第4話「美紗の悩み、」

柚夏「・・・おーい、美紗。

   ・・・美紗?」


美紗「・・・・」


柚夏「美紗、」


美紗「・・ん?」


柚夏「最近ぼーっとしてる事多いけど、

   なにかあった?」


 と私のことを本気で心配してくれてるのか、柚夏が真剣な顔で聞いてくる。


美紗「・・え、そんな私ぼーっと

   してる・・?」


柚夏「してるから聞いてるんだよ、

   高校生になってそんな経って

   ないし部活のこととか?」


美紗「んー...、部活の事も一応悩んでは

   いるけど...」


柚夏「新生活って色々大変だしなんか

   悩みがあるようなら聞くけど、」


 私にはまるでそれが、悩み事があるなら相談に乗るよ?と柚夏が言っているようにも思えた。


美紗(本当にアイドルゲームに出てきそう

   な台詞が似合うなぁ、柚夏。本人

   多分自覚ないんだろうけど...)


柚夏「ん?」


美紗(私にとって、柚夏はお姉ちゃん

   みたいな存在だもんなぁ...、)


美紗(というより、どっちかと言う

   と・・・、姉御・・・?)


 どっちにしろ私には柚夏以外の友達も居ないから、何だかんだで話しやすい柚夏にはいつもお世話になっていた。


美紗「...え、や、別にそんな

   大それた悩みって訳じゃないん

   だけど...」


美紗「古池さんの事がちょっと気になる

   だけだよ、前会ったから」


柚夏「あー...、」


美紗(・・もしかして私って・・

   古池さんのことばかり

   考えてたりするのかなぁ…?)


柚夏「ところでさ、次の合同授業

   どうするの?」


美紗「…ん?どうするって、何が?」


柚夏「だと思ったよ。私、二年生の子で

   クラスの人にペアになりたい子が

   一人居て...さ、」


柚夏「あの子、ほっておいたら多分一人に

   なりそうだから…。そっちに行こう

   かなって」


美紗「ついに柚夏さんにも、私以外の

   友達が、」


柚夏「…ということでよろしく。・・・私

   が言うのもあれなんだけれど、美紗

   は他に組めそうな人とかいるの?」


 そういや前の授業で先生がそんな事を言ってた気がする。2年生と合同で授業をするんだっけ...?


美紗「それにしても柚夏に友達かぁ...、

   柚夏って群れない一匹狼だと

   ばっか思ってたから、意外かも」

 

柚夏「・・いや、なんていうか・・・

   どうにもほっておけない子

   で・・・」


美紗「でも、面倒事を避けたい派の

   柚夏がそこまで気にするって

   珍しいね。」


美紗「その子、よっぽど放っとけない

   の?」


柚夏「(美璃もその一人ですよーと突っ込

   むべき・・・?)」


柚夏「どうなんだろ。・・・その点も

   踏まえて、今度の合同授業の時

   美紗に紹介するよ。」


美紗「・・・まぁ。でも、柚夏コミュ力

   高いし、・・・そりゃ友達もできる

   よねー。でも、その人ばかりだと

   ちょっと寂しいかも、」


柚夏「新しく猫を飼っても飼ってたハム

   スターの愛情が消える訳じゃない

   でしょ、それと一緒だよ。」


美紗「柚夏にとって私ってハムスター

   なの?」


柚夏「うん、単純なところとかすごい、

   それに子供みたいに頬にいっぱい

   溜めて食べるとことか。」


柚夏「別に可愛いから良いと思うけど」


美紗「年齢は高校生だから別に良いもん

   ねー。まぁでも、柚夏はその人と

   組んであげて」


美紗「私は大丈夫だから。それに、私は

   誰とでも仲良くなれる自信が・・

   ある!!」


柚夏「いつも思うんだけど・・・その

   自信、美紗のどこから沸いてくる

   の?」


柚夏「不安しかないんだけど...」


美紗「なんとか、なるっ!!」


柚夏「まぁ、がんばってね・・・。」


※キャップショーン。


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