②京都編【晴朝夜】
ピロン♪
『晴華さんからシーウェが届きました』
晴華さんからシーウェが来るのもえらいこっちゃなのに取り敢えずスクショしとこ
朝乃(晴華さんからのメール♡)
晴華『朝乃ちゃんの言った通り交換日記
を始めたけど、麗夜の出てくる
タイミングがよく分からなくて...』
朝乃『麗夜の事ことだから「そんな女々しいの
やらん」とか言ってきそうですよね』
晴華『そうなんだよね。やっぱり朝乃ちゃん
に聞いて貰った方が良いのかな』
晴華『麗夜の負担的にもお友達なら聞きやすい
と思うし』
晴華『ねぇ、朝乃ちゃん。良かったら一緒に
京都行かない??』
朝乃『行きます。行きます、すぐ行きます!!』
晴華『すぐじゃないけど今度の土曜日』
晴華『クーポンを送るね。それを見せれば
新幹線が無料で乗れるから』
朝乃『クーポンがあるんですね。ありがとう
ございます』
朝乃(こういう時のために貯金してるん
だもの。晴華さんにいっぱい
奢ったらぁ!!!)
と、決意する私なのだった。
※スライド
朝乃(日の照る9月の朝...
それにしても、今日は暑いわね...。)
朝乃(なんかお迎えが来るみたいだけど、
此処で良いのかしら)
??「貴女が篠崎様でしょうか」
と巫女服を着た大人の女性が話しかけてくる。
朝乃「えぇ、はい...」
朝乃(巫女さんだ。)
巫女「本日ご案内して頂く、白館 和巳
(みねはら かずみ)と申します。
本日は宜しくお願いします」
巫女「と言っても私は境内の方にいますが、
地図を見ての通り京都は五目に道が
分かれているので分かりやすいかと
思います」
確かに地図を見てると碁盤の目のように神社を囲むよう道が連(つら)なっている。
巫女「お客様には京都の景色を楽しんで頂き
たくこのような自由な形をとらせて
頂いています。」
巫女「詳しく歴史を知りたい場合は、
我が社(やしろ)にて来て頂ければ
ご説明させて頂きます」
巫女「今日は我の娘も来ていますので占い
などもお勧めですね」
朝乃「占い。ちょっと気になりますね」
巫女「多分その辺を動き回ってると思うので、
見つけたらクーポンを見せて頂ければ
優先的に占って貰えると思います」
巫女「あ、それとこのチケットは屋台での
千五百円分になりますので、好きな物を
買って食べて下さいね。」
巫女「16時頃には料理が出来上がって
いますので」
巫女「それまでには境内にいらして下さい。
私からのご説明は以上になります。
ごゆるりと京都の旅を満喫下さい」
と、巫女さんから100円分のチケットが15枚付いているクーポンを貰う。
朝乃「そういえば私が来る前に白い髪を
した目の赤い女性を見ませんで
したか??」
巫女「...白い髪に紅色の瞳、なんと縁起の
良い方なのでしょう。」
巫女「そのお方ならさっき拝見しま
したよ。白い髪に赤い瞳、まるで
蛇神様のように美しい方でしたね」
朝乃(ってことは晴華さんは先に来てるって
事か。前もっと早く来るって言ってた
もんな)
朝乃(待たせてもあれだし急いで境内の方に
向かおう)
※キャプション
朝乃「はぁー...、はぁー...」
朝乃(階段、きっつ...それにしても暑いなぁ、)
柚夏「朝乃先輩!?」
朝乃「なんでこっちに 美紗ちゃん達が、
それに神も...」
美紗「福引で当たったので...」
朝乃「凄い...豪運...、」
朝乃「...晴、」
朝乃(あれ...羅列が、回らない...)
