④ハロウィン編【みさゆき】

※キャプション


美紗「私さ、...雪音と友達になれたの。」


柚夏「は?」


 来週のハロウィンの仮装パーティーに向けて家庭科の授業で小物や服作りの準備をしてる中、不器用な私はまだ全然出来てなくて


 バイトが休みだったゆずかーさんにハロウィンの服作りを手伝って貰っていた。


柚夏「あ、そこ縫ったら駄目なとこ」


美紗「え?」


柚夏「そこ縫うとさ、裏とくっ付いちゃう

   んだよね...。...はい、此処から

   やり直し」


と、今まで縫っていた糸を解いていく柚夏。なんと無慈悲な...


柚夏「文句、言ってもいいけど。評価下がって

   も良いなら私はどうぞそのまま提出し

   て下さいと言うけどね...」


美紗「頑張るから、どうか私を見捨てないで

   柚夏様ーっ!!」


美紗(うーん...雪音の事だからあんま

   り興味なかったかな?)


柚夏「...で、古池さんとはどうしたの?」


美紗「うん、」


美紗「前話してた白いローブの人

   がね...雪音のボディー...ガードさんで...」


柚夏「あぁ...、白ローブ人間の話。

   というか会ったの?」


柚夏「ボディーガードって言ったら

   海外の映画とかで金髪のお嬢様

   が屈強な男性に守られてる

   イメージだけど」


柚夏「マフィア映画とか日本で言うヤクザ

   みたいな」


美紗「多分そのイメージであってる」


柚夏「でもいくらボディーガード

   って言っても...、部外者が

   そう何度も入ってこれるかな」


美紗(それはボディーガードさんの

   見た目が晴華さんとそっくり

   だっていうのもあるけど...。)


美紗(雪音にも黙ってておいて欲しい

   って言われたから黙っとこう、)


 黙々と服を縫いながら話す。いや、ほんと急がないと期限がヤバイから


柚夏「学校の七不思議の一つみたいに

   なってたけど」


柚夏「なんで皆あぁいうのが好き

   なんだろ、実際は全く真相と

   違うし...。」


柚夏「会ってみてどうだった?」


美紗「...あの時は本当に生きた心地

   しなかったよ...、出来ればもう

   二度と関わりたくない...。」


柚夏「...いや、何があったの...?」


※スライド


美紗「って、事があって...。」


 雪音のボディーガードさんの事を思い出すだけでもまだあの光景がフラッシュバックするけど...


 柚夏に先日あった事を私は一通り説明した。


柚夏「いや...流石にやりすぎでしょ、」


柚夏「古池さん、他国のマフィアに

   でも狙われてるの?」


美紗「マフィアじゃなくて。昔誘拐に

   遭いそうになってそれから

   凄い警戒してるみたい」


美紗「確かに持ってたのは、

   ナイフじゃなくて鎖だったし...」


美紗「銃刀法には反してないん

   だよね」


柚夏「でもそれで良い人との関係がギク

   シャクしてたら、それこそ古池さん

   にとっても凄い不利益だと思うけど」


美紗「だから雪音も凄い怒ってたよ。」


美紗「明らかにやりすぎだけど...悪気も

  なかったみたいだし、ボディー

   ガードさんが私を騙してたことは

   もう怒ってないんだけど...」


美紗「あの時の雪音のボディーガードさんが

   本当に、めっ、ちゃっ、めちゃ、怖かった

   んだよおおおぉぉぉっ柚夏ぁ....!!」


美紗「冗談抜きで、本気で殺されるか

   と思ったもぉぉぉん...っ!!もう、

   思い出しただけで...涙でそう、、」


柚夏「...あー、うん...私の胸ならいくらでも

   使って良いから...」


美紗「....うん、...ありがとう」


...ぎゅっと、柚夏を抱きしめる。...なんか、すごく、...温っかくて安心する。


 ゆずかーさんなら、...きっとあの人にも負けない気がするから...。

...えへへ///


美紗(...こういう関係って良いよね///、)


美紗(...でもこうやって、見るとゆずかーさん本当に着痩せするタイプだよね...)


柚夏「...今一瞬、人の胸見て。え?胸...?

