④ハロウィン編2【みさゆき】

※キャプション


 シールもちょっとずつ集まって...。あっという間に時間は経ち...、


そろそろ雪音のところにいく時間...。


美紗「失礼しまー...す...、」


 少し薄暗い生徒会室前に入っていくと、生徒会の豪華メンバーが勢揃いしていた。


美紗(生徒会の人達って顔で選ばれ

   てるのかな...、今考えると

   此処にいる人達と全員知り

   合いって)


美紗(かなりすごい事なんじゃ...)


雀「では、お米のお菓子は私が...」


樹理「あ、美紗ちゃん。お菓子食べるー?」


美紗「お菓子ですかっ♥️!?」


 生徒会の机にいっぱいに集められたお菓子の山達。


 その中から、雀さんはお米で出来たお菓子を選んで自分の籠の中に入れているようだった。


雀「あ、貴女は」


雀「...あの時は急に居なくなって

  しまってごめんなさい...。」


雀「寝不足で倒れてしまって...、

  私のせいで雰囲気を悪くして

  しまいませんでしたか...?」


美紗「あ、いいえ!!私だって、

   もうちょっと起きてたいなーっ

   て時ありますし、そんな時も

   ありますよ!!」


美紗「でも、凄いですね...お菓子の山...。」


樹理「毎年、生徒会皆のをこうやって

   タワーにしてね、」


樹理「シールは自分のノートに

   張って♪」


樹理「好きなお菓子と交換してるの

   っ。生徒会の恒例行事みたい

   な...?」


美紗「シール、剥がしちゃっても

   良いんですか?」


雪音「この学校には人と話せない方も

   いらっしゃるので、元はと言えば

   そのような方達の為に」


雪音「お菓子にシールを張って渡す

   事にしたのです。」


雪音「ですから、その点に関しては

   気にすることはないですよ。」


美紗「雪音、おつかれ」


雪音「よく来て下さいましたね。」


雪音「美紗さんを此方にお呼びした

   のは、この甘味達を少しでも

   減らして頂きたくて...」


美紗「え?!これ全部、食べていいの!?」


雪音「えぇ、杏里さんのお好きな

   だけ。私は甘味は基本的に

   頂きませんから」


瑞撫「美紗ちゃんっ!!!」


雪音「...まだ、お話している途中

   なのですが」


瑞撫「ねぇー、聞いてー美紗ちゃんー。貴女のガールフレンドさん

ったら、こんな時でも一口もお菓子を食べようとしないのよ~?」


瑞撫「無礼講なのに、」


と、背中から抱き付いて。私の髪を撫でる瑞撫さん、...その、胸が...当たるんですが///


美紗「あ、...その。私...今雪音とは」


瑞撫「そこまで行っちゃえば、恋人

   なんて、すぐよ、すぐっ♪」


瑞撫「逆に此処までの関係になれる

   なんて本当に凄い事なんだから」


美紗「....むぅ」


瑞撫「んー...?」


美紗「もぉ、あんまり子供扱い

   しないで下さい...。

   私だって高校生なんですか

   ら...」


瑞撫「はぁぁぁっぁぁあんっ////」


瑞撫「妹ちゃんに一度は言われて

   みたい台詞、ナンバー1を

   無意識で言っちゃうあたり

   凄く萌えぇぇぇぇだわぁぁ

   ぁ///」


 さっきよりも強くぎゅううっと抱きしめる瑞撫さん。


美紗「あんまり浮気したら駄目

   ですよ。雀さんが可哀想です」


雀「そうですよ...本当にもっと、

  言ってやってください...」


瑞撫「くっ...///私の中のキュンキュン

パラメーター

   が限界値を迎えているわ...飛び出ちゃい

   そう...///」


美紗「...んー。でも、これ四人でも...ちょっと

   無理な量ですよね...。」


雀「副会長もですが...雪音お嬢様と、瑞撫お嬢

様は特に大変人気ですから...。顔の広さ

  で言えば一番お菓子を頂いているのでは

  ないでしょうか?」


美紗「ふえー...」


瑞撫「あ、でも顔の広さではなく、魅了が得点

   対象だから安心して頂戴ね。そんなの

   ぶっちぎりで古池の娘さんが勝ちゃって

   つまらないじゃない。」


瑞撫「因みに私は司会なのでコンテストには不参加ですわ♡」


と、私の肩にもたれ掛かっていた瑞撫さんは離れてお菓子を一口摘まむ。


瑞撫「でも~...一口くらいなら試食しても良い

   かと思いますわよ?折角皆様方から頂いた

   物でしょうし、今日くらいはそんなに

   お固くならずとも良いのでは?」


瑞撫「お煎餅なども美味しいですのに。」


雪音「...甘味ですか。」


雪音「...何故、多方の女性と

   いう生き物は甘い物に目がないの

   でしょうか」


美紗「あー...、雪音はアレルギーを持って

   るんだよね...?」


美紗(まぁ、ある意味アレルギーみたいな物

   だと思うし...)