柚夏「橘先輩がどうしたんですか!?」
朝乃「まだ...」
柚夏「今日来るんですか?」
朝乃「...良かっ、た」
柚夏「先輩...?...先輩っ!?」
柚夏「...これ、熱中症だ!!」
朝乃(えぇ...熱中症...、、)
美紗「水分取らずに、神社の階段駆け上って
くるとか朝乃先輩アホなんですか!?」
朝乃("否定出来ない")
朝乃「.....。」
誰かが飲ませててるのかタスカリスエットの味がする。そこで私の意識は途絶えたのだった
※キャプション
その時、夢を見た。私はその町娘の女性が大好きで色んな物を贈った。晴華さんと麗夜さんに似た姉妹。
でも麗夜に似た女性はもっと女性らしくて、二人とも物凄い可愛かった。それでも仲が良かった姉妹は姉に譲るべく妹の方は身を引いた
その後私は彼女の事を生涯忘れる事はなく誕生日のたびに私は妹の方にプレゼントを与えた。
そんな彼女はというと好きだと言う前に流行病で死んでしまった。
私は悔いた。どうして彼女を選べなかったのか。自分が死んで、もし彼女に会うことが出来たなら次は必ず彼女を幸せにしようと
巫女「...二つの魂、女性を...選べ...。どちら
も愛す事は叶わぬ。...一つは兎(う)
の女。もう一つは...白虎の女...」
巫女「...兎(う)を選べば、白虎...は兎(う)
を噛み殺さん。白虎の女選べば、
兎は...」
朝乃(え、なになに怖い...。目が覚めたら
行き成り意味不明な事言われてる...)
朝乃(そうか、これが異世界転生という
やつか...。)
朝乃「....あれ、私...」
巫女「...あ、覚めちゃいましたねー。
折角良いところでしたのにー、潜在
意識を探った方が楽なんですけどねー」
朝乃「...私男の人になってて...何か夢を見て
て、...あれ、涙が...」
巫女「んー、そうですねー。貴女の前世を
見ましたけど、二人の女性から愛され
てて似たような結果を何回も辿って
いますね。」
巫女「優しい女性を取れば冷徹な女性に
あなたは殺されています。ある時は
首締め、斬殺、虐殺...それは無惨に」
巫女「冷徹な女性を取れば...で、跳ね返され
ちゃいましたね。...貴男自身がそれを
知るのを拒否したのでしょう 多分」
朝乃「...えっ。と...」
縁蛇「少し向こうが騒がしいので様子を見て
きますね」
そうしてガタッと、後ろから戸を開ける音が聞こえた。
美紗「朝乃先輩、起きたんですね...!!
良かったぁ...。...いや、でも...
良くなくて...、、」
美紗「柚夏、どうしよう...。流雨さんが
さっきから見当たらなくて...!!スマホ
で電話しても...、、」
美紗「さっきから、捜してるんだけど...。声
掛けても返事が...」
柚夏「流雨!?」
朝乃(流雨さん居なくなっちゃったの?)
朝乃(私も行きたいけど、動けないし...
どうしようかな。)
巫女「さっきの人ですか?...だったら、
危ない気配はしないので大丈夫
ですよ?」
柚夏「兎に角捜さなきゃ、、」
巫女「此処丁度神社ですし、」
巫女「宛のない場所を無駄に捜すより縁蛇
の言うことを聞いといた方が損は
ないと思いますですよ?」
巫女「貴方は迷いたいのですか?」
美紗「縁蛇さんの言う通りだよ、柚夏。
焦っても何も始まらない。こういう時
こそ冷静に対処しなきゃ」
柚夏「....」
柚夏「...確かに、流雨が居なく
なって焦ってたかもしれない...。
流雨が今、どこにいるか...」
柚夏「...あなたなら分かりますか?」
巫女「分かりますよ。...けど、見付けたら
縁蛇にお米を下さると約束してくれ
ますか?」
柚夏「お米...?」
巫女「縁蛇はお酒はまだ飲めないので、ご飯
として代金を頂くのですよ。力に
対する供物なのです。報酬がないと
やる気が出ません」
縁蛇「お金だとなんかフィッシング詐欺
みたいじゃないですか」
柚夏「あんたがいうか...」
柚夏「...見付けたら、約束します。」
巫女「交渉成立ですね!!」
巫女「後は、先払いが当たり前なのです
が...。縁蛇は心が広いので、許して
あげちゃいます」
...巫女さんは目を閉じると、十秒くらいして静かに目を開いた。
縁蛇「...兎(う)を連れ、猫は現れん。」
晴華「柚ちゃん!?、朝乃ちゃんが倒れたっ
