⑦流雨の夢野編~序章~【ゆずるう】

そこに藤奈さんがいた。


藤奈「ようこそ、幸福の大地へ」


藤奈「どうも 藤奈です。」


柚夏「なんでこんな所に...」


藤奈「私が居てはおかしいですか?」


藤奈「正直、柚夏様と流雨さんは見合ってない

   と思うんです。柚夏様も発達障害者と

   付き合うのはやめて」


藤奈「私のものになりませんか??」


藤奈「そしたら、幸せを約束しますよ」


柚夏「...遠慮しておきます」


藤奈「どうしてですか??」


柚夏「あなたは流雨を苛めた。何を考えてる

   か分かったものじゃない」


藤奈「ただの一度の失敗であなたは私を悪者

   にするのですね。」


藤奈「一緒に歩きませんか?」


藤奈「...貴方に見合うのはこの私。」


柚夏「見合うもなにも、私は貴方と付き合う

   気はないですよ」


 正直、私はこの人の事は信頼出来ない。面白い人だとは思うけど それ以下でもそれ以上でもなかった。


柚夏(でも、流雨の事よく知ってるからなぁ...)


??「此処で人と話すのは厳禁です。」


と、まるでアヌビスのような耳にクリスタルのような長い尻尾の生えた人?が尻尾を振りながらこっちに向かって話し掛けてくる。


??「唾液が飛んでしまうので。此処は聖域

  ですよ」


??「この世界を変えてくれる方がこの地に

  訪れるとされている場所なので」


??「この世界では喧嘩はしてはいけません。

  誰か一人が不快に思えば、それを直すよう

  努力するべきです」


と去っていく猫の女性。


藤奈

「あの人の言う事を聞く必要はありませんよ。厳しすぎだし、うざいし...何よりうっとおしい」


藤奈「あの方はこの世界の王様。”バステト”

   という名の猫の神様です。」


藤奈「やっぱり猫じゃ駄目ですね。迫力が違い

   ますもん。昔の王様の方が良かったのに...

   なんであぁなってしまったのか」


柚夏「そんな事言ったら駄目ですよ。」


藤奈「じゃぁ、私にとって貴方はもう必要ない

   存在なので”縁が無かった”という事で」


柚夏「は...??」


藤奈「これ以上の会話はお金が掛かります。

   私もそれなりに忙しいので、これ以上

   会話を続けたければ友達料を下さい」


と一方的に言いながら彼女は去っていった。


柚夏「え...?ほんとなに...」


柚夏(取り敢えず、此処から移動するか...)


街人A「すみません、、さっきひったくりに

   あったんですが(はぁはぁ」


街人A「助けて下さい。」


と息を切らした女性が此方に駆け寄って切る。私警察でもなんでもないんだけど...


柚夏「警察には相談したんですか??」


 相手がナイフを持ってたら勝ち目ないし、ひったくりというならもう逃げてるはずだ


街人A「そうなんですが...行ってみれば

    分かりますよ」


街人A「そこに常駐してるパトロールさんが

    居ますから」


と、公園を見てみるとそこに翼の生えた警察官がいた。その翼はリアルで、まるでそこに鳥の翼が生えたかのように不自然な程自然だった。


 翼の生えた警察官は此方に気付いたのか、向こうから話しかけてたきた。


警察「なに??ひったくりに遭った??」


警察「...またか、我々も暇じゃないんだけどな」


警察「ひったくりに遭う方も悪いのでは??」


警察「向こう側も大変な目に合ってるのです、

   だからこそ盗んだのでしょう」


警察

「今日食べるご飯に悩んでいたり、病気の娘が居たり、そのような可能性だってあります」


警察「それに我々は強盗や轢き逃げなど危険度

   の高い事件を率先して行います。」


警察「その程度の事件の検挙をいちいちやって

   いたらきりがありません」


警察

「向こうはまだ発達途中。この国は犯罪者に甘いんですよ。泥棒するのは大抵障害者。小さい頃に傷つけられた被害者が多いんです」


警察

「その事は忘れて、広い心で許してあげるしか

 ないですね。」


警察「我々知的生命体が未発達の子供のまま

   大人になってしまった少年少女を許さ

   ねばなりません」


警察「あなたは親がギャンブルで全てお金を

   溶かした事がありますか??親が宗教に

   ドハマリしてお金を返した事があります

   か??」


警察「親がドライブ中に飲酒運転をして、

   轢き逃げしてお金がなくなったことが

   ありますか」


警察

「...それに盗まれたのなら、また働いて買えば

 良いでしょう」


街人A「助けれる脚力はあるのに、助けて

   くれないんですか...」


警察

「私だって助けたい。ですが、私は平等でなければいけない存在。だからこそ 当人同士で解決して下さい。」


街人A「そんな...」


街人A

「...此処はやったもの勝ちの世界なんですね。」


警察

「魂の器を成長させるにはどんなことでも広いココロで許さねばなりません どんな事であろうとも。あなたが天国へ行きたいのなら」


子供「うわーん、あの子に物壊された」


警察

「相手に見せびらかすからですよ。勉強によるストレスで壊してしまったのです」


柚夏「ちょっと、、」


柚夏「なんで盗まれたのに、こっちが悪い

   みたいになってるの」


警察「此方が悪いからです。」


警察「盗まれたり奪われたりする人は前世で

   同じ行いをした人。だからこそ、その

   縁(えにし)を断ち切らねば

   なりません」


警察「...そういう不幸な人生を歩んできたから

こそ。我々良民はそれらを許す心を持つ

べきなのです」


警察「それだけで怒るなんて"人間じゃない"」


警察「あぁ、その程度慣れでどうにかなるはずなのに。何故皆(みな)その程度で泣いたり叫んだりするのでしょう」


警察「私はずっと貴方方(がた)に良い風に

   振る舞っているのに」


と慈愛に満ちた瞳で見つめる警察官。この人?、本気でそう思ってるのか...


