第14品「後輩とその先の夢」【なみじゅり】
奈実樹(樹理が来る前に新作スイーツでも
吟味するか)
奈実樹(...なんか良いのあったりせんかな)
奈実樹(ん?、あれは美紗ちゃんか??)
美紗「あっ、すいません。」
美紗「すぐ終わるんで、」
奈実樹(美紗ちゃんや。うちに気付いて
へんのか??)
美紗ちゃんは後ろに一歩下がってうちの邪魔にならないように髪を結んでる
奈実樹(美紗ちゃんもお参りに来たんかな。
でも後輩に気付かれん言うのも悲しい
もんやなぁ)
奈実樹「うちやで、うちや」
美紗「えっ?」
美紗「へっ、あ!?、奈実樹さん?!」
奈実樹「本当に気付いてなかったんか」
奈実樹「急に知らへん女の人がにやにや
しとったら驚く思うたんやけど」
美紗「す、すいません!!学校と全然雰囲気
がっ、和服のイメージがあって、」
美紗「というかすごい美人ですねっ、」
奈実樹「普段はそうでもないか?」
美紗「いつものも悪くないんですけど、
大人の色香(いろか)がっあって
個人的にはそっちの方が好きです。」
奈実樹「ギャップ萌えで更に良く見えとる
って事か。ふふっ、まぁ気付かへん
かったんはそれで堪忍したるわ」
奈実樹「それより、急いどるんやろ?」
美紗「あっ、はい...。約束までの時間が
あまりなくて...」
美紗「でもどうして分かったんですか?」
奈実樹「焦っとる時ってお洒落が結構大胆に
なるしなぁ」
奈実樹「それにこっちは旅館業やで、
そんなん見ただけで分かるわ」
奈実樹「ちょいと貸してな?」
奈実樹「こうやって、こう。」
奈実樹(昔はこうやって樹理の頭触っとった
っけ。やっぱり髪の長い人は結び甲斐
があるな)
奈実樹「姉はんに比べたらまだまだやけど、
まぁえぇんやない?」
奈実樹「気に入らんければ、ほどいてな。」
奈実樹(ゆるふわも似合うな)
と美紗ちゃんに鏡を見せる。
美紗「え、絶対にほどきませんっ!?こんな
プロみたいのっ、本当可愛いし!!
うわぁ...凄い...、、」
美紗「本当可愛すぎて、私じゃない
みたい...。ずっとこれでいたいなぁ...」
奈実樹「残念ながらもって1日やね。
ところで時間の方は大丈夫なん?」
美紗「えっ...、あっ!?そうだっ、
時間っ...!!」
美紗「今から行ってギリギリ間に合うかな、」
美紗「すみません、もう、行きますね!!」
美紗「走って、5分は...いや、考える時間が
あるなら行かないと」
奈実樹「恋人待たすと色々厄介やしなぁ
はよ行ってあげんとね。ご機嫌とり
は大変やから」
奈実樹(さて、そろそろうちも行くと
するか)
※スライド
奈実樹「さっき美紗ちゃんと会ったわ」
奈実樹「急いどったみたいで髪を結んで
あげたんやけど、」
奈実樹「あれで良かったんかなぁ。多分会いに
行くの古池嬢やろ」
奈実樹「うちはプロでもなんでもないしな」
樹理「美紗ちゃんと??」
樹理「私もナミに髪結んで貰いたかった
なぁ。」
樹理「ナミに結んで貰うならきっと良い
髪型だよ」
樹理「それにしても今日のナミ凄い綺麗だね」
奈実樹「そういう事普通に言うよな。」
樹理「綺麗なものは綺麗なんだもん」
樹理「何時もの和服も素敵だけど、そういう
服も素敵だよ」
樹理「大人のお姉さんって感じがして」
樹理「大学生みたい。」
奈実樹「そうか、そう見えるか」
樹理「年相応に年齢をとってて良いと
思うよ」
樹理「私なんかずっと年下に思われるし」
奈実樹「樹理は年相応やと思うけどな」
樹理「高校生一年生みたいだって」
奈実樹「若く見られるのは良いことや」