てメール来てたけど大丈夫...?」
美紗「はい、今は神社の中で寝むって
いますから」
朝乃(起きてるよ。一連の作業見てたよ)
晴華「はぁ...良かったよー...もー、
朝乃ちゃんったら...。」
流雨「ん...」
柚夏「橘先輩と...、流雨!?どこに行ってた
の...!?凄く、心配したんだよ!?」
流雨「...ごめん...なさい」
流雨「...充電...忘れてて...」
柚夏「これから居なくなる時は
ちゃんと相談する事、分かった?」
流雨「....」
美紗「まー、まー。見付かったから良い
じゃん 柚夏。折角の旅行だよ?」
美紗「それにしても、縁蛇さんの力
凄いね!!」
巫女「えっへんなのですよ。霊媒とかも
出来るのですよ!!もっと褒めて
下さっても良いのですよ?」
柚夏「...お米は学校に持っていきますね」
巫女「こう見えて、縁蛇は人気巫女なのです
よ?予約1年待ちもザラではないの
のです!!あ、お米は今のでしたら」
巫女「茶碗1杯くらいでいいですよ。霊媒
とかなら、米5kgくらい頂いちゃい
ますけどお腹空くので!!」
柚夏「本当にお米なんですね...」
美紗「縁蛇さん凄いね。手を握って貰った
だけでチケットが当たったりするん
だもん。多分本物だよ」
巫女「ちゃんみささんは褒め上手ですね、
へへー、縁蛇そんなに褒められちゃう
と調子乗っちゃいますよー」
美紗「因みに恋愛運とかって...」
巫女
「縁蛇は残念ながら、恋占いの方は専門外
なのですよねー。恋愛は自分でどうにか
するものですから」
柚夏「自分で何とかしなさいって事。私も
後で流雨には沢山話したい事がある
から、恋人として」
柚夏「...けど朝乃先輩、大丈夫かな。」
※スライド
晴華「朝乃ちゃん...、大丈夫...?」
朝乃「晴華さん...。」
縁蛇「目玉焼きが生卵にならないように、
人間の脳も直らないので気を付けて
下さいねっ」
私の枕元に正座で座り、右手を両手で優しく支えながら心配した様子で橘さんは私を見ている。
朝乃(皆に心配掛けちゃったな...、)
朝乃(晴華さんにも迷惑掛けて...。)
朝乃「晴華さん...。...私、本当に馬鹿
ですよね...」
晴華「...朝乃、ちゃん」
朝乃
「 ...ずっと楽しみにしていました。貴女と
共に...美しい京の町並みを、愛しい貴女
と共にこの世界を見たかった...。」
晴華「ねぇ...。どうして...?、なんで...、
朝乃ちゃんだけが...こんな、...目に...
合わないといけないの!?」
朝乃「...前から、」
朝乃「...私は晴華さんと同じ時が過ごせる
この日が来るのを今か、今かと
待ちわびていました。」
朝乃「...前日になり、...緊張して中々寝付け
ず...寝過ごしてしまって...。」
朝乃「晴華さんより早く着かなければと...
私は必死で走りました...。それで...
気がついたら...。もう...」
朝乃「...アホ過ぎて自分でも笑えないです。」
晴華「私は朝乃ちゃんの様子を見てるから、
皆は色々観光して来てね」
晴華「朝乃ちゃんと話したい事も色々あるし」
と、晴華さんは立ち上がって美紗ちゃん達を押し出す。
晴華「折角京都まで来たんだもん。ゆっき
ー達はデートを楽しまなきゃ」
柚夏「ですが...」
朝乃「...それは晴華さんも、ですよ。」
朝乃「貴女も、お祭りを楽しむ権利はあるん
ですから...。アホな私なんて放って
おいて、皆で楽しんできて下さい」
朝乃「私にとって、貴女の幸せが一番の幸せ
であり...。晴華さんの不幸は私自身の
不幸でもあるんです...」
朝乃
「お願いですから。どうか、私に大好きな
貴女の足を引っ張らさせないでやって
は貰えませんか?」
晴華「...朝乃ちゃんは、」
晴華「私とは一緒に居てくれないの...?」
朝乃「晴華さんの為なら、私...なんか動ける
気がする」
立ち上がろうとする朝乃先輩を押し倒し、どこからだしたのかチェーンで縛り付ける橘先輩。その手付きはとても鮮やかで美しさすら感じた...。
晴華「病人は寝てなきゃ駄目だよー?、
ね?ゆっきー?」
古池さん「...そうですね。...では、私達も
見回りましょうか」
柚夏「...そう、ですね、えっと...別行動で...