   みたいな失礼な事考えてたりしなかった?」


美紗「そ、そんな事ないよ...!!」


 流石ゆずかーさん、鋭い...。


柚夏「まぁ...、...でも、私も美紗が無事で

   良かったよ。...あんまり危ない目ばっ

   か合ってるっていうのなら私も動く

   つもりだから、さ」


柚夏「その時は遠慮なく言ってよ。」


美紗「ゆずかーさん...!!」


柚夏「....」


 そう言って、ポリポリと照れくさそうにそっぽを向く柚夏


それが今の私にとっては何よりも心強かった。


美紗「うん、本当に危ないときは柚夏に

   言うね」


柚夏「...まぁ、...一応...県大会一位だし、少し

くらいなら美紗の力にはなれると思う

   から」


柚夏「....。」


柚夏「...ところで、美紗は何の仮装する

   かはもう決まったの?」


美紗「えーとね、それは出来てからのお楽し

   みっ...!!」


※キャプション


瑞撫「えー...、学校行事の一貫としてって

   言っても課題さえちゃんと写真撮って、

   提出出来てればハロウィン祭なんて遊びよ、遊び」


瑞撫「まぁ、皆こんなクッソつまらなくて

   かった~っいお話なんてどうでも

   いいと思うので飛ばしちゃいま~す!!」


 そういって持っていたカンペを投げ飛ばして、マイク片手に興奮した様子で楽しそうに話を始める生徒会書記の瑞撫さん。


美紗(エンターテイメントには本当に

   もってこいの人だよね。周りの人

   達も凄い盛り上がってる、)


雪音「...あの文章を作ったのは私なのですが」


美紗「....あー、...瑞撫さんなりの...雪音

へのコミュニケーションとか...?」


雪音「苦丁茶の事を根にもってるのでしょう、生徒会は生徒の模範であるべきだといつもそのように申しているのですが」


雪音「...彼女はいつも私に対して、何処か

   反抗的でして」


雪音「ここぞという場面で、いつも

   このような事を起こすのです。」


美紗「でも、凄い落ち着いてるね」


雪音「注意をしたところで直るような

   方でもないですからね。」


雪音「...それに仕返しをしても、そこからは

   何も生まれません。同レベルの者

   でしか争いは起こらないのですから」


瑞撫「さぁさ、皆様っ!!大変長らくお待たせ

   致しましたっ!!今日は!!待ちに

   待ったハロウィーーンッ!!」


瑞撫「ルール説明は流石に省くとあれなの

   で、このお姉さんがさくっと説明しちゃいまーす!!」


瑞撫「ルールは簡単っ!!生徒の皆さん方には

   事前に30枚のシールが配られていますわね?」


 皆手元にある自分のシールを見る。さっき着替え終わった後、担任の先生から一斉に配られた謎のシールだけど...


美紗(これの事だよね...?クラスの人は皆

   赤だったみたいだけど...)


 さっきからこれ、何か気になってたんだよね。その説明を今から瑞撫さんがしてくれるみたい。


瑞撫「因みにそちらはクラスで色が決まっていまして、

   それぞれクラス番号が入っていらっしゃ

   るのだけれど。」


瑞撫「どんなに好きな子がいても、シールを貼って良いの

   は残念ながら一人、1枚なのですわ...」


瑞撫「推しの妹ちゃんに沢山入れたいという

   諸君らの深く、熱い気持ちは私にも理解

   出来るっ...!!だけど、悲しいけど

   っ!!これは...っ戦争なの!!」


瑞撫「まぁ、同じ相手に2つシール貼ったら

   即バレして減点くらうので!!どMな

   人はどうぞ!!因みに私のお仕事を増や

   してくれやがったその方の採点は0に

   しちゃう~っ!!...わりと本気でなっ」


瑞撫「そして明日は休校なので、一年生の皆

   はお間違えないように!!気をつけ

   てね?という訳で、今日は盛り上がってトリックオア

   ー?」


生徒達「トリートォォォォっ!!」


瑞撫「上出来っ!!エクセレント!!このテン

   ションを今日は1日保っていきましょう!!」


美紗「おぉーーーっ!!」


瑞撫「あ、それとハロウィン祭が

   終わったらレジメを提出

   しなきゃいけないので」


瑞撫「配る前にちゃんとお菓子の写真

   も撮っておいて頂戴ね。」


瑞撫「特にフード関係の人は、先生達

   にハロウィンのテーマのお菓子

   の提出もお忘なく~♪」


 16時44分から開催のハロウィンパーティー。生徒全員が仮装をしてお菓子を渡し合う学校行事が今、ここに始まりを告げたのだった!!