樹理「あ、それなら大丈夫!!ナミと一緒に

   作ったアレルギー食材を一切使ってな

   い、米粉クッキーは食べられるよ

   ね!!」


樹理「こだわりにこだわって、美味しさを追求

   してみたの!!」


樹理「卵と小麦粉を使ってないお菓子

   ってどうしても癖があって...正直、3大

   アレルゲンを使った物より味が落ちち

   ゃうんだよね...」


樹理「けど!!試行錯誤のうえ、普通のクッキ

   ーに限りなく近い味が遂にっ!!完成した

   んだよ!!」


雀「米粉クッキーですか、へぇ...。美味しそう

ですね...食べてみても良ろしいですか?」


樹理「いっぱいあるからどうぞ!!」


雀「......(もぐもぐ」


雀「あ...、確かに味が殆ど一緒です...!!」


樹理「でしょっでしょっ!?」


美紗(そういや、樹理先輩そういうの詳し

かったっけーーーー!!、、)


美紗「ご、ごめん...雪音...」


雪音「残念ながら私はアレルギーではありませ

   ん。杏里さんが私の為に断わりやすくす

   るよう、お考えになられたものです。お

   気づかい感謝致します。杏里さん」


美紗「う、うん...。」


樹理「そっか...甘い物が苦手なら、仕方ないよ

   ね...。無理に押し付けてしまってすみま

   せんでした...会長...」


雪音「いいえ、私の為を思ってなされた事なの

   でしょう。でしたら、それを私が咎める

   というのは浅はかというものです。」


雪音「どうか皆さんでそちらはお楽しみ下さい」


美紗(流石だなぁ...)


※スライド


 お菓子を皆で食べて、少し経って...。


 私が生徒会室に入ってから

大体30分くらいが経っていた。


美紗「あー...、結構沢山食べましたけど。まだ

   まだいっぱいありますね」


美紗「えへへ...///で

   も、こんなにお菓子があるなんて

   幸せだなぁ...///」


美紗(後で雪音にも持っていってあげよ。どんなお菓子が好きなんだろ)


→A『しっとり系(味優先)を多めに持ってく』

→B『可愛いお菓子(見た目優先)を多めに持ってく』


樹理「飴が沢山残ってきちゃったね」


美紗「ですねー、でも飴って中々減らないで

   すよね...。残りは後でバックの中にいれて

   持って帰ろうかなぁ...」


雀「値段的にもお手頃ですから。飴を配ってる

  人の割合というのはどうしても多くなりがちですよね」


樹理「ということでそろそろ新しいの

   追加する?」


美紗「...新しいの、ですか?」


何か嫌な予感がするんだけど...。


樹理「さーて、どれくらい来てるかなぁ?」


 ガラガラと、生徒会室のドアを開けると


 そこに沢山お菓子の入った

籠があった。あぁ...こうやって、外に居ないときは集計してるんだ。


樹理「外に代理ノートとして画用紙張ってある

   んだけど...Waoh...、いっぱい増えてるね。

雀ちゃんのもあるよ」


雀「クラスの方からでしょうか、それにしても

  本当にありがたいです。私は皆さんと違っ

  て人気がそれほど高い訳ではないので」


雀「ポイントはC判定くらいにはちゃんと集めてお

  かないと...って...」


 大きなお米のお菓子が沢山詰まった袋が、入っていて。そこには

ラブラブ雀ちゃん結婚しよ♥️と大きなオレンジで掛かれた袋が...。


雀「...瑞撫、お嬢様ですよね」


瑞撫「というかこんなに可愛い雀ちゃんに

   票が集まるのはあれど、集まらな

   い訳がないっ!!」


雀「...まぁ、好きなので良いですけどね」


瑞撫「それは私の事がry」


※スライド


瑞撫「...ふぅ、それにしても今年は誰が優勝

するのかしらね」


 生徒会の人達からも、シールとお菓子を貰っている間。窓を見つめながら、人が沢山集まっているのを瑞撫さんはぼーっと見ているようだった。


瑞撫「雨宮様、会長、副会長、っと後はあの黒

   髪の一年の狼の子と」


瑞撫「その辺りよね。やっぱり、...優勝はモデルの晴華ちゃんかし

   ら?」


美紗(まさかの全員知り合い、)