良いんですよね?」
と晴華さんに気圧(けお)されて次々出ていく後輩達。
晴華「熱中症だねぇ」
朝乃「体力なさすぎて自信無くしそうです...。」
朝乃「晴華さんに迷惑を掛けるつもりは
なかったんですが...」
晴華「私は全然平気だよ」
晴華「ゆっきーの家にいるからかな。お世話
するのが昔から好きなんだ。」
朝乃「海の事もそうですけど、神様が晴華
さんとデートしてるのを邪魔してる
みたい...、」
晴華「朝乃ちゃん...。」
晴華「あっ、」
と畳に躓く晴華さん。
??「....。」
朝乃「....」
朝乃「あの...。晴華さん...??」
白い髪と紅色の目が美しいなと目の前で倒れる晴華さんを見ながら話し掛ける。倒れる姿も美しい
めっちゃ美少女...ッ!!!!
晴華?「なんだ、この状況は...」
晴華?「何故私が朝乃の上に覆い被さって
いる??」
朝乃「確かに"危ない"けどそんなんで
出るの!?!?」
朝乃「私は誓って何もしてないわ!!、、」
動けないけど動けてたら多分右下の方にいってる。
麗夜「では何故こんな状態になってるんだ...。」
朝乃「ただ訳も分からず縛られただけよ!!」
麗夜「状況が理解出来ないんだが」
朝乃「助けて頂戴。このままだと動き辛い
のよ」
麗夜「まぁ、良いが...」
麗夜「...私のチェーンを勝手に使いおって、
何かあった時のために懐に入れているん
だが」
そう言ってピッと、鎖を真っ直ぐに伸ばして戻す麗夜。
麗夜「晴華からしたら訳が分からない
だろうな」
朝乃「懐に物騒なもの入れないでよ。」
朝乃「晴華さん。貴女と話したがってたわよ」
麗夜「私とか」
麗夜「...カッコつけてる所悪いが見た目は
情けないからな」
麗夜にチェーンを解いて貰ってやっと自由になる。晴華さんとそういうプレイなら良いけど、麗夜の前ではただ惨めなだけだわ。
朝乃「交換日記くらい書いても良いじゃない」
麗夜「...あいつと話す事がない。」
朝乃「それと麗夜になるに至って晴華さんの時
と違うことをあげて」
麗夜「朝乃は質問ばかりだな。」
朝乃「これも必要な事なのよ」
麗夜「...晴華と違って私の場合は夜目が効く、
それと私が出るその大体が"晴華"が
危険な目にあった時だ」
麗夜「それもあるのか火事場の馬鹿力が働いて
るらしく、人よりも圧倒的に力が強い」
朝乃「それって凄い事じゃない。いつでも
本気を出せるって事よね...??」
麗夜「意識していないと、常に100%だがな」
朝乃「どういうこと?」
麗夜「目が覚めた時晴華があり得ないほどの
筋肉痛になるらしい」
朝乃「そういえばこないだ晴華さんが筋肉痛
って言ってたような...」
麗夜「次は私の番だ。どうしてまた私は
現れた」
朝乃「晴華さんが転んで、ビックリしたから...」
麗夜「...そんな事で私を呼び出すな」
朝乃「ほんとうにそうなんだけど、、」
朝乃「麗夜的には出たいのか出たくないのか
どっちなのよ」
麗夜「出たいに決まっている。だが、お嬢様
がそれを望まない限り私はこうして
貴様の趣味と付き合うしかないという
事だ」
朝乃「さっきのは趣味じゃないって言ってる
でしょっ、、熱中症になってへばって
無理した所を縛られただけよ。」
朝乃「聞いたわよ。晴華さんが古池家に
助けられた事。覚えてないのを
怒ってるらしいわね」
麗夜「当たり前だ。命の恩人の事を忘れる
など言語道断」
朝乃「しょうがないじゃない。記憶がないん
