第??章「白ローブ人間の噂、」【みさゆき】

※スライド


美紗「ふんふんー♪」


 あれから少し経って...10月9日。今日は日直の日。昨日は早く寝たし、早く登校して、花瓶の水変えとカーテンを開いてっ...


美紗「えへへー、静かな教室も何か良いな

   ぁ...。えーっと、日報とかも

   書かないといけないんだよね?」


白い狼のマスクを被っている女の子

「はい、日報にはそう書かれています

 から。それにしても、2回目が回って

 くるの以外に早いですよねー」


美紗「あんりであ、だからんー...2年生に

   なるまでギリギリ三回回って

   きちゃうかな~...。朝早いのは

   少ない方が良いよね...」


美紗「...?」


白い狼のマスクを被っている女の子

「どうかしました?」


美紗「ううん、さっき廊下で誰か立ってた

   気がして...。他のクラスの日直さん

   が花瓶に水を汲みに来たのかな。」


白い狼のマスクを被っている女の子

「お互い朝から大変ですね...、」


美紗「...うん、そうだね」


※スライド


美紗「何か朝から誰かにじっと見られてる

   感じがするんだけど...。もしかして、

   柚夏廊下にいたりした?」


 何時も登校が早い柚夏だったら、行き違いになってるかもしれないし


 でも、柚夏ほど影は大きくなかったから...。多分他の誰かなんだろうけど...。


柚夏「...朝?そうだなぁ...、私が教室に

   来た時は確か誰も居なかったと思う

   けど...」


柚夏「美紗が古池さんと付き合ってから

   結構注目の的にはなってるけど、

   そういう人達とは違うの?」


美紗「んー...大抵の人は雪音が選んだ人

   がどんな人か興味あるだけで」


美紗「私自身が本来の目的って訳じゃない

   でしょ?」


柚夏「確かにそうだけど...、よく

   そうやって割り切れるよなぁ...」


美紗「姿を見た訳じゃないからはっきり

   とは言えないけど」


美紗「...やっぱり、ちょっと怖いなって。」


柚夏「悪質そうなら私も付いてくけど...」


美紗「別にそこまでしなくて良いよ、

   まだそうって決まった訳じゃないし」


柚夏「...でも、用があったら普通に話し

   掛けてくると思うし、」


柚夏「もしかして。美紗のファンだったり

   するんじゃない?」


美紗「それいうなら目的はどっちかと言うと

   柚夏の方だと思うんだけどなぁ...。」


美紗「柚夏とお近付きになりたくて、柚夏

   の事聞きにくるんならまだ分かるんだけ

   ど...」


柚夏「....」


美紗「あー...結構、...深刻?」


 柚夏は疲れきった表情で今にも溜め息を吐き出しそうな顔してる。


柚夏「...いや、勢力が拡大してるらしくて、別に噂するくらいなら全然良いの

   だけど...。」


柚夏「でも他にする事、ないのかなぁって...」


美紗「あは、は。まぁ人気なのは良いこと

   じゃない?」


柚夏「...必ずしも、そうとは言えないんだ

   よなぁ。流雨は聞かれたらあった事

   そのまま喋っちゃうし、...駄目だよ

   って言っても」


柚夏「隠す必要性が分からないと、駄目だって

   理解出来なくて忘れて話しちゃうって

   全部論破されるし、はぁぁぁぁ....」


美紗「ゆずかーさんも大変ですな...」


柚夏「ううん、古池さん相手の美紗ほど大変

   じゃないだろうし...。それに、何だかん

   だ言っても嘘付けない流雨が嫌いじゃ

   ないんだよね。」


美紗「あれから流雨さんとは上手くいってる

   んだ」


柚夏「...まぁ、色々ありはしたけどね。」


柚夏「...そういやさ、美紗知ってる?」


柚夏「白いフード被った全身真っ白の

   コートを着た人がいるって話。

   最近流行ってるんだけど...」


柚夏「新聞部がその白コートの人の写真撮

   ってたみたいで、幽霊...、みたいな

   噂で今もちきりなんだよね...はぁ...、、」


美紗「え、知らない」


 丁度時期的にもハロウィン近いしね。


柚夏「流雨がその人を見たって言ってて

   さ...なんでも」


柚夏「体育の授業中ふと、全身白ずくめの

   フードを被った白いコートというか...」


柚夏「ローブを着てる人が居て。何してる

   んだろって思って見てたら」


柚夏「瞬きしてる間に消えてて、びっくり

   したって...、、」


美紗「...校舎が白いから多分コートと同化

   して見えなくなったんじゃないかな?」


美紗「全身白いから、後ろ向いて太陽の

   反射で見えなくなったとか。」


美紗(幽霊だった方が私としては

   面白いんだけどねー、)


