②海編2【なみじゅり】


美紗「私はっ!!古池、雪音が大好きだー

   ...っ///!!」


奈実樹「青春、やねぇ...」


奈実樹(それにしても、最近の若い子は積極的

    やなぁ...。)


奈実樹(朝ちゃんと二人して何やっとるの)


小栗「貴女もまだ若いでしょう」


奈実樹「心は年寄りなんよ」


奈実樹(...樹理もこういうのを期待しとるん

    かな)


美紗「つい、勢いで...。あは、は...///

   ...此処まで聞こえてましたか///」


奈実樹「うちも見習わななぁ...。」


奈実樹「直接愛を伝えられるというのは良いこと

    やと思うけどな、な?小栗はん」


小栗「確かにそうね、けど...あまり言い過ぎ

   なのも可哀想よ。この子、顔真っ赤じゃ

   ない...」


 小栗はんがそう言うと美紗ちゃんは急いでスマホとお皿と割りばしを持って、向こうの方に走っていった。


奈実樹「あらあら、逃げられてしもうた」


小栗「私も同じ立場だったら、そうしてるわ...」


※スライド


奈実樹「このくらいでえぇやろ」


小栗「えぇ、助かったわ。ありがとう」


 と小栗はんのオイル塗りを終えて、まったりと海岸を観ていると


 後輩にサンダルを取ってきて貰ったお礼にキスしとる。樹理にとって"キス"はそういうもので、特別なものじゃないのかもしれない


奈実樹(なら、うちも平然とキスすべきなの

    だろうか)


奈実樹「ん...?この香りは...」


奈実樹「向こうの方で誰かが料理作っとる」


※キャプション


奈実樹「美味しそうな匂いしとんな。」


柚夏「一杯如何ですか」


奈実樹「それならちょっと貰うわ」


奈実樹「あら汁か??」


柚夏「先輩が釣った魚を刺し身にして、

   余りものだけくれたんです。」


奈実樹「あー、だから身がないんやな」


奈実樹「まぁ無料で提供しとる分、そういう

    のは仕方ないな」


柚夏「でも、こういうのって分け合うのが

   大事なんじゃ...」


奈実樹「柚夏はんは真面目やなぁ。選り好み

    してたら友達なんて出来へんで」


奈実樹「世の中には色んな人がおるからな」


奈実樹「...さて、うちらも何か作るかな」


 事前に貰った材料で何が出来るかと考える。というより、色んな野菜や果物があるけど...料理するためにそのまんま置いてある。


奈実樹(古池嬢の照らし合わせか??それに

    しても準備良いな...)


 そこにはテーブルの上に「ご自由にお使い下さい」と書かれた手紙が書いてあった。


 クソ暑い真夏の中でも腐らないようにちゃんとクーラーボックスの中に入れてある。


奈実樹(新鮮なイカに焼きそば、ソーセージ、

    肉類選び放題やな...しかも高級松島

    牛まで置いてある...)


奈実樹「海と言ったら焼きそばか??