瑞撫「へー、」


瑞撫「...あの子、誰かしら?」


瑞撫「一年生...?なかなか...、それにしても...顔面偏差値高いわ

ね!!。後でお菓子、配って来ちゃおう

   かしら?」


雀「はぁ...。お嬢様...」


瑞撫「やぁねぇっ、私の愛しのメイドちゃんは

   雀ちゃんだけよっ!?ちゅっちゅっ

   ー///」


雀「まぁ...、もう私は貴女だけの物ですから。

  お好きになさって下さい」


 生徒会室から外の様子を見てみると、確かに凄く可愛い子がいる。


 青髪のエルフの格好をした可愛い女の子は恥ずかしそうに俯きながら、

色んな人から次々にお菓子を貰っていた。


美紗「...」


雪音「あの方が気になるのですか?」


美紗「...ううん、確かにあの子は凄い可愛い

   けど」


美紗「あれだけ人が集まってたら」


美紗「私の知ってる誰かが選ばれなく

   なっちゃうのかなって...」


雪音「ゲームのようなものですから、それほど

   気に病む必要もないかと思いますよ」


雪音「この世の誰もが常に平等で

   あり続けたいと願うのは決して

   悪いことではありません。」


雪音「ですが、それが時には強い劣等

   感と焦燥感を生み出す切っ掛け

   にもなる事があります」


美紗「んー...」


雪音「そもそも本当に平等な世界

   には、【平等】という言葉すら

   存在しません。」


雪音「ですが自分以外の誰かがその事

   を少しでも《不幸な事》と感じ

   取った途端に」

 

雪音「その相手はその人にとって

   本当に可哀想な人になって

   しまうのです。」


美紗「あっ...。」


雪音「言葉には人を洗脳する力があります」


雪音「それが例え偽りであったとしても、

   ...言葉というものは簡単にそれを覆して

   しまう事が出来てしまうのです。」


雪音「...具体的な方法と致しまして、監禁し、

   極度の緊張状態から精神を追いつめると

   人は...」


美紗「そういう話はだ、大丈夫...!!」


美紗(...そういう、人が辛い目に合う

お話あまり好きじゃないんだよね...)


雪音「...そうですか。」


美紗「...でも雪音って、...可愛いよね」


雪音「今のどのあたりに可愛さを感じたのか、

   私には分かりませんが」


雪音「私は真面目な話しか出来ませんよ」


瑞撫「やばいっ!!やばいわ!!カウントしわす

   れてた!!」


 いつの間に外に行ってたんだろ

、瑞撫さんはドアを勢いよく開けて生徒会室の中に入ってきた。


美紗「えっと、手伝いましょうか?」


瑞撫「ありがとう、美紗ちゃん。でも私、追詰

   めれば追詰められほど興奮するタチ

   なのよね~」


美紗(この人は本当に何を言ってるんだろ

   う...)


 瑞撫さんは席に座ると同時に、しゅばばっと書類を捌いてく


 その点検した書類を雀さんが再度チェックしているようだけど...


美紗(んー、早すぎて何してるのか全然わかんないや...)


雀「チェック漏れをして下さったら、...文句の一つも言えるのですが」


雀「残念ながら完璧です。」


...雀さんはじっと真剣な顔で書類をしばらく眺めてはすぐに、机の上に置いている。


 その書類にはシールの横に数字が記入してあった。


美紗「ま、まさか...このシールの量を一瞬

   で!?」


美紗(それを一目でチェックしてる雀さんも凄いけど)