雪音「では、私はこれから生徒会室の方で会議がありま

   すので。18時頃には落ち着くかと思わ

   れますから...良かったら、此方にいらして下さい」


美紗「うん、それぐらいにはそっちに向かうね。雪音」


雪音「えぇ。ではまた」


生徒D「柚夏様!!トリックオアトリートって

    言って下さいっ!!」


生徒K「柚夏様、私にも!!」


柚夏「えっ、ちょ、ちょっと待って...!!

   あっちでお菓子配るから順番に並んで...!!」


生徒K「柚夏様から頂いたこのお菓子、一生家宝にしますっ!!密封して保存しますね!!」


柚夏「いや普通に食べてね、腐るから」


生徒N「この間はありがとうございます、私だけじゃ持てなくて...、、」


柚夏「あぁ、良いよ良いよ。筋トレにもなるし」


女生徒「レシピの考案手伝って頂いて本当にありがとうございます!!」


と、開幕早々ゆずかーさんはファンの方に囲まれている...。今見えるのでもざっと、30人くらい?


 柚夏のノートにどんどんシールが張られていく。


美紗(ゆずかーさん人気、すごっ....。もう篭の

中お菓子で一杯になってる...、

流石ゆずかーさんだなぁ...)


美紗「貰ったお菓子も採点対象になるんだよ

ね...?私もシールとお菓子を集めなき

   ゃ、仲がいい人とかなら、もしかした

   らお菓子くれるかも!!」


美紗「誰に会いに行こうかな...?」


→「柚夏のとこにいく」

→「樹理先輩のところにいく」

→「晴華さんのところにいく」

→「雨宮先輩のところにいく」



→「柚夏のとこにいく」


 皆が並んでる列に向かって、黒い狼男の仮装をした柚夏に会えるまで私は待っていた...。


美紗(狼男のコスプレした柚夏、超イケメンだ

   しなぁ...。これだけ並んでると、柚夏。流

   雨さんと会う時間も出来なさそうだ

   ね...)


