたかったですね。


 まあ本人はごく淡々としていて、日々送られてくる「お祈りメール」を見ているだけで、いちいちひどく落ち込んだりとか、感情的になったりとかはない人なんですが、それでも昨日は随分と嬉しかったようでした。


 先に会社にいるときから電話は貰っていましたが、帰ってくるなり、

「き、決まったよう、●さん……!」

 て、ちょっと嘘泣き入ってますが泣きまねなんかするので、

「はいはい。よしよし。よく頑張った、頑張った」

 って、抱きしめて頭をなでなでしておきました。

 しかも、何べんも。風呂の中でまで(!)。

 いや〜、正直、ほっとしましたけども。


 今の職場に入る前、ダンナ、実は一回、えらいブラックな会社につかまってもーて、えらいことやったんですわ。

 あとで聞いたら、就職斡旋会社エージェントのみなさんにとってはブラックで有名な会社やったらしい。なにしろどんどん人が辞めていく。居つかへん。

 「先によく調べとけや!」とか思ったのは内緒ですが。

 やっぱり若い社長の会社やったんですが、この社長がクセモンやった。

 面接の時はえらい調子のええことを吹いとったらしいんですが、いざ入ってみたらもう、ほんまあかんかったらしい。


 部下を叱るって、三時間も四時間も、いや下手したら一日中、延々することとちゃいますでしょ?

 それも他の社員の見てる前で。

 うまく行かないことは「全部お前のせいや」っていう、アレですな。

 しまいめにはもはや、罵詈雑言の人格否定やったらしい。

 許されるもんなら殴りこんだろかと思ってたヨメがここにいますが。


 ダンナ、私のことは別ですが、仕事に関しては結構ドライやし、ちょっとぐらいきついこと、ひどいこと言われたからって「蛙の顔に水」状態で、右から左〜ってできる人なんですが。

 しばらくは(といっても数ヶ月ですが)その意味不明な精神攻撃を我慢していましたが、ある日とうとう、


「●さん、会社、辞めていい?」


 って言い出しまして。

 あのダンナがこう言う以上は、もうあかんと思いましたね。

 これまでの様子も見てましたし。

 そんなんで我慢しすぎて、ふらふら電車に飛び込まれでもしたらかなわんし。

 んで、即答しました。


「わかった。命をとれ!」


 会社みたいなもんに、命とられてたまりますかいな。

 冗談やないし。

 お陰さんで、家計は火の車になりましたけれども、それでも死ぬよりははるかにマシでございましょう。



 あ! 

 ここでダンナから新情報が来ました。

 先日、その元の会社の同僚さんたちに誘われての飲み会があったらしいんですが、相変わらず人は入れかわり立ちかわり辞めておるらしいです。

 そーして、なんとダンナが「この人はいったい……?」と不審に思っていた同僚のとある女性、社長の愛人であることが発覚。

 もう笑うわ。

 アホかいな。エエ加減にせえ。どこの昼ドラか!

 

 ああ!

 別に毒吐きたいわけやなかったのに!

 こんなん聞かされてもたら、言わずにおられませんでした。すみません。



 まあそんなこんなで。

 4月3日からは、夫婦して新しい職場で仕事をスタートすることになりました。

 このご報告が、今日、皆さんにできて、何よりでございました。


 明日から新たな生活になりはる人も大勢いらっしゃいますでしょう。

 みなさんにもどうぞ、サクラ、咲きますように!

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