第216話 「えっ、そっち?」とはなんぞや


 はい、こんにちは~。

 残暑の厳しすぎる折がら、みなさまご体調はいかがでしょうか。


 このほど、おかげさまでムスメの感染症も一段落し、私自身の「夏の検診モード・病院まわり」も終了して、ようやくのこと家族でまた美容院にいくことになりました。

とはいえムスメはバイトやなんやで忙しいというので、いつもは三人で行くところ、今回はダンナとふたりで行くことに。

 ダンナは例によってその前に糖尿病のための通院があったので、美容院で落ちあいました。


 ほんで。

 美容院が終わってから、いつものようにその近くのスーパーへふたりで買い出しに出掛けたわけなんですがね。

 そこはそこそこの大きさの、よくあるショッピングモールでして、いろんな店が中に入っております。

 中に、通路に面していつも扉をあけっぱなしにして営業してはる喫茶店さんがあるのですが。


 ムスメが幼児のころからやから、もうだいぶ長いことやってはるお店のはずなんですが、そこはいつも、前を通るだけでもわかるほどのすごいタバコの煙が充満しているお店でして。お客さんがほぼ全員、スパスパとタバコをたしなんでいらっしゃる店なんですわ。

 かつて一回だけ、どうしてもパフェが食べたくなって数歩だけ店の中に入ったところ、もうもうたる副流煙がほんますさまじくて入るのをあきらめたという経緯もあったりして。


 いやね、べつにええんですよ?

 見たところ個人経営のお店のようやし、店主の勝手やからね、それは。

 けれども、昨今の「喫煙スペース設置」「そのほかは基本禁煙」みたいな流れとは逆行しているわけで。

 個人的には「いつまでこの体制でいかはるんやろ~」なんて思っていたわけなんですが。


 今回、たまたまその店の前を通ることになりましてね。とにかくタバコの煙が苦手なもんで、わたくしは足早に通り過ぎようとしたんですわ。

 ほうしたら、ちょっと後ろで立ち止まったダンナが「●さん」と呼ぶ。


「なに?」


 ダンナが指さしているのはお店の入口でした。

 よく見たら、なんや前にはなかった小さな表示、説明書きが増えている。

 いわく、


『副流煙による影響のため、〇歳までのお子様と妊娠中の方の来店をご遠慮しております』


とかなんとか。

 ふたりでちょっと目が点になった。


「……そっちか(苦笑)」

「そうか、そっちなんか……(苦笑)」


 いやまあ、何度も言いますが別にええんですよ? 店主の自由にすりゃええことなんやからね。

 こっちはただただ「つおい!」って思うぐらいのことでね(笑)。

 あそこの店主さん、さぞやものすんごいヘビースモーカーなんやろなあ。意地でも禁煙なんてせえへんという「強い」主張がビンビン伝わってまいりました、ハイ。

 あのお店は数少ない喫煙者の楽園ってわけやね~。


 苦笑しつつ、わたしたちはおとなしく店の前を離れましたとさ。

 ちゃんちゃん!

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