柚夏「大丈夫ですか」


街人A「あぁ...、大丈夫です。大切な物が入っていたのですが、警察の言う通りですから」


柚夏「大事な物を奪われたのに取り返さないんですか」


街人A「そういう法律ですから。この世界では怒ったら、精神病院に閉じ込められるんです」


街人A「精神に異常があるとみなされて。」


街人A「まるで刑務所みたいに、食事を入れる部屋があって。そこの警察の機嫌をとらないと誰も入って来ないんです」


街人A「トイレとトイレットペーパーしかない

   部屋での生活、それと布団だけ」


街人A「起きて寝て排出するだけの生活なんて

    もう嫌です!!、、私は正常なのに」


街人A「...もうあそこに入院するのは嫌

   ですから」


街人A「怪我をするから公園が無くなったり、公園のトイレットペーパーが無くなるからトイレではティッシュを持参するのが当たり前だったり」


街人A「そういう人達のせいで、何もしてない私達が不幸を被(こうぶ)るんです。人なんて所詮自分の事しか考えてません」


街人A「あのバックの中にはお母さんから

   貰った鏡が入っていたのですが...」


柚夏「....。」


→A逃げた犯人を捕まえに行く

 Bもっと上の人に通報しに行く



→A逃げた犯人を捕まえに行こう


柚夏(今ならまだ間に合う、走って犯人を

   追おう)


柚夏「そこの、盗人待てッ!!、、」


盗人「チッ、金目の物も入ってねぇし返して

   やるよ」


柚夏「なっ、」


とバックを投げ捨てる盗人。


柚夏「鏡が割れてないと良いけど...」


柚夏(あ、良かった 割れてない...)


街人A「あなたのお陰で助かりました。

   本当にありがとうございます、、」



→B警察に通報しに行く


柚夏(此処の警察は信用ならない、今すぐ

   走れば追い付けるはずだ)


柚夏「そこの盗人、、待てッ!!、、」


と、ゴミ捨て場にあったコードを犯人に投げつけ足を引っ掛ける。


 すると犯人の足に絡まって無事に犯人を捕まえる事ができた。


街人A「あなたのお陰で助かりました。

   本当にありがとうございます、、」


街人A「犯人まで捕まえて頂いて...。

   なんてお礼をしたら...」


※スライド


警察「ちょっと、そこの青年、、」


柚夏(青年じゃないんだけど)


柚夏「なんですか」


警察「君のお陰でまた一つ、この世界が

   正しい世界へと近付きました。お礼を

   申し上げたいと思います」


警察「王様がそんなあなたにお会いしたいそう

   です。」


とまるでお伽噺の王子様が暮らすような立派な王城に案内される。税金食ってそうだなぁ...


猫の女性「まずはお礼を言わせて下さい。」


猫の女性

「国民の心を救って下さってありがとうござい

 ます。あなたのお陰でまたこの世界が正しい   

 世界に近付きました。」


柚夏(あ、さっきの...)


猫の女性「私はこの世界の王、バステト

     です。猫の神様とも呼ばれていて

     先程もお会いしましたね。」


バステト「もしかしてあなたならこの世界を

     切り盛り出来るかも...(小声」


バステト「全員下がりなさい。」


天使達「ですが、」


バステト「...私はこの方と話があるのです。」


天使達「畏まりました。神様」


バステト「ふぅ...全員行きましたね。」


と、杖を置いて一息付く猫の女性。


バステト「全権旺盛が変わってしまってから、

     私が王座に就任したのですが」


バステト

「皆さんの意見ばかり聞いていたら、

 大変生きづらい世の中になってしまって」


バステト「...あぁ、何かお礼をしなければ。

     どういった物が宜しいでしょうか?」


→A肉球を触って良いですか

→Bもう少し国民を見て貰っても良いですか


→A肉球を触って良いですか


柚夏「その肉球どうなってるんですか??」


バステト「あぁ、これですか。獲物に近付く時に音を立てないようにするためにあるものらしいです。先祖の名残ですね」


バステト

「ゆっくり歩けば音を立てずに歩くことが出来ます」


柚夏「触ってみても良いですか??」


バステト「良いですよ。翼人(つばさびと)の

     方々には無いですからね」


と、ふわふわな黒い毛を触ると癒やされる...。青ともよめる水色の肉球を軽く押すとにゅっと爪が出てきた


バステト「爪切りは苦手なんです...///、、」


柚夏(可愛い...)


柚夏「凄い良い毛並みですね」


バステト「ありがとうございます...///」



→Bもう少し国民を見て貰っても良いですか


柚夏「今の王権なんとかならないんですか」


バステト

「今の王権には私もどうにかすべきだとは

 思っていますが、私の我慢が足りないのも

 翼人(つばさびと)達に影響されています」


バステト

「私がしっかりしていれば、翼人達もちゃんと働いてくれると思うのですが...」


バステト「昔苛められていた過去もあり、

そういった事のない世界を作ろうと私達は必死に頑張りました」


バステト「ですが、...その結果がこれです。年老いた翼人は給料の高い仕事しかしませんし...」


バステト「若い翼人はどうでもいい違憲ばっかり注意していて、本来の業務が疎かになっています」


バステト

「違憲も大事なのですが、もっと被害者に寄り添った事件を解決するよう言ってはいるのですが...何せ出来高制で給料が発生するので...」


バステト「この世界はこういう世界なんです」


バステト「何も変わらない、何も変えられない」


バステト「やっぱり以前の王様の方が...いや、

     でもあの人は殺人を犯したので」


柚夏「殺人を犯した...??」


※キャプション


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