第5品「チケット販売」【なみじゅり】

美紗「あ、奈実樹さん。」


美紗「おはようございます」


奈実樹「一昨日は樹理に付き合ってくれはって

    おおきにな。樹理も大分元気に

    なっとったよ」


柚夏「うわ、...すごい美人...」


 そこには顔立ちが整った格好良い系ビジュアル&女子がいた。1年生なのか美紗ちゃんと知り合いのようにもみえる


奈実樹「ふふふ、美紗ちゃんの友達か?」


奈実樹「お世辞にしても嬉しいわぁ。」


柚夏「...あ、いえ...。」


美紗「あれ? 奈実樹さん、今日は樹理先輩

   と一緒じゃないんですね」


奈実樹「いくら仲が良いと言っても、流石に

    いつもべったりという訳には

    限らへんな」


柚夏「"ジュリ"って、この学校の副会長??」


奈実樹「その認識であっとるよ。樹理なら

    今日は生徒会のお仕事やね」


奈実樹「樹理は美紗はんの事 相当気に入っとる

からなぁ。今日はうちしかおらん

    けど、堪忍してな」


美紗「いえ! 奈実樹さんも、充分綺麗です

   から。あっ、そうだ。私も柚夏に

   お菓子作ったんだよ!!」


柚夏「美紗が?」


美紗「奈実樹さんと樹理先輩に教わったんだ。

   開けてみて」


柚夏「可愛いけど...」


柚夏「これ、美紗が作ったの?」


美紗「奈実樹さんや樹理さんに教えて

   貰いながらだけどね」


柚夏「...あ、...しつこくない、 優しい味。

店のより美味しい。好みかも...」


美紗「でしょ? 土曜日に頑張って

   作ったんだ」


美紗「はぁぁぁぁぁぁ...でも、柚夏と仲直り

   出来て良かったー...。柚夏すごい怒って

   たから、どうしようか迷ったよ...」


奈実樹(...なんや喧嘩しとったんか。そのため

    に料理教室に来たんかな)


??「...うちはお邪魔みたいやね。」


美紗「あ、待って下さい。良かったら奈実樹

   さんもガドーショコラどうぞ」


奈実樹「最後の1つやけど」


奈実樹「えぇんか?」


美紗「はい!! また柚夏が作ってくれます

から!」


柚夏「結構材料費が掛かってるので頻繁には

   ちょっと困りますが...。...でも、私も

   是非他の人にも食べて頂きたいですね」


奈実樹「...では、お言葉に甘えさせて

    もろおて」


奈実樹(甘いものは好きなうちに、スイーツ

    を食べさせるなんていい度胸して

    はるな)


ガリッ、


奈実樹「...。...ふふふ、」


奈実樹(なんやこれ、、幸せいっぱいの

    バターパレードやないか...。)


奈実樹「いんや、これ樹理に食べさせたら

    どんな反応するんやろ思うてな」


奈実樹「...あんさん何者なん? これ、素人の

    味付けやないよ」


奈実樹(普通にうまいな、)


柚夏「えっと..."普通に"作ったのですが...」


奈実樹「...これが"普通"なぁ。...才能って

    ほんまおもろいなぁ」


奈実樹「うちは両親が旅館を経営しとうてな。

    舌にはちょいと自信がある方なん

    やけど...」


奈実樹「ふふ、樹理が食べたら、嫉妬しそう

    やね。ごっそうさま」


奈実樹「樹理にあげれんのが残念やわ」


柚夏「...えっと。"旅館経営"って、

   朝乃先輩が言ってた...確か、

   "なみねぇ?"」


奈実樹「うちの事を知っとるゆうのは、朝

    ちゃんのお知り合いさんやったか。」


奈実樹「確かに朝ちゃんとうちは血の繋がらん

    従姉妹の関係やで。朝ちゃんえぇ

    人材見付けたな」


奈実樹「まさかこんな料理が上手い人やった

    なんて」


奈実樹「...っと、お楽しみの時間は此処まで

    やな。時間は止まってはくれへん

    からなぁ、...ほな、さいなら?」


奈実樹「また会えたらえぇね」


※キャプション


奈実樹「...それにしても、ラッキーやったな」


奈実樹「美紗ちゃんのお友達の

    作ったガトーショコラ最高に

    美味しかったわぁ。」


樹理「そんなに??」


奈実樹「そんなに。」


樹理「食通のナミが認めるなんて凄い」


樹理「美紗ちゃんが言ってた料理が上手い

   ボーイッシュなお友達の事かな?」


奈実樹「"仲直りの味"やからな」


と肘を付きながらこっちを見て話す樹理。その格好肘(ひじ)痛くならへんか


奈実樹「濃厚でそれでいて、口いっぱいに

    甘く広がるアーモンドバターの

    風味...。」


奈実樹「"また食べたい"と思える味やったな」


樹理「えっ、ずるーい。私も食べたかった

なぁー...」


奈実樹「これに関しては、運が良かったと

    しか言いようがないからな。今度

    会った時は網で捕まえとかんと」


樹理「虫取り少年かな。」


奈実樹「無理やり捕まえんでも、多分そのうち

    勝手にやってくるような気ぃする

    から」


奈実樹「別になんもせんけどな。」


樹理「どうして分かるの」


奈実樹「なんとなく」


奈実樹「勘がそう告げとる。」


奈実樹「...それにしても、そろそろ始まるな」


奈実樹「"バーゲンセール"」


樹理「バーゲンセールじゃなくて、料理教室

   選考チケット販売ね。」


奈実樹「分かっとるけど、あれ完全に

    バーゲンセールやろ...」


とパチンパチンと印刷で刷ったチケットを切る。樹理人気は凄まじいからな...。


奈実樹「やるかぁ、」


とチケット販売日当日立ち上がる。


奈実樹「あんま乗り気はせーへんが作った物は

    渡さなかんからな」


樹理「そんなに!?!?」


奈実樹「はい、順番に並んで下さーい。

    配布券は逃げませんからー」


生徒「この間の料理美味しかったです〜♡」


奈実樹「おおきにな、」


樹理「また来てね。」


と二人で順々に対応していく。


奈実樹(疲れへんのかな樹理。こんな人気で)


奈実樹(...旅館でもこういうのやったら

    盛り上がるんやろか)


生徒「ずっと聞きたかったんですが、お二人は

   どういったご関係なんですか」


奈実樹(新聞部か? 変な質問するなぁ...)


奈実樹「ちっちゃい頃からの幼馴染やで」


生徒「ありがとうございますっ!!、、」


奈実樹「何がや」


と意味の分からない質問をしてくる人や樹理との握手を望む者、樹理と話したい者など色んな種類の人間がいる。


奈実樹「大分終わったな」


美紗「約束通り来ましたよ」


奈実樹「おぉ、美紗ちゃん」


樹理のお気に入り。


美紗「それにしても凄い人気ですね...。

   二人が"戦争"っていった意味分かり

   ました...、」


奈実樹「やろ??なんか人気歌手の握手会

    みたいになってもうて」


奈実樹「ちょっとした有名人やな。」


美紗「奈実樹さんの話もしてましたよ」


奈実樹「うちのか」


美紗「配ってる人も結構美人だよね。とか」


美紗「私は奈実樹さんの方が好みだなぁって」


奈実樹「なんや。そんな話されとったんか」


美紗「私が言うのもなんですけど、

   もっと自信持って下さい」


奈実樹「"自信"、なぁ...」


生徒「1年生だからって1人ばっかり

   ズルいですよ」


美紗「じゃぁそろそろこの辺で」


奈実樹(なんかすまんな...)


※キャプション

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