柚夏「あー...やっと終わった...、」


美紗「お疲れ、柚夏」


柚夏「はぁ...、でも皆一方的にお菓子渡して

   去っていったけど...。別に交換じゃなく

   てもただ受け取って欲しいだけだったみたい...。」


流雨「...柚夏、見付けた...、」


 と、短い和服を着た猫耳のコスプレをした流雨さんが裾を掴んでまるでお人形さんのように歩いて来た。


美紗「わぁ、流雨さん。猫さんだぁ、可愛い

   ー///」


柚夏「流雨!!...ね、猫耳...か、かわ..///!!」


流雨「...トリック...オア、...トリー...ト?」


柚夏「っ...、全部...ッ...あげ、ッ...///!!」


美紗「さっき書記さんが駄目って言ってた

   よ!?流雨さんには私のもあげるか

   ら、、正気をたもって!!柚夏!!」


流雨「さっきのお話...、...柚夏、一年生だから知らな

   い...シール多かった人...ショーに

   選ばれる...。だから...皆入れる...」


流雨「選んだ人当たったら...。1位半分...、

   2位1/3...、3位は1/4...ポイント

加算...。皆ショー出たくない...」


柚夏「....はい?」


流雨「...正気、...戻った?」


柚夏「...あ、うん...ちょっと待って。

   ごめん、...ちょっと、理解が追い付か

   ないかな...。」


美紗「って、事はお菓子を人から貰った

   人はコンテストに出なきゃいけないって事?」


流雨「そのペースなら...可能性は充分、ある...。」


柚夏「ある程度集まったら人通りの少ないとこ行こうかな、」


美紗「へぇ...。本当にお祭りみたいだね!!」


柚夏「他人事だなぁ...」


柚夏「あ、あとこれ...。美紗にも、」


と、柚夏は私のノートを開いてシールを張ってくれた。


流雨「...私も、お返し。...あげる」


 さっきあげたお返しに流雨さんも私にお菓子を分けてくれる。


美紗「流雨さんも...、えへへ...///二人とも

   ...ありがとう、」




→「樹理先輩のとこにいく」


樹理「美紗ちゃんー...!!」


美紗「樹理先輩っ!!ふわぁおっ、アリスだぁ

   ぁっ///!!」


樹理「似合ってるかな...///」


美紗「めちゃめちゃ似合ってますよ!!凄く

   可愛いですっ///!!」


 大きな兎の耳みたいに青いリボンに、白と水色の可愛いお洋服っ!!

まるで童話からアリスが飛び出してきたみたい...!!


樹理「ほ、本当に!?ナミのお姉さんに

   教えて貰いながら作ってみたの...。

   コンテストに選ばれたら、私もナミに

   可愛いって、思って貰えるかな...///」


美紗「コンテスト...?」


奈実樹「樹理はどんな服を着とうても負ける訳

    あらへんよ。樹理よりも元が良い人な

    んかおらへん、うちが保証したる」


美紗「あっ、奈実樹さん。こんにちは、凄く

   鬼の格好、似合ってます!!」


奈実樹「ふふふ、あんがとな。美紗ちゃんの

    格好も充分、めんこいよ」


 そういってる奈実樹さんの崩れた浴衣の着こなしが、本当に色っぽくてお酒好きな鬼っぽい妖艶さを醸し出していた...。


美紗(敢えて着崩してるのか、それとも着崩れ

   たのかは分かんないけど...、多分、わざ

   となん、...だよね///?)


美紗(奈実樹さん、胸が凄い見えてる...///でも、

   全然気にしてなさそうだし...///うーん///

これが、大人の余裕ってやつなのか

な...///?)


美紗(私だったら、恥ずかしくて絶対、着れない

よ...///)


奈実樹「...せやなぁ。良かったらやけど、コン

    テストについてうちが教えたろか?」


美紗「あ、私っ、知りたいです!!」


奈実樹「ふふふっ、...えいよ。貰った合計の

    シールの多い5人の中から3位の子が

    選ばれるんが仮装コンテストなん

    よ」


奈実樹「3位までの子を選んだらポイントが

    貰えるんや。うちは勿論、一番樹理を

    推しとるけどな」


樹理「でも、...私が作ったお洋服じゃ一位なん

て絶対...、無理だよ...」


奈実樹「...うちは一位と思うとる。」


奈実樹「...それじゃ、あかんか?」


樹理「な、ナミ...///!?...私も、ナミが一番だと

思ってる...もん...///」


樹理「....っというか!!ナミっ///、その服

っ///!!」


奈実樹「どないしたん?」


樹理「どうしたの?じゃなくてっ///!!せめて

胸はちゃんと隠してってさっき言ったば

   かりなのにっ///!!」


奈実樹「胸出しとった方が涼しいんよ...。そも

    そも誰も地味なうちなんか見てへん

    やろしなぁ...?」


樹理「もぉ!!そうだから...、前もそういって、

   ナミの事好きだった人にも全く気付けな

   かったんでしょナミーー!!」


美紗(....奈実樹さん達、二人とも本当に仲良し

  さんなんだねっ)


奈実樹「立ち話させてもうて、あんがとな。

    お礼に飴ちゃん、貰うてや」


奈実樹「お菓子にシール張っとけば楽やのに

    ねぇ。初対面の人の張って貰うのは

    勇気いる思わんか?」


と、奈実樹さんはお菓子を籠の中に入れてくれる。


樹理「あっ、私も...!!」


と、樹理さんも美味しそうなお菓子を籠の中に入れてくれた。


奈実樹「まぁ、多分それが目的なんやけど

    ね...。お菓子とか集計するんめんどい

    しな、...ノート貸してもろうね」


と、私は奈実樹さんにノートを手渡す。


美紗「私も、お二人に...!!」


奈実樹「ふふ、あんがとな...美紗ちゃん」



→「晴華さんのとこにいく」


晴華「あ、美紗ちゃーんー...!!」


 アリスに出てくる兎のような、黒いタキシード服でうさ耳を付けた


 晴華さんが私を見つけた瞬間、駆け寄ってきた


美紗(雪音から聞いた情報だと、ボディー

  ガードさんの方は雪音から貰った黒い 

  リボンを付けてるって...、)


美紗「...せ、晴華...さん...で、あって...