柚夏「だと私も思うんだけどね...、」


柚夏「全身長いローブに包まれてるから

   男か女かも分からないし、」


柚夏「...で見つけた先生がそのローブの人

   に声を掛けようとしたんだけど、」

   

柚夏「話し掛けに行った先生は不思議

   そうな顔して戻ってきたんだって。」


柚夏「先生もその人の事、追い出そうと

   しないし...」


柚夏「やっぱり学園の生徒

   なのかなって...、美紗はどう

   思う?」


柚夏「普通、ずっと来てなかったら退学

   させられるよね。」


柚夏「凄いレアケースとして、その人が

   モデルや女優の仕事をしてて忙しい

   とかなら分かるけど」


柚夏「なんで授業中にそんなところに

   居たんだろ、」


美紗「何かそこに居なきゃいけない理由

   があったのかな...?」


柚夏「先生が不思議そうな顔をする理由

   も分からないし、幽霊を見た先生が

   狐につままれたんじゃないかって」


柚夏「...宇宙人に記録を消された、とか」


柚夏「先生が指導する前に消えたから、

   先生も何も言えなかったとか...、、」


美紗(超能力的な感じかな?)


柚夏「最近そういう噂ばっかり、広まって

   るんだよ、、」


柚夏「まぁ、私達には関係ない話なんだ

   けどね...。」


柚夏「もし美紗がその人に会えたらどんな

   風だったか教えて欲しいと思ってさ」


柚夏「本当に珍しいみたいだから会うのは

   まず無理だと思うけど、でも美紗

   って何気に運良いから」


柚夏「私より会える可能性も高い

   だろうし」


美紗「宇宙人だったら面白いのにね。」


柚夏「宇宙船に連れていかれて、

   人体実験されるイメージしか

   ないんだけど...」


美紗「映画とかだと宇宙人って怖い

   イメージあるけど、」


美紗「宇宙人って遠い未来人がタイム

   スリップして来てる説もあるくらい

   だし」


美紗「向こうにとっては凄い貴重な存在

   だから害になることはしないと

   思うけどね。」


柚夏「あ、っと、今日美紗日直だっけ」


柚夏「そろそろ行かなくて大丈夫?」


美紗「うん、だから先生のプリント運ぶの

   手伝わないといけないんだよね。」


美紗「もうそろそろ行かないと、流石に

   怒られるかも」


柚夏「結構重いからね。じゃ、遅れない

   ようにいってらしゃい」


柚夏「気をつけてね。」


美紗「うん、といってもプリント運びに行く

   だけなんだけどね...?」


※キャプション


美紗「はぁ、先生ももうちょっとプリント

   の枚数減らしてくれても良いの

   に...。」


美紗「他の人にぶつからないように

   しないと」


 それにしても朝からずっと感じる、

この嫌な感じはなんなんだろう...。


美紗「...誰かそこに居る?」


 後ろを見ても誰もいないし、プリントでちょっと見辛いけど 


 柚夏が朝、話してた白いローブ人間の事を思い出す。


 別に普段はお化けとか全然平気なんだけど


 この突き刺さるような視線はそれとは全く違う、別の...何か...


美紗「気のせい、か...」


バサッ...、


 急に、白いローブを着た人の大きく開いた手が視界に入ってきたその瞬間


美紗「えっ、、」


 気付いた時には、私は壁に向かって勢いよく掴み掛かられていた。


 持っていたプリントが音を立てて宙を舞う

 

??「...動いたら、」


美紗「.....ッ、...、」


??「殺す、、」


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る