第10明「晴華さんとファッションショー」【晴朝】


朝乃「9月後半に晴華さんのファッション

   ショーがあるわっ!!平日だけど、

   この時間なら行ける」


 と早速ネットでぽちってファッションショーのチケットを予約して観に行くことになった。


晴華『ファッションショーはスポンサーの人も

   来てくれるからちょっと緊張するなー』


朝乃『チケット取れました!!当選してました』


晴華『当選おめでとうー、朝乃ちゃんも来て

   くれるんだ。ファッションショー当日は

   今まで以上に頑張らないとね』


晴華『と言っても、歩いてポージングするだけ

   だけど』


朝乃『それも立派なお仕事ですよ。』


朝乃『ファッションショー凄い楽しみに

   してます』


朝乃(グッズとかもいっぱい買えるだろうな...、)


※スライド


 今日は待ちに待った晴華さんのファッションショー。沢山のモデルさんが集まって、流行の服を着ながら新作のブランドを発表する会だ


 今年のトレンドのカラーや有名なモデルさん達がステージの上で立ち止まって決めポーズを取りながら去っていく


朝乃(皆可愛いなぁ、)


朝乃(雑誌に載ってた人がこう歩いてると

   なんか凄いなって思う。あれが現実

   だものね)


 スラッとした体型に全身スポットライトを浴びて決めポーズでキラキラ光る光景にテンションも上がる。


朝乃(同じ世界に住んでるのに、全く別の人間

   みたい。あの子雑誌で見たことある!!)


朝乃(凄いなー、、こんなに綺麗なのに私と年

   変わらないってほんと??)


朝乃(早く晴華ちゃん来ないかなー、)


 そろそろ晴華ちゃんの出番が来ても可笑しくないのに、どういう訳かなかなか晴華さんが出てこない


朝乃(何かあったのかな...。)


ブブッ


朝乃「すみません、ちょっとトイレに

   行きたくて」


ママ『朝乃ちょっと表舞台の方に来て。

   ガードマンさんには伝えてあるから』


ガードマン「篠崎さんの娘さんですね。」


朝乃「あ、はい」


ガードマン「どうぞ此方に」


 何があったんだろうと裏方の方に行くとママと晴華さんがいた。


ママ「...真っ暗にしてはいけないとあれ程

言ったのに、、」


と頭を抱えてるママ。


朝乃「まさか...」


ママ「...そのまさかよ。」


朝乃「麗夜!!」


麗夜「...また、"晴華"か」


ママ「スポンサーも居るのに...、、」


ママ「たまにこういうのが居るのよね...。

   本人はイタズラのつもりでしょうけど、

   やっぱり若くて可愛い子だとこういう

   のが」


ママ「此処はファッションショーの会場、

   御家族からは聞いてたけど本当に腹が

   立つわ」


ママ「貴女が落ち込む必要はないわ。悪いのは

   電源を落とした奴、後で絶対見つけて

   説教してやるから」


麗夜「...私はどうすればいい?」


麗夜「"晴華"の真似をすれば良いんだろう。」


ママ「出来るの?」


麗夜「今日はお嬢様もいらっしゃる。お嬢様の

   顔に泥を塗るような事は出来ない」


麗夜「それに困った者は助けろと言われて

   いる。」


ママ「大丈夫ね。」


ママ「そのまま歩いてポーズをとって帰って

   これば良いわ」


ママ「特例で朝乃と一緒に出しても良いけど」


朝乃「それは違うでしょ。それに急に私が出て

   きたら誰それってなるじゃない」


ママ「プロのコーディネーターを舐めないで

   頂戴、どんな少女だって美少女にして

   見せるわ」


ママ「でも順番を入れ替える必要があるわね」


麗夜「いえ。私が出れば良い話なので、」


ママ「それはありがたいけど...」


ママ「"出来る"の?」


麗夜「こんな服装で出るのか...、、」


ママ「一時の我慢よ。貴女は可愛いから

   いけるわ」


麗夜「致仕方ない。」


ママ「今から自分を完璧で無敵のアイドルだと

   思って、」


麗夜「完璧で無敵なアイドルか...。」


麗夜「あまり自信はないが、やってみよう」


朝乃「ママ、麗夜は夜目が利くから後ろから

   サイン出して!!」


朝乃「私ダッシュでそっち行くから」


朝乃「私の顔なら覚えてるでしょ」


麗夜「あぁ...。」


ママ「頼んだわよ。朝乃」


朝乃(スケッチブックになんて書こう、)


