第24章「凍てつく波動、」【みさゆき】

 次の朝、くゆに相談して雪音のご機嫌をどう直すか考えながら私は気持ちを構えて学校に登校した訳だけど...。


...テストが終わった後。


 柚夏の事で色々あって...、私じゃどうにも出来ない事だったから。ダメ元でメールを送ったら来てくれて


 色々助けて貰った、


 昨日の事、怒っててもおかしくないのに柚夏と流雨さんの事も助けに来てくれて...。


美紗(...雪音の私情を挟まない、そういう    

   とこが、凄いカッコいいなって。)


 あ、でも!!話はちゃんと解決したんだ

けど...!!


それで、その後...


...ちょっと困った事になっちゃったんだよね。


※スライド


??「古池様、...そのあんよで、どうか

   私を踏んで下さい...!!」


??「...お願います///」


 廊下に制服が付いてるにも関わらず正座のまま、そう懇願する2年生の人。


 雪音の怒りを買ってしまった先輩は雪音を怒らせた事でかなり精神的に追い詰められてしまったのか


 何故か途中でMの道へと目覚め、後半はもううっとりするような瞳で雪音の声を聞いててまるで神様に妄信する信者のように雪音の事を見てる。


美紗(流石生きる宝石...、雪音声も見た目

   もテレビに出てくる女優さん並

   に綺麗だもん、というか此処まで

   変えられるの凄いな...。)


 付き合っていられません...、とそれを無視して雪音は歩いてくんだけど...


 生徒会室の前で雪音がドアを開けるために止まった瞬間、「踏んで下さい!!」とでもいうように


 先輩は雪音の足にしがみ付くのだった。


 ...いうようにというか、実際さっき言ってた訳だけど...。


??「白い足ですね...、まるで絹

  みたい...///」


 うっとりするように雪音の足にしがみつく先輩は中々離れようとする気配はなく、雪音のボルテージもかなり絶頂に達しているみたいだった...。


美紗(うっわ、凄い機嫌悪そう...、顔には

出てないけど...目がもう...)


雪音「...付いて来ないで下さい、心が

穢れます。...フジムシさん」


 多分、この人に言ってるんだろうけどその言葉は私にも刺さる、、


??「はぁぁあん...///」


 薄汚れたゴミを見るような目つきで、能面のように無表情で言う雪音...。


美紗(...私は痛いのを気持ちいとは思え

   なかったけど、やっぱりそう思えた

   方が良いのかな...。)


美紗(...どこからその領域になるん

   だろ?...痛みが分からなくなった

   ら?)


美紗(...いや、でも痛いものは痛いし...、

   お父さんだと興奮しないのは

   性別の問題?)


美紗(雪音は綺麗だし、女王様な雪音

   なら蹴られても良いのかな...。それで雪音の気が晴れるなら私は...、、)


雪音「...杏里さん、...見ていないで

   どうにかして頂けませんか?」


美紗「あ、はい。すみません、、」


美紗(そうだ、...今はそれよりも、

   雪音に良いところを見せてご機嫌を

   直して貰う事が先決だ、私...!!)


美紗(今の私は雪音には逆らえないん

   だから...、)


雪音「...私は対処法をお伺いしているの

   です。お聞きしたいのは謝罪の言葉

   ではありません」


美紗(...あー、...どうしよう)


美紗(雪音のご機嫌が、...ますます悪く

なってくよぉ...。)


 雪音の口調はいつもより、尖っていて


 本当にうっとうしくてたまらないという様子が声を聞くだけでも分かる。


 というか、今の雪音に冗談は通じなそうだった...。


雪音「...この後、私にも生徒会の仕事が

   あるのですが...こちらも多忙なの

   です。」


雪音「貴方個人だけに付き合ってはいられ

   ませんので悪しからず、ご協力

   頂けませんか?」


??「嫌です...///!!古池様が蹴って下さるま

   で、私はこの場を離れる訳には

   いきません...///!!」


 雪音は足にくっ付いている先輩に交渉するけど、見事に(...見事なのかな?)交渉決裂していた。


雪音「...ふぅ。この場に麗夜さんが

   居れば、良かったのですが...。

   仕方ないですね...、」


美紗(...また、「麗夜さん」って人)


 最近雪音から麗夜さんて人の名前をよく聞く気がする...。私に「気をつけろ」って英語で書かれた手紙を送った人。


 ...かなり怖い人みたいだけど、でも...雪音にとってはそれだけ頼りになる存在なのかな...。


美紗(...私も、雪音のボディーガードさん

   みたいな人だったら雪音の期待を

   裏切らずにすんだのかな)


美紗(一回、失敗しちゃったけど...、)


 ぐっと、拳を握りしめて力を込める。


美紗(せめて、前みたいに弱いもの苛めだ

   って言われないくらい、これからは

   誠意を持って雪音に接しよう...、、)


 昨日の事を許して貰うために、雪音に杏里さんって頼りになるんだってとこを見せないと...!!