    イカ焼きも捨てがたいな、色んな

    具材があるから迷うな...」


樹理「私、泳げたよ。海...!!」


奈実樹「樹理、」


奈実樹「戻ってきたんやな。おめでとう」


奈実樹「綺麗に泳げとったで」


と樹理の頭を優しく撫でる。


奈実樹「無理せんでえぇからな」


樹理「えへへ、頑張って練習した甲斐が

   あったよ」


樹理「私もアリエルみたいに上手く泳ぎたい

   からね。歌も上手だし、性格も良いから

   憧れてるんだ」


奈実樹「好きな物で上手くなるのは良い

    ことや」


と樹理のほっぺに手を当てる。相変わらず綺麗な顔しとんなぁ


 そうすると樹理は嬉しそうに私の手を包みながら笑った。


樹理「それより何か食べようよー、牡蠣

   だけじゃなくて色んな物も食べたい」


奈実樹「まぁ、そうやな。出前と言ったら

    やっぱりソーセージやろ」


奈実樹「野菜マシマシの串焼きバーベキュー

    とかもえぇなぁ。カボチャやパプリカ

    とか刺してな」


樹理「海も良いけど、ナミと料理してる時が

   一番楽しい。」


奈実樹「そうか、」


奈実樹「...うちも樹理と料理してる時が一番

    楽しいで」


樹理「ほんと!?!?」


奈実樹「教えるの好きやからな」


奈実樹「それに樹理を独り占め出来る。」


樹理「ナミ...、」


奈実樹「最近あんま一緒にいる機会ないから

    ちょっと寂しいな思うてな。小栗はんと

    遊ぶのもえぇけど」


奈実樹「やっぱり樹理の方が落ち着くいうか、」


奈実樹「昔からの仲やもんな。」


奈実樹「そろそろ焼けそうやから1年生達

    呼んで来い」


とそういうナミの耳は少しだけ赤くなっていた。


※キャプション


樹理「こっちも焼きあがったのから皆自由

   に取って食べてねー」


美紗「ソーセージとかもある...!!」


奈実樹(えぇ、頃合いやな)


 ほっかほかのご飯の香りと、美味しそうな匂いに釣られて皆ぞろぞろやってくる。やっぱり良い匂いには皆逆らえへんよな


美紗「わぁ...、大きなソーセージ...!!」


 野菜を取っている美紗ちゃんのお皿の上にトングでソーセージを乗っける。すると、びっくりしたような嬉しそうな顔で美紗ちゃんは受け取った


美紗「えっ、その...!」


奈実樹「まだまだいっぱいあるで」


奈実樹「若いうちはどんどん食べなあかん」


奈実樹(このくらい授業に比べれば楽勝や)


 とフライ返しでどんどん次の野菜やお好み焼きを焼いていく。食いたいもんどんどん作るで


奈実樹「何か欲しいもんあったら言い」


奈実樹「樹理も美紗ちゃんも」


奈実樹「ふふ、丁度、焼き上がったとこさかい

    出来立てやよ」


美紗「あ、ありがとうございます...///」


 手際よく、ソーセージを裏返しながら隣で玉葱を取り出して金網の上で焼いていく...。


奈実樹(うちの出店で鍛えられた、ワンオペ

    スキル舐めるなよ...!!)


樹理「あはは、美紗ちゃん頬張りすぎだよ」


美紗「...らっへぇ、...全部おいひ

   ...くてっ///!!」


奈実樹「慌てんで、ゆっくり喋ったら

    ええんよ」


 美紗ちゃんは口に含んでたお肉達をゴクリと、飲み込んで口を開く。


美紗「だって...!!、どれも本当っ、すっごい

美味しくてっ...!!」


奈実樹「料理作っとる身からすると、美紗

ちゃんほんまかわええわぁ...」


奈実樹「ガッツリ食べてるの見ると最高やな」


樹理「好きなだけ、食べても良いんだよ?

   ほら、美紗ちゃんがとってきた

   サザエもー」


と、樹理は笑顔で次々にバター醤油を掛けたサザエを置いていく。ほくほくのサザエの白い身が湯気を立てて...


なんともジューシーやろ。不味いとは言わせへんで


美紗「はふっ、はふっ」


美紗「ん~...///、美味しい物がいっぱい

   食べれてしあわしぇ...///」


奈実樹「余ったとこはいちご煮にしよか。

    ふふっ、人数が結構おるから作りがい

    があるな」


美紗「苺を入れるんですか...?」


樹理「青森県名物で、アワビとうにを

   使った名物だよねっ。うにの卵が

   赤みがかってるからそう言われてる

   の」


美紗「へー、お吸い物...、」


奈実樹「よく勉強しとるな。」


樹理「えへへー///、残りの貝は鍋にしちゃ

   おうかなー」


美紗「体重とかは今日は気にしない方向で

   行きますっ!!!」


※キャプション


樹理「あー、お腹いっぱい。もう動けないよ」


奈実樹「小栗はんのも終わったし。

    片付けが終わったら塗るか、樹理」


樹理「えっ、ほんと!?」


樹理「ナミになら、塗って欲しいな...///」


と、片付けをしてから樹理の所に行くと半分寝かかっとる。


樹理「ちょっとお腹がつっかえてるけど、

   大丈夫。だけどナミにはあんまり

   見られたくないなぁ...」


奈実樹「お腹いっぱいなら仕方ないやろ。

    うちは料理でカロリー使っとる

    からな」


樹理「私はあんないっぱい作れないよ」


奈実樹「ちょっと太っとるくらいの方が

    女の子は可愛いで」


と横腹からオイルを伸ばしてく


樹理「んっ...、良い感じ...。」


奈実樹(...なんやこの空気、小栗はんの時は

    なんも無かったのに)


