第14明「麗夜の馬鹿」【晴朝夜】※今週土曜日分はお休みさせて頂きます
急いで晴華さんの元に向かう。晴華さんが暗所恐怖症を克服したら、出なくなる可能性だってあった。なのになんで私は
朝乃「はぁ、はぁ、麗夜が出ないって」
晴華「私にもよく分からないけど、最近全然
麗夜が出なくなちゃったの」
晴華「朝乃ちゃん、お願い。ちょっと
怖いけど...」
とそう言って私に目隠しの布を渡す晴華さん
朝乃「えっ」
晴華「えっ、じゃなくて朝乃ちゃんなら出て
来てくれる気がするの...。あなたは麗夜の
唯一の友達だから、、」
朝乃(唯一の...)
朝乃「...目隠しですね。」
後ろに近付いて、良いですか?と声を掛ける
晴華「うん、...良いよ」
晴華「ちょっと怖いけど、朝乃ちゃんなら...。」
朝乃(麗夜、お願いだから、出てきて...っ!!)
朝乃「麗、夜...?」
麗夜?「...」
麗夜「なんだ。...朝乃か」
麗夜「今日は珍しいな。いつも晴華さん?...
ばかりの貴様が」
朝乃「なんで最近出てこないの...、」
麗夜「私は晴華が恐怖を感じたら出てくる
人格、晴華の恐怖が薄れた今私に変わる
必要はないだろう...。」
朝乃「何落ち込んでんのよ。いつもの麗夜
らしくない」
麗夜「...そもそも私はこの世に必要ない存在
なのだ。晴華が居なくては存在出来ない
曖昧な存在、」
麗夜「空回りしてお嬢様に迷惑を掛ける
くらいなら死んだ方がマシだ。」
麗夜「お嬢様やお前だって晴華の方が良い
だろう」
と、私は麗夜の頬を思いっきり叩(はた)いた。
朝乃「誰がそんなこと言ったの。」
麗夜「私を叩くと晴華に響くぞ」
朝乃「そんなのどうだって良い。」
麗夜「私は無能だ、お嬢様の心を守る事も
出来ない。朝乃にも嫌われて...」
麗夜「もうお嬢様には恋人もいるし、私は
どうすれば良いか分からないんだ」
麗夜「...皆晴華の方が良いに決まってる」
朝乃「私の目を見て言いなさい」
朝乃「一度しか言わないから。」
朝乃「麗夜は私にとって、もう大切な人なの。
そんな人が消えて良いなんて思う訳
ないじゃない、、」
朝乃「あなたはほんとに、馬鹿よ。馬鹿...っ!!」
朝乃「そんな事にも気付けないなんて。」
麗夜「だが...、私は...」
そして麗夜を不安を感じないくらいにぎゅっとめいいっぱい抱きしめた。
朝乃「一度の失敗が何よ。分からないなら
私がいくらでも教えてあげる、」
朝乃「だから居なくなって欲しいだなんて
言わないで...。」
朝乃「本当に心配したんだからっ、、」
朝乃「消えるなんて、悲しいこと
...言わないで」
麗夜「なっ、」
そして、口付けをする。挨拶のキス代わりだけど
朝乃「こういうのに憧れてたんでしょ。」
朝乃「私があなたの大切な人になるから。もう
居なくなるなんて馬鹿げた真似は
やめなさい」
麗夜「....、」
麗夜「晴華じゃなくていいのか...?」
朝乃「今は貴女の方が大切よ。他の人の名前
を出さないで」
朝乃「例え晴華さんでも」
麗夜「....。」
と唇を押さえて呆気にとられる麗夜。そんな顔もするのね
朝乃「確かに最初は何こいつって思ってたわ。
けど、ファッションショーや映画で
喜ぶ姿を見たら」
朝乃「麗夜も普通の女の子だって分かった
から」
麗夜「私も貴様...、朝乃の事は好きだ。
だからこそ晴華に主導権を渡した」
麗夜「私よりも晴華の方が朝乃を幸せに
出来ると思ったからだ」
朝乃(私は...)
A「麗夜が好き」
B「晴華さんが好き」
→ブルースクリーン画面になって強制終了
Aの場合
麗夜「どうせ私は長く生きられない。それでも
私と結婚したいのか?」
朝乃「...したい。」
麗夜「そうか...、そうか...。」
と視界が一気に暗転する。
朝乃「っ...」
※スライド
??「どうも、私は橘晴華の門番です。
麗夜の夢野にようこそいらっしゃい
ました」
そういって身体に薔薇が巻き付いている少女が何処かに案内してくれる。雰囲気が晴華さんに似てるけど...
朝乃「これは...、夢...?」
と案内された場所を見てみると そこはまるで子供が住んでいそうな生活感溢れる部屋だった。
朝乃「枝垂れ桜...?」
その上には立派な枝垂れ桜が咲いていてとても色鮮やかに茂っている
そこから緩やかに舞い落ちる桜の花びら。
??「綺麗でしょう?私も此処は気に入ってるん
です」
??「彼女は本当は双子として産まれる予定
の子でした。...ですが、彼女の肉体は
母体として"形成されなかった"」
??「流産という形で、その意思だけは晴華に
受け継がれました。"二重人格"という形で」
??「それが"麗夜"の正体です。」
朝乃「流産した子供...」
??「厳密には身体が構成されなかった子、
ですね。」
??「彼女は晴華と違い、とある記憶を持って
います」
とその奥にある真っ暗な部屋でパソコンを付ける人。そこにはノイズが入っていて、まともに見られる状態じゃなかった
??「私は"門番"」
門番「麗夜が一番隠したい思い出が此処に
あるんですけど、この通り見えないん
ですよね」
とマウスをカチカチしながら動画を進める門番さん。
門番「まぁ、その正体もいずれ分かる時が来る
でしょう。」
門番「あなたがいる限り。晴華が心を開くほど
画像は鮮明になっていきます」
門番「私はこの続きが、どうしても見たいの
です。だから頑張って 応援してます」
門番「今回は挨拶だけでしたが」
門番「また会える事を楽しみにして
ますよ。篠崎 朝乃さん」
と、その瞬間意識からはじき出されるように私は現実の世界に戻っていた
朝乃「いたた...、何だったの今の」
朝乃(麗夜が流産した子とか、なんとか)
麗夜「大丈夫か??急に倒れて心配したんだぞ」
朝乃「大丈夫よ、ただちょっと目眩が
しただけ」
麗夜「だったら良いが...」
朝乃「なんかあんた雰囲気変わったわね...。
垢抜けたっていうか」
麗夜「私だって好きな女性に対しては優しく
したいさ。手を繋いだりもしたい」
麗夜「が、私は手を繋げないからな...」
朝乃「手ぐらい何時でも繋げば良いじゃない」
と手を繋ぐ。
麗夜「朝乃ちゃん?」
朝乃「えっ」
晴華「思いっきり手を繋ぎたいって思ったら
出てきたの」
※キャプション
秘めたる恋心(ひめこい)~あなたと私の不思議な夢物語~ 百合猫嬢 @sirayukineko1
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