だから」
麗夜「それでも許せない。古池家の恩義を
忘れるとは」
朝乃「古池家の人達に助けて貰ったのは
麗夜の記憶であって、晴華さんの記憶
じゃない。貴女だけの記憶なのよ」
朝乃「それを忘れないで」
麗夜「"私だけの記憶"だと...?」
朝乃「記憶を共有してないんだから、今この
会話だって私は貴女と話してるのよ。
麗夜」
朝乃「だから貴女が晴華さんに教えなきゃ
駄目じゃない」
麗夜「最後の方はよくわからんが」
麗夜「結果的に晴華だって助けられただろう。」
朝乃「だから晴華さんは古池家のお手伝いを
してるし、古池様のサポートをしてる」
朝乃「助けられた事は覚えてないけど、恩を
感じてるのは本当よ」
麗夜「...。」
朝乃「一つ貴女に聞きたいことがあるの」
麗夜「今のところ一つどころではないがな。」
朝乃「崖から落ちる前の事覚えてる...?」
麗夜「...。」
麗夜「それについてはいつかまた話す。
もっと貴様を信頼出来るようになって
からだな。朝乃」
朝乃「麗夜にも話したくない話のふたつや
ひとつあるのね」
麗夜「崖から落ちた事の事はあまり思い
出したくないからな...」
朝乃「高い所が怖いってほんとなの?」
麗夜「...情けない話だが、本当だ。」
麗夜「晴華程重症ではないがな」
麗夜「次は私の番だ。私のお嬢様の心を
射止めた奴の名前を教えろ」
麗夜「あいつの交換日記に書いてあったんだ」
朝乃(返事はないけど、読んではいるのね)
朝乃「麗夜のじゃないけどね。顔が近いわ、
あの顔だけは良いんだからそんな
近付かないでよ」
朝乃「...好きになるわよ。」
麗夜「そんな事は知らん。早く教え」
麗夜「...誰か来る」
と麗夜は寝たふりなのかさっきまで私の入ってた布団に入る。
朝乃「私病人なんですけど...」
...それにしても寝てる顔綺麗だな、おい。
巫女「あなたは色々気を付けた方が良さそう
ですね。」
巫女「虎も危険ですけど、なんか一人
の女性に付きまとわれています。
そんな未来が見えますね」
巫女「"女難の相"ですよ」
今まさにそう。
朝乃「そんな人覚えないけどなぁ...」
朝乃「というかさっきキスした人ですか」
巫女「人命救助だからノーカンですよ。
あなたも私もそっちの方が良い
でしょう」
朝乃「それもそう、ですね」
朝乃「でもそんな人身に覚えがないというか...」
巫女「おかしいですね。近くにいるはず
なんですが...」
朝乃「もしかして...奈実姉ぇ?
付きまとうっていうよりお世話して
貰ってるけど」
巫女「その人は違いますねー」
朝乃「樹理さん?」
巫女「その人は近くはないでしょう」
朝乃「え、こわ...。幽霊的な何かかな」
※キャプション
皆が戻る頃には晴華さんもいつもの晴華さんに戻っていた。
晴華「ごめん、朝乃ちゃん眠ちゃってて...」
朝乃「皆が帰ってくる前で良かったですね」
晴華「最近私寝てばっかだなぁ...、」
朝乃「大丈夫ですか?」
晴華「ちょっと疲れが溜まってるかも」
と、私に膝枕する晴華さん。
朝乃「普通逆じゃないですかね////、、」
晴華「朝乃ちゃんは病人でしょ?」
晴華「もう少しだけこうやってたいの」
朝乃「でも、...筋肉痛なんですよね」
晴華「少しだけ。ね」
すごい、太腿むにむに、すべすべ...気を抜いたらすぐに意識が飛びそう...。というか晴華さん細すぎない???ちゃんと食べてる???
