第233話 由緒正しい〇〇とはなんぞや


 明けましておめでとうございます。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 なんや年明けからほんまいろんなことがあるけど、みなさんどうかご健勝に、またお幸せにお過ごしになれますようにと願うばかりです。


 さてさて。

 こちらの地元の映画館では、かつて一世を風靡した国民的なSFアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の映画がリマスター版で公開されております。

 当時はもうすんごい人気でしたよね。ガンダムよりはちょいと前の時代でね。


 忘れもしませんが、あの映画が公開されたとき、わたくしは小学生でございました。

 うちは弟ふたりも一緒に、毎年夏休みには子どもらだけが四国の母方の祖父母の家へ放り込まれる……ということになっとりましてね。


 その夏は、わたくしど────しても、ヤマトが観たかった。「さらば宇宙戦艦ヤマト」が。

 けれども、そこは四国の中でもめっちゃど田舎の町なもんで。そもそも映画館なんてシャレたもんあらへんくてね。

 しゃあないんでいっぱいワガママ言うて、じいちゃんが仕方なく私だけを連れて、宇和島の映画館に連れて行ってくれたのを覚えております。セピア色どころやない思い出(笑)。


 まあ、ほんで。

 最近ほかの映画を観にいったときに、そこの映画館で「ヤマト」がリバイバルすることを知ってから、「さらば~」の方はちょっと観たいな~と思ってて。

 もう今となっては故人となってらっしゃる声優さんたちが多数参加されていますしね。錚々たる面々やないですか。

 なんといっても、主人公・古代進を演じた富山敬さん!

 富山敬さんのお声が聴きたい! しかも映画館で!

 ……って思ってもーて。


 いや思っただけやなくて声にも出てたらしく、隣にいたダンナに言われた。


「……なにをオタクみたいなこと言うてんの」

「は? 由緒正しいオタクやが??」


 真顔になる私。


「私のどこがどうオタクやないと? 私がオタクやないんやったら、あんなムスメができるはずないやろ!」

 ムスメがいる部屋を指さす私。

「そうやなあ」


 ダンナ、苦笑している。

 もうね、ムスメもこのごろほんまタイガイやからね(笑)。

 私が若かった頃に輪をかけて、言葉といい仕草といいオタクモードぶっちぎっとるからね。

 ま、私としては彼女が楽しく幸せに生きていけるんやったらなんでもええけど。


「いやだって、オタクやってわかって結婚したんやんなあ? え? ちごてた?」

「いやいや。でもBLとは思わんかった」

 そうなん?

「いやいやいや。アレは紳士しゅく……いや紳士はともかく、淑女のタシナミですから!」

「タシナミ。そうやなあ……」


 ダンナは苦笑しておりましたとさ。

 そらもう、こうなったら苦笑するしかないわなあ。

 ちゃんちゃん!

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