樹理「いっぱい並んでるね」
奈実樹「まぁ、年末やしな」
樹理「私も大人になったらいつかナミに
恋人っぽいこと出来るかな」
奈実樹「恋人っぽい事って??」
樹理「手を繋ぐとか」
奈実樹「そんなのいつでも出来るやろ」
樹理「そうじゃなくて、いつか一人の
女性として見てほしいの」
奈実樹「"一人の女性"なぁ」
奈実樹「性欲を持てってことか」
樹理「そうじゃないけど、どうなんだろう」
樹理「もっとキスはしたいよね」
樹理「上手くなりたい」
奈実樹「...そういうことを人前で言うな、」
奈実樹「だから赤ちゃん言われるんやないか」
樹理「もっと大人に見られたいのっ!!」
樹理「ナミから。」
奈実樹「だったらもっと大人にならんとな」
奈実樹「そういうのやなくて、如何に相手が
喜ぶかをな」
樹理「逆にナミはバブみを感じられて
良いの??」
奈実樹「良いのと言われても勝手に感じ
られとるだけやし...」
奈実樹「まぁ、赤ちゃんみたいな樹理は
それはそれで可愛いと思うけどな」
樹理「私が赤ちゃんになったらそれはそれで
困るんじゃ...」
奈実樹「...たまに赤ちゃんに感じる時はあるな」
樹理「えぇ、、」
奈実樹「うちを取られないように皆を引き付け
て悦に浸るとかな」
奈実樹「そんな事しても取られへん言うのに」
奈実樹「イメチェンしたかと思ったわ」
樹理「結構怒ってる...?」
奈実樹「相談しなかったことにな」
樹理「最近は結構真面目にやってるよ」
樹理「敬語もやめたし」
奈実樹「どこの影響を受けたんだか」
樹理「ぐっ...、言葉の節々(ふしぶし)にトゲを
感じる...」
樹理「私だって、ナミに出来る大人だと思われ
たかったんだよーーー、、、」
とうちの胸に半泣きで泣き付く樹理。
奈実樹「これで今年の厄は消えたか??」
樹理「今の厄落としだったの?」
奈実樹「もうそろそろうちらもルネミア学園
から卒業やな」
樹理「うん...そうだね。ちょっと寂しいけど」
樹理「私達も新しい生活が始まるんだよね」
奈実樹「専門学校に行くけどな」
奈実樹「...受験、受かると良いな。」
奈実樹「でも良かったんか。うちと同じ学校で」
樹理「ナミが行く所が私の居場所だから」
奈実樹「そうか」
奈実樹「...うちが樹理の夢を潰してへんかなと
思ってな」
樹理「潰してないよ」
樹理「だって、二人で一緒に思い出の味を
残していける料理店さんが私の夢なんだ
もん。」
樹理「形は違えど そういうのが出来たら
良いなって思ってるの」
奈実樹「たまにならえぇけど...旅館の方も
あるからなぁ、」
樹理「居酒屋バーみたいな悩み相談所みたいな
ところが出来たら良いなって」
樹理「旅館もいいけど、そういう場所も
作れたらなぁって」
樹理「お通しをその場のノリで作ったり」
樹理「店名は『思い出の味』。」
樹理「私の家だと趣が合わないから」
樹理「ナミの家に作ろうかと思ってる」
奈実樹「...うちの家か!?!?初耳やぞ」
樹理「お客さんも増えるし、一石二鳥でしょ?」
奈実樹「それはおかん達に聞いてみんと」
樹理「もう許可取ってあるよ」
奈実樹「行動力の鬼か!!」
奈実樹「いや、うちとしてもお店の増築は
嬉しいけども」
樹理「花火の時に相談したら。ナミのお母さん
達は2つ返事でOKって言ってくれたよ」
樹理「それともう一人お店に誘いたい人が居て」
奈実樹「誘いたい人?」
※キャプション
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