第3品「川と言ったら川魚」【なみじゅり】

そろそろゴールデンウイークの近い4月下旬...。急に暑くなったり寒くなったりする季節


縁蛇「焼き魚が食べたいのですよ〜」


奈実樹「焼き魚、なぁ...。...この時期の川魚

    と言ったらヤマメ、イワナか」


樹理「春の旬で美味しそうだね。」


奈実樹(樹理は覚えとらん思うけどな...。)


樹理「誰か、、助けて...!!」


奈実樹「樹理っ...!!」


 海で足がつって溺れたんか。旅館の娘やから人工呼吸のやり方は知っとったけど、まさか実際に実践するなんて思ってもなかった


奈実樹(ッチ、うちが見とらへんかった

    からか)


奈実樹(樹理との身長差を甘く見とった、、)


樹理の父親「樹理、、今からパパが助ける

      からな!!」


奈実樹「だから、深い所はあれ程あかん言う

    たろ!!、、分からんかったら

    どいとけっ!!」


奈実樹「早く救急車に電話しろ!!」


奈実樹(息を吹き返したから良かったものの、

    ...危うく樹理を失いかけるところ

    やった。)


奈実樹

(あの時の事がまだ残っとる...。あの頃の

 樹理はまだ子供やったからな...、それから

 スイミングスクールに通って)


奈実樹(泳げるようになったらしいが...

    うちの爪が甘かったのには問題ない)


奈実樹(...あんまり怖がるんも樹理のために

    ならんよな。)


奈実樹「...また、今度行くか釣り」


奈実樹(個人的には比較的安全なザリガニ

    釣りとかしたいんやけど、まぁ

    川といったら"川魚"やろうな。)


縁蛇「皆で行く感じなのですかね!?」


奈実樹「...まぁ、えぇけど。後輩が決めるか」


縁蛇「許可取って来ましたですよ!!」


奈実樹「なんでそんな準備万端やねん」


縁蛇「早く川に行きたいからなのですよー。

   パワースポットに入りびたいのですっ!!」


奈実樹「許可がとれたら言う事あらへんけど

    よー取れたな。学生のみで」


縁蛇「....。」


奈実樹「えっ、その無言なんや」


樹理「でも良いね。釣り、皆で合宿。」


樹理「昔はいっぱいナミと遊んだなぁ」


樹理「ザリガニ釣りや蟹釣りとか。裂きイカ

   を糸に括り付けて釣るんだよ」


奈実樹「本当に行くんか?」


奈実樹「なら色々準備せなかんな...」


※キャプション


そして、合宿当日...。


奈実樹「虫でも良かったけどやっぱりグミ

    やな。樹理もおるし」


奈実樹「まぁゴカイも連れてきたけど」


樹理「連れて来ないでよーー、、」


奈実樹「その辺で虫を捕まえるちゅーのも

    手やな」


縁蛇「縁蛇は面倒くさいのでゴカイで!!」


奈実樹「巫女が殺生してえぇんか」


縁蛇「うちの神社の崇めてる蛇神様も丸呑み

   しますし良いのでは??」


奈実樹「そうなんか...」


奈実樹「赤とかオレンジとか色が鮮やかな方が

    よー釣れる」


奈実樹「という訳で滑って転ばんよう注意

    しながらやるんやで」


奈実樹「湿った岩は滑りやすいからな」


奈実樹「各自解散」


樹理「中々釣れないよー」


奈実樹「場所が悪いんとちゃうか」


奈実樹「石の影とか、川の上流はよく釣れるで

    」


と、後ろから樹理の竿を持って一緒に釣る。


樹理「わわっ」


奈実樹「向こうの影に魚が見えるやろ??」


奈実樹「くいっくいっと誘うように、ほら」


ざばっと一匹鮎が釣れる。これでご馳走待ったなしやな


樹理「あ、ありがとう...///、、」


樹理(やっぱり、頼りがいがあって素敵だな...///)