ますよね?」


美紗(...あの人だったら、どうしよう、

   ドキドキする、、)


 というか、そう簡単にあの日の事は忘れられない...。瞳は何時もの晴華さんだけど...、でももしかしたらって可能性もあるし...、、


晴華「んー?...うん。私だよー?」


美紗「...はぁぁぁ。....良かった、...その格

   好、凄く似合ってますね!!」


私はほっ、と胸を撫で下ろす...。


晴華「もしかしてー...。...美紗ちゃん、...

麗夜と会ったのー?」


美紗「...あぁ、...まぁ...。...はい、本当に...

   そっくり、でしたね...」


美紗(見た目だけは...。...双子で性格違うのって

  本当だったんだなぁ...。私、双子なんて

  初めて見たもん...そりゃ、驚くよ...)


晴華「良いなぁー、良いなぁ~っ!!麗夜は

   困った時にいつも私を守ってくれる私の

   自慢のお姉ちゃんなんだよー!!」


美紗(出来るだけあの日の事は忘れたいん

だけど...、)


美紗「...は、はい...。...めちゃめちゃ怖い人

でしたけど...、晴華さんはあの人と

   仲が良いんですね...」


美紗(あれ...、でもあの人が思ってる晴華さん

  の印象と晴華さん、大分違う...。)


美紗(...それにあの人、晴華さんのお話してる

時...。...守ってあげるとか、そんな

感じじゃなかったけどなぁ...)


美紗(...本当に雪音の事しか考えてなかったし)


晴華「麗夜は私の事、何か言ってたー?」


美紗「えっ...、と...その...」


美紗(言っても大丈夫...、なのかな...)


晴華「ふふ、大丈夫だよ。...私、麗夜の

   事もっと知りたいの。...それがどんな些細な事でも」


晴華「...私は、それを受け入れたいか

   ら」


美紗「...晴華さんと私、あの人を...間違え

ちゃって、椿様...?の事を知らない者と

   同じにするな...って、凄い...その...」


晴華「...ありがとう、美紗ちゃん。んー...

   やっぱり私とそっくりだから...麗夜は

   麗夜なのに...間違えられたら

寂しいよね」


美紗「...気を付けます」


晴華「いや、そうじゃなくて...!!んー、そうだ

   ねー...。...だったら、こうしよう!!

これから私の事、麗夜さんですか?っ

   て最初に言えば良いんだよー」


晴華「それなら美紗ちゃんも安心だよねー?」


美紗「でも、それじゃ...晴華さんが...」


朝乃「晴華さーーーーん!!ポテト買ってきま

   したーー!!」


晴華「朝乃ちゃん、」


美紗「朝乃先輩...、服!!可愛い...!!」


 魔女さんだー...。フリフリの黒い服と白いフリルが凄く可愛い...///!!


 先輩って、こんな可愛い服着るイメージがなかったから...!!