朝乃(晴華さんは直視出来ないけど、
なんか、安心する...。)
※スライド
巫女さん
「では、皆さん。お食事の準備も出来ました
のでお入り下さいませ」
柚夏「朝倒れた...朝乃先輩は、もう大丈夫
そうですか...?」
巫女さん
「はい、もうすっかり元気になられて
部屋の中に先にいらしてますよ。」
朝乃「本当にご迷惑をお掛けしました...。」
と畳の上で土下座する。
柚夏「良いですよ別に、私達何もしてない
ですし」
朝乃「神...」
柚夏「神じゃないです。」
大きな畳の部屋に案内された先に、細長いテーブルが沢山並べられていて
美味しそうな鯛や鮪の活造りといったお料理が綺麗に並べられていた。
朝乃「あ。芽月さん達、お祭りは楽しかっ
た?」
晴華「柚ちゃん達は凄いラブラブしてた
みたいだねー、おめでとうー」
流雨「ん...、」
朝乃(さっきの短い時間で聞いてたのか...
私は聞こえなかったけど、晴華さん
って凄い耳良いよね。まぁ聞こえてた
ら)
朝乃(聞こえてたで気まずいんだけど...)
柚夏「いや、なんでも...」
晴華「...流雨ちゃんはー、柚ちゃんとー。
ちゅー、したー?」
柚夏「何を、言わせようとしてるんですか
ね!?美紗も、誤解しないでね!?」
朝乃(最近の子は進んでるなぁ...。)
※スライド
柚夏「でも...出店初めてなのに、最後もっと
回った方が良かったよね。流雨」
流雨「...ん、また来年。...行けば良いから」
柚夏「流雨...。...そうだね、今度は東京で
お祭り行こっか。何処が良いかな」
晴華「...流雨ちゃん、凄いお話しするように
なったねー。ね?、朝乃ちゃん」
朝乃「そうですね...。私達の前ではそんなに
喋ってる感じではなかったですか
ら...。でも、そういう静谷さんも」
朝乃「私は良いと思いますよ。可愛くて」
晴華「朝乃ちゃんは誰にでも可愛いって
言ってる気がするなー...」
朝乃「勿論唯一無二は晴華さんですよ、、
晴華さんはもう人類の域を超えて
ますから」
朝乃「...晴華さんは人間じゃないです。」
朝乃「そう、いわば地上に舞い降りた...女神
(ゴッテス)...」
晴華「私は女神じゃないよー?」
柚夏「...まぁ、その気持ちは分からなくも
ないですが...」
と流雨さんを見ながら言う柚夏さん。というか恋人というよりどっちかというと身長差で親子みたいなんだよな
晴華「えっ、柚ちゃんまで?柚ちゃんが
冗談言うなんて珍しいねー...」
柚夏「え?そうですか...?」
晴華
「そうだよー、朝乃ちゃん基準になっちゃう
と、私人間じゃなくなっちゃうよー...」
柚夏「はは、それは確かにそうですね」
朝乃「私基準...。」
朝乃「美紗ちゃん達はお祭り、楽しかっ
た?」
美紗「はいっ、楽しかったです。でも、
歩きっぱなしでちょっと疲れちゃい
ました...」
朝乃「あはは、此処の階段結構きついよね」
美紗「朝乃先輩はもう大丈夫なんですか?」
朝乃「うん、お陰様でね。少し寝たら、
すぐ元気になったよ。皆には
心配掛けちゃったけど...ほんと
ごめんね。」
美紗「先輩が元気になった。それだけで、皆
ハッピーですよ!!それにまた今度
皆で行く口実になるじゃないですか」
朝乃「何この子...っ、良い子過ぎるでし
ょ...。こんな私にそんな事、言って
くれるなんて...」
朝乃「...ちょっとくらい、あいつにも垢を
煎じて飲ませてやりたいわ、」
美紗「あいつ?」
朝乃「あー、頭痛い....、、」
巫女「熱中症の後にそんなに大きな声を
出したらそうなります。私の責任に
なりますのでやめて下さいね?」
巫女「あとネットに書くのとかもやめて
下さい、別に書いても良いですけどそこにいた優しい巫女さんが私を優しく看病して下さったと」
雪音「そちらは問題ありませんでしたか?」
晴華「ゆっきーこそ、何か良いことあったっ
て顔してるよー。どうしたのー?」
雪音「...えぇ、想定以上に得られる物が
ありましたから。」
晴華「えへへー、そっかー。それは良かった
よー♡」
美紗「橘さんはあの後どうしたんですか?」
晴華「...え?」
美紗「...?なんでそんな驚いてるんですか?」
朝乃(美紗ちゃんは晴華さんの事知らないん
だっけ、、)
晴華「....えっと、あの後はねー。朝乃ちゃん
とお話して...、それから...?」
朝乃「一緒にお昼寝しちゃってたのっ!!