奈実樹「1年生共は釣れたかー」


縁蛇「中々難しいのですよ」


縁蛇「手づかみの方が早くないですか??」


奈実樹「熊か」


奈実樹「今からそっちいくわ」


奈実樹「なんや、釣れとるやないか」


縁蛇「それはよもの分なのですよー、

   よもは運が良いですから。こういう時

   凄い力を発生させるのです」


代茂技「魚の気持ちになって考えてみただけ

    だよ...。岩陰や影が出来る所に

    いるかなって」


奈実樹「流石やな。魚の習性をよく

    理解しとる」


代茂技「た、たまたまです...///、、」


とそっぽを向いて話す代茂技はん。まぁ彼女は赤面症やさかい人前で話すのは苦手なんやと


縁蛇「ほっ、、」


とマジで手掴みで行く縁蛇。滑るぞ


奈実樹「あれは限られた空間でするから

    捕まるのであって、こんなだだ

    っぴろい空間で捕まる訳無いやろ」


縁蛇「両手づかみでとりましたっ!!!いえいっ」


奈実樹「マジか...。しかもそんなちっちゃな

    やつ」


奈実樹「見た目以上に器用な奴(や)っちゃな

    ...竿いらんやん」


縁蛇「あっ」


と、滑って逃げてく魚。


縁蛇「縁蛇のお昼ご飯が...」


奈実樹「そりゃずっと掴んでれば逃げるわな」


代茂枝「私の分、あげるから...」


と代茂枝はんのクーラーボックスの中では5匹の魚がゆうゆうと泳いでた。


奈実樹「うちより釣れてへんか...本当に運

    えぇんやな」


代茂枝「運だけはあると思います...。縁蛇

    ちゃんと出会えたのも運があったから

    ですし...」


奈実樹「こっち向いて話せたら100点なんや

    けどな」


代茂枝「ほんとすみませんそれだけは...

    すみません、すみませんっ、、」


奈実樹「謝らんでえぇよ。そういう病気なら

    しゃーない」


樹理「ナミー、後輩とばっかり遊んで

   ずるーい。そろそろ火を炊いた方が

   良いと思うんだけど」


樹理「教えるだけでしょー」


奈実樹「うちの最妻(さいづま)もそう

    言っとるし、そろそろ戻るわ」


代茂枝「お疲れ様です...。」


※スライド


奈実樹「やっぱり川と言えば飯盒(はんごう)

    よなー」


縁蛇「お焦げがたまらないですね!!」


奈実樹「それにしてもぎょーさん食うな」


縁蛇「食べれる時に食べとけ主義なので!!」


奈実樹「こっちも作り甲斐があるってもんや」


奈実樹「旅館の娘舐めるなよ」


と素早く調理する奈実樹。


樹理「うわ、凄い。料理がどんどん出来ていく」


樹理「指とか切らない??」


縁蛇「こんな食べれるなんて、天国ですか

   此処は、樹理パイセンが羨ましいですよ」


樹理「そ、そう...??」


縁蛇「こんな美人で料理も上手くて頼りがいの

   ある先輩、奈実樹先輩以外見たことない

   ですよ」


奈実樹「調理部やからな。そりゃそうやろ」


樹理「1番会う機会も多いもんね」


樹理「あれ、私には??」


縁蛇「スイーツは作らないのですか??」


樹理「市販のやついっぱい買ってきたから

   それで良いかなって」


※スライド


奈実樹「...まだ怖いんか」


樹理「ナミには全部お見通しだね、」


奈実樹「...何年幼馴染やっとると思っとん

    ねん。」


樹理「溺れた時の記憶はないけど、それから

   大きな水溜りが怖くなっちゃったんだ」


奈実樹「水に対する恐怖は仕方ない。それで

    体調が悪くなったらうちに言ってな」


樹理「...カウンセラーみたい」


奈実樹「うちはただの旅館の娘やで、

    買い被るな。こんな事するの樹理

    くらいしかおらん」


樹理「それって...、」


奈実樹「ほら、はよ食べんと縁蛇に全部

    食われるで」


奈実樹「...すまんな。」


※キャプション


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