朝乃「えっ...、」


美紗「すっごく!!可愛いですっ///!!」


朝乃「あ、ありがとう....///」


晴華「うんっ!!私も、朝乃ちゃん絶対可愛い

   服似合うのに着ようとしないから。私か

らお願いしてみたんだー///」


朝乃「そ、そんなに似合ってますか...///」


晴華「うんー、すっごく似合ってるよー!!」


朝乃「....嬉しいです///」


晴華「後で、イタズラしたいくらい♥️」


朝乃「/////!?」


晴華「あ、そうだ...!!私達も美紗ちゃんに

   お菓子あげよ?朝乃ちゃんっ」


朝乃「ひゃ、ひゃい...///あ、ありがとうね...///

美紗ちゃん...///」


美紗「わ、私何もしてないですよ...??」


朝乃「もう、本当に...ありがとう...。良いか

   ら、お菓子、遠慮なく受け取って欲しい

   わ...」


美紗「えっと...じゃぁ、一つだけ貰います

   ね...?」


晴華「私からもっ、手作りだよー。良かった

   ら食べてねー♥️」


→「雨宮先輩のとこにいく」


雨宮先輩「やぁ。こんな所に迷い込んで来るなんて

     ふふ、いけない子だね...。寂しく

     なって僕に付いて来ちゃったのかい

     子猫ちゃん?」


 吸血鬼の格好をした雨宮先輩に、沢山の生徒が目をハートにしてお菓子を渡してる...。


雨宮先輩「ありがとう、子猫ちゃん達。僕は

     野蛮な狼君と違って甘い物がとても

     大好きなんだ」


雨宮先輩「勿論、君達の事も、ね。ふふ、子猫

     ちゃん達からもらった物は僕が全て

     大事に頂くよ。」


雨宮先輩「どうだい?皆は彼よりも、僕の

     方がずっとイケメンだとは思わないかい?」


生徒達「キャーーー///!!吸血鬼様~♥️、

    血を吸ってーー///!!」


雨宮先輩「仕方ない小猫ちゃん達だね、チュッ」


と、雨宮先輩がウインクをして軽く投げキッスをすると大きな黄色い歓声があがる。


 柚夏もだったけど、雨宮先輩の人気も凄まじい...。


美紗(でも、シールの量は若干柚夏の方が多い

  気がするけど...。このペースなら追い越し

  ても不思議じゃないし...柚夏と雨宮先輩、

  どっちが人気なんだろ...?)


小栗「約束...、覚えてるでしょうね。」


雨宮先輩「ふふ、...眼福だよ。小栗君」


 隣で立っていた小栗先輩は真っ赤になりながら、胸元を包帯で隠してる...。


 雨宮先輩の隣に居るから看板娘かのように同情で小栗さんにちらほらシールを張ってくれてる人も結構いるみたいだった。


小栗「こんな格好させて///!!忘れたら承知

   しないわよっ///!?」


と、小栗先輩は殆ど裸に近いようなミイラ男のコスプレをしていた...。


というか...あれ、...その...///本当に下着が見える一歩手前なんじゃ...///


雨宮先輩「ふふ、...怖いね。手を出したら今に

     でも噛み付かれてしまいそうだ。...

     まぁ、僕が噛む側なんだけど

     ね?」


小栗「後で覚えておきなさいよ、狛...///!!」


雨宮先輩「ふふふっ、今の君が何を言っても

     全然怖くないね。むしろ可愛いくら

     いさ」


雨宮先輩「...夜はまだ長い。今はそれまで

     は王の余韻に浸らせてもらうよ」


雨宮先輩「君には夜を支配する王の活躍を

     とくとご覧に入れてもらうとする

     としよう」


雨宮先輩「せいぜい、夜が終わってしまう

     その時はお手柔らかに頼むよ、

     小栗君」


 長い列を待って、やっと雨宮先輩の元までいくと小栗さんの顔がぱぁっと明るくなる。というか、小栗さんの上の名前なんだったっけ...。


小栗「貴女は芽月さんの...!!会えて良かった

   わ...!!だって、会う人、会う人全員

   狛のファンの人なんだもの...!!」


小栗「芽月さんから貴女のお話は伺っている

   わ。だって彼女ったら貴女のお話を

   するとき本当に、楽しそうに話をする

   んだもの」


小栗「ふふ、頑張ってね」


 と、小栗さんは私の籠の中に笑顔でお菓子を入れてくれる。


小栗「ノートにも...って、狛...」


と、雨宮先輩は小栗さんの持っていたノートをまるで悪戯をする子供のかのように


取り上げてシールを張ってから、小栗さんに返した。


小栗「もぉ...、急に何するのよ...」


雨宮先輩「僕だって嫉妬するときぐらい

 あるさ。まぁ、子猫ちゃん相手に

     なら分からなくもないけどね...」


雨宮先輩「trick or treat.」

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