樹理「好きな人に触られるのってこんな

   気持ちいいんだね...。」


奈実樹(その台詞はあかんて樹理、、)


奈実樹「そんな事言われたらこっちやて

    変な気分になるやろ」


樹理「え???」


奈実樹「無自覚。」


奈実樹「綺麗な身体しとるんやから、

    ちょっとは警戒せなかんで」


樹理「...少し眠くなってきた...。」


樹理「ナミと一緒に寝たい...」


奈実樹「はぁ!?!?」


奈実樹「あ、...普通の寝たい。な」


奈実樹「分かっとるで」


樹理「大好きだよ、ナミ...」


と、うとうとして寝始める樹理。


奈実樹(...樹理が子供で良かった。はぁぁぁ、

    今のは中々破壊力高かったで)


後はどこまで塗るか...、、


奈実樹(よし、これで終わりっ...!!、、)


奈実樹(これ以上は触っていいか分からん

    からな。)


奈実樹(此処でそのままにしとくより、涼しい

    場所で一緒にしといた方がえぇやろ)


 柚夏はんの恋人らしき人と、美紗ちゃんが一緒に寝てたのでその中に樹理も入れる


奈実樹「皆仲良く眠っとる、可愛いな」


※キャプション


奈実樹「大分時間過ぎたな。」


柚夏「うーん...そうだなぁ...」


柚夏「流雨を起こしてあげたいけど...。それだ

   と副会長もきっと、起こしてしまうだろ

   うし...どうしようかな...」


奈実樹「樹理に後で泣きつかれても、困って

    しまうさかい...。うちからも起こして

   やって、もらえへんかな?」


 うちにそう頼まれた柚夏はんは、そう、ですか...?、でしたら...。と軽く戸惑いながら息を吸い込んで大きな声でちっちゃい恋人はんを呼んだ。


柚夏「流雨ーっ!!」


奈実樹(流雨、言うんか)

 

 柚夏はんの声が届いたのか、少し経ってから流雨さんがむくりと身体を起こし始めると同時に樹理の身体もぴくっと動く。


流雨「...海だ」


柚夏「海だよ。」


 流雨さんが起き上がると、樹理は完全に目を覚ましたのか、慌てて身体を起こして美紗ちゃんと同じようにスマホを持って固まっていた。


美紗「...あぁー、さっきの私見てるみたい...」


※スライド


 慌てたように急いでこっちに走ってくる樹理達と合流して...。まぁうちらは寝取る間に色々やったのでそれ程飢えてはおらんけど


 樹理的にはまだ遊び足りないらしく、それを柚夏はんにストップされていた


美紗「残りの時間も、もうあんまり残ってない

   から、早く入りたいんだけど...」


樹理「私も美紗ちゃんの意見に賛成!!」


樹理「私もナミと一夏の時を過ごしたい」


とうちの手を取る樹理。


奈実樹(白い肌しとんなぁ...)


美紗「もう良い?柚夏、私達、先行くよ?」


柚夏「...二人とも、何か大事な事を忘れて

   ません?」


柚夏「海に入る前には必ずすべきことが

   あるのを」


美紗「必ずすべき...」


樹理「事...?」


柚夏「準備、体操です!!」


奈実樹(そらなぁ。でもこういう所で皆して

    ラジオ体操するのも照れるよな...)


樹理「私はウニを取りに行く時してたもん」


奈実樹「寝起きにはしぃや」


※キャプション


樹理「終わったー、、これで泳げるよね!?!?」


奈実樹「そんなに泳ぎたかったんか」


樹理「好きな人と泳ぐのは特別だよ」


と手を握る樹理。うちは...


美紗「冷たっ」


 あんなに暑かった砂浜ももうそこまで暑くはなくなっていて、海の中も最初に触った時よりも随分、冷たく感じた。


奈実樹「冷たいな。」


樹理「慣れれば、そうでもなくなるよ」


美紗「樹理先輩は平気なんですね」


樹理「スウェーデンは日本の北海道と同じ

   くらい寒いんだって。だからなのかも」


奈実樹「せやけど、女の子が肌を冷やしたら

    あかんよ樹理」


樹理「じゃ、じゃぁ...!!ナミにくっ付いたら

  温かくなるかも...///」


 と、樹理はうちの傍に寄って、恋人のようにピッタリと寄り添っている。


奈実樹(前はうちが手を引く側やったのにな。)