瑞撫「どやぁ!!」


雀「状況的にそんな顔出来る余裕は今

  ないはずなのですが...。」


瑞撫「制限時間内に間に合わせるためには

   失敗は許されないようなこの感じ、」


瑞撫「...爆発物の処理みたいで

ゾクゾクしてしまいますわ♥️」


瑞撫「まぁ、私は失敗なんてヘマしないの

   だけれど!!」


雀「自分で首絞めたのは瑞撫お嬢様ですけどね。」


雪音「...いつもそれくらいのスピードで提出し

   て頂けると大変助かるのですが...」


瑞撫「私が本気をだすのはサボる時と、ヤバい時

   のみだってもう決まっているのです

   わ!!」


雪音「...勝手にお決めにならないで下さい」


 そんなこんなで...、20時に始まるショーに向けて


 生徒会室の中は何やかんやとてもバタバタしていたのでした...。


瑞撫「絶対に間に合わせて見せるから!!そした

   ら、雀ちゃんのパンツを見せて頂

   戴!!」


雀「急に日本語を忘れてないで...、目の前の

  現実だけをみてください」


※キャプション


瑞撫「さてさて、皆さんっ。大変長らくお待たせ

   致しましたーっ!!」


瑞撫「遊び回っていたら時間ぎりぎりになって

   追いつめられてしまった瑞撫さん、です

   がっ...!!」


 そう言って息を切らしながら、スライディングしてマイクを握り締める瑞撫さん。


 さっきまで一切そんな様子なかったとか私は知ってるけど、それを今言っちゃいけない気がする...。


瑞撫「間に合ったのにっ!!間に合ったのに!!、

   雀ちゃんが下着を見せてくれませんでし

たのぉぉぉ...!!」


生徒達「oh....」


美紗(本当に良かった...)


瑞撫「では、今回も選ばれし5人の中から

   真のハロウィンの王者を決めていこう

   ではないかっ!!」


瑞撫「誰に入れたのかは分からないように

   してあるので、安心してあなただけの推しを決め

   ちゃって下さいね~!!」


瑞撫「では、さっそく始めましょう!!エントリー

   No.1番!!」


瑞撫「まぁ、当然入りますよね。1年生にして生徒会会長に選ばれた女王様!?我等が会長!!、古池お嬢様ー!!」


 奥から入ってくるのは、紫に少し桜がかった色の髪をした美しい白い雪女の格好をした雪音...。


 あまりの美しさに会場が一気静まりかえった


美紗(水色のベール似合すぎ

、)


美紗「雪音に氷らされたい...♥️、」


 ...それにしても本当、雪音の着物姿似合うなぁ...///


美紗(雪音ー!!がんばってー!!)


雪音「一年生にしながら。此方の舞台に立つ

   事が出来ました事を心より、感謝致しま

   す。そして、皆様には今後より良い学園

   生活をお送りになられますよう」


瑞撫「と、言うことで!!何故、会長は雪女

   の仮装を選んだのですか?」


雪音「...我々、古池家では代々的に冬を

   イメージすることの出来ます名前が

   使用されておりまして...」


瑞撫「だ、そうですー!!ありがとうござい

   ましたー!!時間も推してるので、

   カットは致し方ないっ!!」


美紗(えぇっ!?)


雪音「誰がそのようにさせたのでしょう...?」


雪音「...ですが、私に対してこのような事が

   出来るのは今後もきっと貴方ぐらいなのでしょうね。」


瑞撫「古池の娘さんの記憶に残って頂けたので

   したら、私としてもとても光栄ですわ」


瑞撫「ただでさえ人気なのですから。

   これくらいのハンデが丁度

   良いと思いますわよ?」


 パチパチと拍手の鳴る中、雪音は瞳を閉じながら退散してく...。


美紗(えぇっ....、雪音、途中で終わっちゃった

けど...大丈夫かなぁ...。でも...関係

   者以外、今は立ち入り禁止だし...)


看板「関係者以外立ち入り禁止」


と、太字の赤いマーカーで書かれた文字を見ると...凄いちっちゃな文字で何か書き足されたように書かれてる...。


美紗(さっきまであんな文字あったっけ...?

   んー...?)


看板「※Q.杏里美紗ちゃんは関係者に入りますか?

    A.はい、入ります」


美紗(...そういうのは、瑞撫さんっ...口頭で

   言ってぇぇぇぇえ///!!)


美紗「すいません、ちょっと通ります...!!、、」


 急いで、張り紙を取るため


 会場から抜け出して扉の前に向かう。


 ...というか、私出場者でも何でもないのに関係者扱いされてるけど...良いなのかなぁ...??


※スライド


美紗「...これで、よしっと」


 取り敢えず近くにあったマジックで黒線で斜線を引いた事により、


 これ以上見られる難は逃れる事が出来た。


美紗「瑞撫先輩にはちゃんと後で言っとか

ないと...」


 関係者以外立ち入り禁止という張り紙がついている扉を開くと...


そこには...、


美紗「...あれ?!先輩達も...!?」


 出場メンバーだけではなく、今までお世話になった人達も...皆居る。


 雨宮先輩と小栗先輩は...居ないみたいだけど...