美紗(雪音と話すきっかけがほしい、)


美紗(でも、下手に雪音を動かそうと

   すると...もっと、機嫌を悪く

   なる可能性もある...。)


美紗(雪音の性格も考えて、...どうしよ

   うかな?)



→『どMな先輩を説得する』

→『雪音に先輩を蹴ってもらう』

→『雪音にどうしたら良いか聞く』



→『どMな先輩を説得する』


美紗「えっ、と...雪音が困ってるので...

   すみません。どいて貰えません

   か...?」


 と、雪音の足にしがみついている先輩に私は声を掛ける。


 ...これで上手くいったら良いんだけど、そう簡単に行くかなぁ。


美紗「お願いします...、」


??「嫌ですけど」


 ...気持ちいくらいに。...凄い、すぱっと綺麗に断られた。


美紗「あ、はい...。」


 ここまで清々しく断れるとどう返して良いか正直分からない...。


美紗(...どうしよう、)


??「古池様ぁ...////」


 次の作戦を考えていると、雪音が薄いピンクの唇を開き始めた。


...もしかして、...慈悲を感じて?


??(...雪、音)


雪音「杏里さん...」


 瞳を開いた雪音の鼈甲色をした瞳が宝石のように光り輝いている....。


雪音「普通すぎてつまりません...。

   フジムシさんもそれでは、そのよう

   に仰るに決まっています...」


美紗「雪音はその人から離れて貰いたいん

   だよね!?そうなんだよね?!

   あれぇ?!」


雪音「当たり前です、...このままですと

   血液の循環が悪くなってしまいます

   から」


美紗(...それは大変だ!!今すぐ雪音を

   助けないと...!!)


 2年生の先輩はそれを聞いて、右足から左足にしがみ付いた。


 そういう気遣いは出来るのに、なんで生徒会室に入る邪魔をする気遣いはできないんだろう。


美紗(...そういう、問題なのかな?)


雪音「ふぅ...」


と、雪音が足を下げると足を掴むのをやめて四つん這いになった先輩の上に雪音は腰を降ろして座ったのだった。


美紗(え、ちょっと待って...初めて会って

   るんだよね?)


雪音「...なかなか出来るじゃない

   ですか。...後は自家製の紅茶が

   あれば完璧でしたね。...あれば、ですが」


 目が完全に据わっている雪音は遠くを見て、感傷的な気分に浸っているようだった。


 ...それはもう本気で椅子としか見てないと出来ないくらいに...。


??「ヒンヒン///!!」


雪音「私、...馬は好きですよ。犬でない

   あたり好感度が0.01%くらい

   上がりました。良かったですね」


美紗(なんで!?可愛いけど...!!、

   ...今の雰囲気、正解じゃな

   かったんだ!?)


美紗(あんだけ目くりくりさせてそれな

   の...?!)


美紗(...。...んんっ///!!なんか、...これは

   先輩の気持ち分かるかもしれない////)



※続く





→『雪音に先輩を蹴ってもらう』


美紗「...ゆ、雪音?...蹴って貰ったら、

   先輩もやめてくれるんじゃない

   かな...?」


 雪音は流れるように、先輩に対して踵をお振り下ろしてドアを閉めたのだった。


美紗「あれ?!ゆ、雪音...!?」


 私は2年生の先輩と一緒に雪音に閉めだされてしまった...。


美紗(...んー、...雪音のお気に

   召さなかったか...、)


※次のキャプションへ Bパートから




→『雪音にどうしたら良いか聞く』


美紗「...どうしたら良いと思う雪音?」


雪音「...」


雪音「...くっ、...ふふっ、...なんですか

   それ」


 雪音は楽しそうに口元を人差し指で覆ってお嬢様のように微笑んでいた。


美紗(あれ...)


美紗(今日の雪音...すごい感情的...)


 怒ったり、笑ったり...、楽しんだり...。...いつもの雪音じゃないみたい...。...あれ、...これって...


...雪音の、...本当の感情...?


美紗(雪音と初めてあった時みたい...、)


美紗「...雪音に聞いたら間違いない

   かなって思って...。」


雪音「...確かに、それはその通りですね。

   ですが...その返しは流石の

   私も予想外でした。」


美紗「...昨日みたいに今の雪音

   の感情を無視するのは良くない

   かなって...」


 2年生の先輩はじっと雪音の顔を見ているが、雪音は一切構わずに続ける。


美紗「...雪音、...それ」


雪音「ですが此処までです。」


雪音「此方も生徒会の仕事があります

   ので」


※続き


雪音「...私の機嫌が悪くならない内に、

   早く消えた方が身のためですよ」


 と、反論させる気のない冷え切った声で

雪音は2年生の先輩を見下す...。


雪音「...散りなさい、」


 黄金色をした鋭い眼光で、雪音が無言でプレッシャーを放つと、先輩はヤバい、と思ったのか硬直したように逃げて行く...。


雪音「...あの程度の輩ならすぐに

   退けます。あなたの力がなくとも」


美紗「雪音...?」


 そう言った雪音の瞳の、宝石のような輝きは完全に失われていたのだった...。


→Bパート(此処から)

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