奈実樹(うちの杞憂やったか、)


樹理「美紗ちゃん、一緒に泳ごっ」


と、樹理が笑顔で美紗ちゃんの手を握って引っ張ってくる。


奈実樹(後輩好きなのは変わらんな...。うちと

    朝ちゃんもそんな関係なんやけど)


※キャプション


美紗「お疲れ様でしたー」


雪音「お疲れ様です」


樹理「随分寝ちゃったけど、最後に思いっきり

   遊べて楽しかったね。美紗ちゃんっ!」


美紗「はいっ!うに取りとか、サザエ取り

   も凄ーっく!楽しかったですっ!!」


樹理「美紗ちゃん。ちょっと、ごめんね」


美紗「樹理先輩?」


と、海水から出ると同時に樹理と向こう側に居た朝ちゃんがブルブルッと、犬みたいに身体を振るわせて海水を飛ばしてる...。


奈実樹(犬科達...)


奈実樹「結構飛ぶな」


美紗「何だかんだ言ってても、やっぱり、

   二人とも仲良しさんなんですねっ!」


樹理「...ん?なになに?何のお話?」


 思いっきり遊んで...。楽しかった海での時間もあっという間に終わり、


こんな贅沢な時間を過ごしても良いのだろうか


案内人「お疲れ様でした、皆様。本日は

    お楽しみ頂けましたでしょうか?」


案内人「シャワールームは、彼方となって

    おります。一度タオルで身体を

    お拭きになられましたら、ご案内

    させて頂きますね」


 と、案内人の人はタオルを皆に配り終えると瞳を閉じてピンと姿勢を伸ばしたまま目立たないようにしている。


案内人「皆様、ご準備は宜しいでしょうか...?

では、ご案内させて頂きますね」

  

※スライド


奈実樹(皆の着替えが終わる前にエントランス

    に行くか)


奈実樹「先に行っとるで」


樹理「分かった、私も早く着替える」


樹理「ナミは着替えるの早いよね」


奈実樹(たまには一人もえぇなぁ)


流雨「...料理を作ってた人」


奈実樹「あぁ、柚夏はんの」


流雨「...今日のご飯美味しかった。調理部で

   余ってたら今度少し分けて頂きたい」


奈実樹「えぇで。そんなちっちゃいなりして

    美食家なんやな」


流雨「...そんなに量はいらない。いつも柚夏に

   料理を作って貰ってるから、料理の

   仕方を教えてくれると助かるんだけど...」


奈実樹「そういう理由なら今からでも教え

    られるで」


奈実樹「美味しいお粥の作り方とか」


奈実樹「いざという時に覚えてると案外

    役立つで」


流雨「ほう...」


奈実樹「朝ちゃんや樹理が風邪引いた時

    何度か作った事があるからな」


朝乃「...あ、美紗ちゃん。おかえり、

   忘れ物は見付かったのかしら?」


奈実樹(珍しく二人おる)


美紗「はい...!!あ、でも...ごめんなさい、

   皆さん待たせてもらちゃって...」


朝乃「いいえ、実際そんなに待ってないわ。

   帰る前に忘れ物に気付けて本当に

   良かったわね、美紗ちゃん」


樹理「勿論っ、私も全然気にしてないよ?

   朝乃さんが美紗ちゃんを苛めたら

   私が絶対許さないんだからね!!」


奈実樹「朝ちゃんはそんな事しいへんし、

    それに、そないなずっとじゃれとって

    電車に乗り遅れてもうち、知らへん

    よ?」


 毎回朝ちゃんに噛み付くのも良くないよなぁと、思いながら うちは流雨さんを連れて先に行く。


奈実樹(犬科同士もっと仲良くなってくれると

    えぇんやけどな...)