晴華さん、お仕事忙しいから疲れてて
ですよね!?」
晴華「...う、うん。そうなんだー...。私途中で
寝ちゃってて...ごめんね、朝乃ちゃん。
重くなかった?」
朝乃「...はい、晴華さんの体重を肌身で
感じられるなら私は全然!!」
美紗「えっと...本当に大丈夫だったん、
ですか?モデルのお仕事も大事だと
思いますけど...、ちゃんと休憩も
取って下さいね...?」
美紗「二度目は雪音に言いますよ。」
晴華「うん、心配してくれてありがとー。
出来るだけ私も、休めるように
頑張るね。」
美紗「いや、頑張ったら駄目なんですって
倒れてるんですから、」
※スライド
神社から見える山の景色を楽しみながら、皆と食べるご飯はなんだかより一層美味しく感じる。
朝乃(景色も綺麗だし。最高ね)
朝乃(ご飯おいしー、)
晴華「ちょっ...、ちょっと待って...!!
それ食べちゃうの!?朝乃ちゃん
っ?!皆も見てないで止めよう!?」
朝乃「ん??」
晴華「...しょっぱくない?」
朝乃「....?」
朝乃「美味しいですよ?」
晴華「...朝乃ちゃん~?、お家でもそんな
生活してるー...?」
朝乃「味がしないので、後で足して...」
晴華「...こ、...こらーーっ!!」
朝乃「...か、可愛ぃぃぃ...///晴華様...///」
晴華「私は、怒ってるんだよー!!」
雪音「少し風に当たってきます」
晴華「あっ、ゆっきー。迷わないように
気を付けてね」
朝乃「あ、それと巫女さん これ」
巫女さん「なんですか??」
朝乃「私回れなかったのでこれ占い代わりに」
と巫女さんにクーポンを渡す。
巫女さん「こんなに貰えないですよ。5枚で
充分です」
朝乃「そこはちゃっかり貰うんだ」
巫女さん「こっちは商売ですからね。その
チケットはちゃんと使えるので
またいつかいらして下さい」
朝乃(じゃぁ晴華さんと行ったお土産
代わりにしようかな。店も回れな
かったし)
※キャプション
巫女さん「では、灯りを消しますね」
朝乃「だ、だめです...っ!!私真っ暗なとこは
いやっ、もうそのすっごいっ苦手
で!!灯りは先に...!!」
朝乃(皆の前で麗夜が出てきたら困る...っ!!
それに晴華さんも怖い思いすると
思うし)
朝乃「...お願いっ、...します。...いや、
その...急にお騒がせしてしまって...
本当にすみません...、急な発作が!!」
巫女さん「あらあら...、私とした事が...
暗所恐怖症の方がいらっしゃる
のですね。」
巫女さん「では、先に灯りを付けさせて頂き
ましょう。」
朝乃「...そうして頂けると、本当、助かり
ます」
朝乃「このくらいなら大丈夫ですか、晴華
さん(小声」
晴華「う、うん...ありがとう(小声」
カチッと、白館さんが小さな鍋に付いているブルーの着火剤に火を付けていく...。
朝乃「怖いので、手を握っていても良いです
か?...晴華さん。」
晴華「...うん、朝乃ちゃん...。」
巫女さん「では、消しますね...」
真っ赤な炎が揺らぐように燃えていて、とても綺麗だ...。
....ドンッ、...パチパチ...。
美紗「ね、見て!...花火!!」
祭りの醍醐味と言える、色とりどりの火薬...。薄暗い夜空に打ち上げ花火が大きな音を立てて咲いている...。
柚夏「...此処からでも、よく見えるね」
晴華「凄い...、綺麗だねー...」
朝乃「...はい。...とても...」
※キャプション
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます