第12明「晴華さんと花鳥園」【晴朝夜】
朝乃「麗夜とは良い感じですか?」
晴華「そうそう、聞いて」
晴華「最初は何も書いてくれなかったけど、
最近やっと反応してくれるように
なって」
晴華「朝乃ちゃんの事も書いてあったよ。
映画面白かったって」
朝乃「可愛いところもあるじゃない...。」
晴華「10月くらいに急に書いてくれるように
なったの。誘拐事件でゆっきーに
こっ酷く叱られたのが相当きてる
みたい」
朝乃「誘拐事件...?」
朝乃「晴華さん誘拐されたんですか!?!?」
晴華「いや、私じゃなくてゆっきーが。」
晴華「美紗ちゃんが本当にゆっきーに相応しい
かどうか試すために誘拐の真似事を
したんだって」
晴華「ゆっきーに聞くと硝子も破壊したみたい
で...ちょっと危ないことし過ぎだよね。」
朝乃「硝子...」
朝乃(...絶対、あのシーンだ。)
晴華「硝子の請求書が来た時は本当にビックリ
したよ」
朝乃「あの...映画の件ですかね」
晴華「どんな映画を観たかは知らないけど」
晴華「交換日記にメモ代わりに薬の量を書いて
あって。誘拐事件の目的は知ってたんだ
けど、流石に違うよねって」
晴華「ゆっきーに使うものだったから薬の量を
あらかじめ事前に減らしておいたの」
晴華「本人には言ってないけど、それでゆっきー
が作戦の途中で起きちゃって大変
(たいへん)激怒」
晴華「ゆっきー昔誘拐され掛けてからあんまり
感情の起伏がなくなって、それで良かった
って麗夜は言ってて...」
朝乃「良かったって...」
朝乃「...ビックリどころじゃないですね。本人
からしてみれば」
朝乃(まだそういうところがあるのか...、
あの時スパイ映画じゃなくてアニメ見せと
けば良かった...。)
晴華「6歳の子にそういう事教えちゃ駄目だよ」
朝乃「はい...。全力で謝らせます。ほんとに」
朝乃「あの時、暇だからって映画を見てたん
です」
朝乃「まさかそれを真似されるとは思って
ませんでした...。」
朝乃「やっぱり晴華さんのスライドショーを
見せるべきでしたっ!!、、くっ、」
晴華「いや...うん、それは」
晴華「朝乃ちゃんも大変だけど私も頑張る
からっ」
晴華「いつも頼ってばかりでごめんね...。」
朝乃「いえ、私も子供を育てるつもりで
麗夜を育てるべきでした。」
朝乃「せめてこういう事がないように次は言い
聞かせときますっ」
朝乃(麗夜も危ないし、)
晴華「...流石の私もこのままじゃいけないと
思って、暗所恐怖症対策をしなきゃ
なぁって思ってるの」
晴華「流石に今回みたいな危ない目に
あってたらいけないと思って」
朝乃「だったら夜の花鳥園とかどうですか」
晴華「花鳥園?」
朝乃「お花も綺麗ですし、動かない怪獣
みたいな大きな鳥のハシビロコウ
とかもいますよ」
※スライド
晴華「お待たせー、」
いつもの服とは違って眼鏡を掛けてる晴華ちゃん。変装しているのか、それでも綺麗な髪が凄く目立ってしまっている
晴華「待った?」
朝乃「いえいえ、そんなに待ってませんよ」
晴華「今日はどこ行こうか。パンフレット
見よっ♪」
と腕を組んでくる晴華さん。...顔が近い///
晴華「此処に行ってから、此処に行って
最後にお土産屋さんに寄って帰ろう?」
朝乃「夜に元気なのはフクロウくらいだけど
何かすごい晴華さんにアピールしてる」
梟「ホロッホー、」
と首をぐいんぐいんと傾けながら見つめるふくろう。
晴華「夜って言ってもまだ午後だけどね」
晴華「他にも色んなところ行きたかったから」
晴華「可愛いね。ふくろうさん」
朝乃(貴女の方が可愛いですよ、、
晴華さん...///)
晴華「朝乃ちゃんは私の立場を利用しない
よね」
晴華「読モだからって近付いて来たり、友達に
なったり 良い化粧水の話をしたり...」
朝乃「晴華さんの使ってる物は興味あります
けど、晴華さんも"一人の人間"ですから」
晴華「だから 朝乃ちゃんに麗夜の事を頼んで
正解だった。」
晴華「私の大事な人、大切にしてあげてね」
晴華「でも、最近流石に呼び出し過ぎてる
気がするから。前みたいな事が起こら
ないように対策しておきたいの」
晴華「だから、今日はよろしくね」
晴華さんとデートしているとあっという間に空が暗くなっていく。
晴華「大丈夫かな、、」
晴華「ライトアップしてるとこは大丈夫
だけど森みたいに暗い場所はちょっと...」
晴華「自分で誘っておいてごめんね...。」
朝乃「大丈夫ですよ。徐々に慣れて
いきましょう」
晴華「手を繋いでてくれる...?」
朝乃「勿論です。」
朝乃(晴華ちゃんの手///!!)
朝乃「ほら、鳥さんが居ますよ」
朝乃「折角だから展望台に行ってみましょう」
展望台に登るに連れて晴華さんの手が強張る。そして不安気な表情で私の手をぎゅっと握る晴華さん
朝乃「大丈夫ですよ。私が付いてますから」
朝乃「此処は幸(さいわ)い明るいですし」
朝乃「無理だったら此処から出てもらっても
構いません、本当に怖かったら無理する
必要もないんですよ」
晴華「朝乃ちゃん...」
朝乃「晴華さんはどうしてそんなに暗いのが
怖いんですか」
晴華「...記憶がないの。ただ真っ暗で怖くて...、
...思い出したくない。」
晴華「ただ、凄い怖い思いをした。だから、
私の髪は真っ白なの」
そう言いながら震える晴華さん。
晴華「...自分が自分で無くなりそう、、」
朝乃「もう少しです」
朝乃「ほら、目を開けて見て下さい」
晴華「わぁ...、」
すると、展望台には満天の星々が輝いていた。
晴華「綺麗...。」
朝乃「お星様が輝いていて綺麗でしょう?
私のお気に入りなんです」
小さい頃にパパと行った展望台。この景色をどうしても好きな人と共有したかった
晴華「本当に綺麗...」
晴華「こういう場所は避けてたから、暗闇の中
にはこんなに綺麗な景色があったん
だね...。」
※スライド
ナレーター「此処でお肉を投げてあげると、
鋭い爪でキャッチして食べて
くれます」
晴華「ほんとに凄いね。」
朝乃「私のも食べてくれた」
朝乃「鷹はやっぱりカッコいいですね。
顔がシュッとしてて」
朝乃「鷹のカップルは両足で絡みあって
地面ギリギリまでバンジージャンプを
するそうですよ」
晴華「そうなんだ」
朝乃「命がけですね。」
晴華「ありがとう、朝乃ちゃん」
晴華「最近ほんとに忙しくてね。こうやって
ゆっくりする時間が中々無かったんだ」
晴華「だからありがとう。一緒に遊んでくれて」
それから何日か経った後...
晴華さんからシーウェが届いた。
『朝乃ちゃんに言われた通り徐々にならして
行ったら、最近全然麗夜が出てこなくなったの。』
『どうしたら良いかな、、』
※キャプション
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