樹理「あ、...置いてかないでナミー!!」


※キャプション


樹理「な、ナミ...ごめんなさい。言い過ぎた

   から...その、...お話して下さい...」


と、樹理はすぐにうちに駆け寄って手を握りながらうるうるとした瞳で私を見つめる。


樹理「...ナミとお話出来ないの、

  ...辛い、...です」


奈実樹「...ふぅ、...まぁ反省しとるんなら

    えぇけどね。...謝るんならうちや

    なくて朝ちゃんちゃうん?」


樹理「.....。」


樹理「ごめんなさい...」


奈実樹「朝ちゃんはうちの妹やで」


奈実樹(なんでこう、敵対しとるか分からん

    けど朝ちゃんも親戚やからな)


朝乃「えっ、あ...私は気にしてなかったんで

   全然、あっ、はい...」


美紗「良かったですね、先輩」


朝乃「いや...、本当に気にしてなかった

   のよ...?樹理さんには奈実姉ぇが

   お似合いだと思うし...美人同士で」


樹理「それ本当!?」


朝乃「え、えぇ...。ファッション雑誌の

   ゴシップ記事に出てくる美男美女

   のようにお似合いと思うわ」


奈実樹(それをいうなら"ウエディングドレス

    の雑誌に出てくるような"やろ)


樹理「えへへ、そうかな...///だって、ナミ。

   ナミもそう思う?」


奈実樹(それでえぇんか樹理)


奈実樹「樹理はまだ分かるけどな、うちは

    ほぼ一般人やから、それには当て

    はまらんからね...」


樹理「ナミも充分綺麗だよ」


樹理「お店のパンフレットの看板娘として

   乗っけて貰ってるくらいなんだから」


奈実樹「あれはおかんが無理やり、、」


奈実樹「うちにはそういうの似合わん言うた

    のに」


樹理「えー、でもすっごい似合ってたよ。

   ナミが写ってる雑誌貰っちゃったし」


奈実樹「樹理も朝ちゃん化するんか」


樹理「グッズ販売してくれるなら」


奈実樹「そんなもんはない」


樹理「それにしても、お風呂綺麗だったよね。

   ナミっ」


奈実樹「そうやね...」


奈実樹(シャンプー後の樹理はそれはそれで

    魅力的やな。つか、撮るんなら樹理

    みたいな可愛い子を...)


美紗『もう結婚すれば良いんじゃない??』


と柚夏はんの上に座っとる流雨さんを見ながらゆう美紗ちゃん


奈実樹(うちの事かと思うたわ...)


雪音「...では、皆さんお帰りになられる

    準備は宜しいでしょうか?」


雪音「忘れ物などは無いようでしたので、

     そろそろお暇いたしましょう。」


雪音「長井さんにもご迷惑が掛かってしま

   いますから。皆さん、本日は大変

   お世話になりました」


 古池嬢が挨拶を終えると同時に、沢山の大人の人が高校生のお嬢様に対して深く頭を下げて見送りをする。


 古池嬢が去るまでの間、その人達はずっと顔を上げることなく頭を下げ続けていた。


※スライド


 美紗ちゃんは古池嬢のメールを読み終えて、スマホの電源を切る。習い事があるとかで早くに帰ってしまったけど


奈実樹(ほんとに忙しい人なんやな...)


美紗「楽しかったですね、海!」


樹理「寝ちゃったのは少し、残念だったけど

   行って良かったよ!」


樹理(でも、ナミと泳げて良かった、、)


美紗「はいっ、本当に雪音には感謝

   ですね...!!えへへ、楽しかったなぁ...」


柚夏「...美紗。もし私が寝てたら、

   駅着いたら声掛けて...。美紗だけだと

   不安なんで朝乃先輩もお願いします...」


柚夏「もう、体力の限界...」


美紗「えー...、私だってちゃんと覚えてるよ」


朝乃「アラーム掛けておくよ、晴華さんの

   動画開いてるから。そこは安心して」


と流雨さんの横でガン寝する柚夏はん。まぁ料理を作ったりテント立ててたりしとったもんなぁ


奈実樹(今日は色んな子とお話出来たし、

    良かったのかもしれんな...)


柚夏「....」


美紗「....」


美紗「...あっ、お菓子の事そういや話して

ない...!!」


奈実樹(お菓子の事...??)


樹理「えっ」


美紗「今は寝てるから無理か...」


奈実樹「そんな約束しとったんか」


美紗「樹理さんと柚夏のお菓子勝負とか

   面白いんじゃないかなーと」


奈実樹「それ美紗ちゃんが食べたいだけ

    やない??」


美紗「そうとも言います」


美紗「審査員の時は、ぜひ呼んで下さいね。」


 ガタンゴトンと、寝ている柚夏はんを片目に。電車に揺られて...後輩達とお喋りをしながら私達は皆それぞれの帰路に帰っていったのでした。


※キャプション

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