A『その服凄い似合ってるわよ』

B『緊張しない!!』




Aの場合


と、ポーズを決めて表に出る麗夜。


 恥ずかしがって俯きなら取るポーズは新規ファンにも古参ファンにもぐっと来るものがあった


女客「なんか今日の晴華ちゃん、

   可愛くない??」


女客「いつも可愛いけど、今日はなんか

   ちょっと...」


女客「えっち。」


Bの場合


と、完璧にポーズを決めて表に出る麗夜。


ママ「ほんとに助かったわ。ありがとう朝乃」





スタッフ「誠に申し訳ありませんでした、、

     てっきり人が居ないと思って...」


ママ「娘の前だからあんまり言わないけど

   暗所恐怖症の子も居たりするから

   ちゃんと人が居るか確認してから」


ママ「電気を消して頂戴ね。」


スタッフ「はいっ、これからはちゃんと確認

     してから消します」


※スライド


晴華「...はっ、ステージに出なきゃ!!、、」


ママ「もう出なくて大丈夫よ」


晴華「それってどういう...。」


そう言って焦る晴華さんの肩を掴むママ


ママ「もう出てくれたから。」


晴華「麗夜がですか...?」


朝乃「中々良い出来でしたよ。」


晴華「朝乃ちゃん...」


晴華「会場の方も湧いてる...、」


晴華「スポンサーの方も居たのに、ほんとに

   申し訳ありませんでした!!、、」


晴華「絶対失敗出来ない場面だったのに...。」


ママ「晴華ちゃんが謝る必要はないのよ。

   それは晴華ちゃんの特性で誰も悪く

   ないんだから」


晴華「それでも私が気絶しちゃったせいで...、」


ママ「お母さん達にはまだ会えるかもしれ

   ないし、そんな気落ちしないで」


ママ「麗夜さんのお陰で会場は盛り上がってる

   しスポンサーさんも満足そうだから」


※キャプション


あれから数日経って...


晴華「麗夜のファッションショー見たかった

   なぁ」


朝乃「見てみます?」


朝乃「写真ですけど」


晴華「わぁ、可愛いね。この娘が"麗夜"かぁ」


晴華「私が照れながら仕事してるようにしか

   見えないけど、あの時私居なかった

   もんね」


晴華「したての頃を思い出すよ」


晴華「あっ、因みにゆっきー曰く「麗夜は

   判断力が6歳児並みだからちゃんと見て

   あげてね」だって」


朝乃「"6歳児"ですか...。」


朝乃(まぁ...確かに6歳児といえば色々

  納得がいくかも。口調は偉そうだけど)


晴華「麗夜が発見された時から逆算すると

   それくらいらしいよ。見た目だけでは

   判断出来ないよねー...。」


晴華「モデルを始めて3年くらい。...私が

   見つかったのは小学生の頃だった

   けど」


晴華「もう姉というより"妹"だねー。」


晴華「妹でも全然良いんだけど♡」


朝乃(ってことは記憶を失ったのは小学5年生

  の時か、晴華さんの誕生日が秋だから)


朝乃(...中学2年生の時にモデル活動を

してたんだ。此処の情報大事だわ)


晴華「なんか、私たちの子供みたいだね。」


朝乃「ブハッ、、(死亡」


晴華「朝乃ちゃん?」


朝乃(可愛い...っ///!!!!)


朝乃「...今一瞬無事に死にました。」


晴華「直接会う方法とかあると良いんだけど

   ねー」


朝乃「スマホで録画とかどうですか」


晴華「スマホかぁ、交換日記より良いかも」


朝乃「交換日記って何を書いてたんですか」


晴華「ゆっきーの事や近状報告だよー。

   それでも、中々書いてくれないんだけどね」


朝乃「麗夜には返事するように言っときました

   からこれからはあるかと」


晴華「えっ、本当??ありがとう。凄い

   助かるよー♡」


朝乃「麗夜はズルいな、私だったらもっと

   丁寧に書くのに」


晴華「だったら私と交換日記する?」


晴華「朝乃ちゃんともしてみたかったんだ〜」


って事で、早速交換日記を買ってきた。


朝乃「なんて書こう...」


朝乃(好きなものとかある。最近はこういうのが

   主流なのかな)


好きなこと ファッション雑誌読むこと、

      動画、ゲーム、音楽

好きな食べ物 インスタント食品、冷凍食品

苦手な食べ物 蕎麦(アレルギー)

趣味 温泉

特技 最近のモデルの名前が言える


朝乃(流石に趣味のところは晴華さんのグッズ

  集め♡とは書けないから、温泉にしとこう)


朝乃(鐘鏡の温泉気持ちいいし)


朝乃

【今度麗夜が出た時は録画しておきますから】


朝乃【でも最近麗夜出るの多いですよね。】


朝乃【二重人格か何か原因は分からないです

  けどゆっくり休んで下さいね。】


朝乃(こんなもんかな。)


※キャプション



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