晴華「ゆっきー、お疲れ様ー♥️」


 そう言って雪音に熱い包容を交わす晴華さん


 横長の机の上に沢山広げられたお菓子達がいっぱいあって


 それぞれの人の前にお茶の入った白いコップが置かれていた。


雪音「あの方にも本当に困ったものですね...」


晴華「よしよしー、ゆっきーは本当に頑張った

   よねー///」


と、雪音の髪を撫でながら雪音を甘やかす晴華さん。


私の出番はいらなかったかな、


雪音「私としては不完全燃焼で終わってしまい

   ましたが...、たまにはこのような経験

   も必要なのでしょう」


美紗「でも。そんな機嫌悪そうじゃなさそうだね」


雪音「貴女は私を何だと思っている

   のですか...」


雪音「あの程度の事で不機嫌になる

ほど私は暇ではありませんよ」


瑞撫「ではっ、次の方!!エントリー  

   No.2!!おーっと、これまた

   1年生の生徒だ~!!」


流雨「柚夏...、呼ばれてる...。」


柚夏「...もう、覚悟を決めるしかっ...、

   ない...のかぁぁ、、」


柚夏「はぁぁぁぁ...本当凄っっっ

   い、出たくない...、絶対他に

   もっと格好良い人いたでしょ。」


流雨「......柚夏、...普通の人なら

   出れないよ...。柚夏だから...

   出られたんだよ」


流雨「それに好きな人が舞台に立って

   るのは、私も嬉しい...。」


柚夏「...、」


柚夏「...分かってるとは思うけど、

   本当に順位に入るとは

   限らないからね...?」


柚夏「それに此処にいる人達見て

   よ...、」


柚夏「...私がこの美人だらけの空間の

   中に入ってる時点で、流雨も

   可笑しいって思わない?」


流雨「...?」


柚夏「......んんーーーっ!!そっかー

   ーーっ、思わないかぁぁぁ!!、、」


A『柚夏、緊張で頭やられてるの...?』

B『流雨さんも嬉しいって言ってるし...』




A


美紗「柚夏、緊張で頭やられてるの...?」


柚夏「...もっと言葉なかった?」


美紗「なかった」


B


美紗「流雨さんも嬉しいって言ってる

   し、早く出た方がいいよ?」


柚夏「美紗にとっては他人事だから

   ねぇ...。」


柚夏「目立つの好きなら私の代わりに

   出てよ...、」


美紗「え、やだ」


柚夏「どうして」


美紗「別に舞台に出るのは良いけど、

   選ばれてもない私が出るのは」


美紗「ちょっとかませ犬感が凄いっていうか...、」


柚夏「私だってそうだよ...、、」


美紗「ほら、あの人も応援してるし」


美紗(フジムシさんじゃなくて...、)


美紗「名前なんて言うんだっけ...、

   フジツボさん?」


藤??さん「芽月様~♥️♥️」


柚夏「藤奈さんね...」





柚夏「.....」


柚夏「...はぁ。やっぱり、こんな

   ネガティブな人間...普通」


柚夏「誰だって嫌だよね...。私だっ

   て、自分の事本当暗い奴だなって

   思うし...。」


柚夏「だから...出来るだけ今まで言わないよう

にしてたんだけど...」


柚夏「流雨に思ってることもっと

   言って欲しいって言われてさ...」


美紗「ううん、ちょっとビックリ

   したけど」


美紗「 私もそっちの方が絶対良いと

   思うよ」


美紗「本音を言えないのってだいぶ

   ストレス溜まるし。そういうの

   も凄い溜まりやすくなるから」


柚夏「うん、といっても...。なんで

   こんなとこにいるのか分からない

   んだよなぁ...」


美紗「人気だから...?」


柚夏「いや、だから...なんで...?」


柚夏「...逃げたはずだったのに

   いつの間にか新聞部で集計

   募集されてたんだよ!!!、」


美紗「柚夏出すのに全力でウケる」


生徒「ブラックウルフ様ーーーーっ!!」


美紗「うわー...、会場すっごい熱気...」


美紗「なんか凄い演出みたいになってるけど」


柚夏「ただ出たくないだけなのに何故...。」


柚夏「...まぁ、呼ばれちゃったから..

   行かない訳にはいかないし...、

   行ってくるよ...」


瑞撫「ブラックウルフ!!まさかの

   焦らしプレイかっ!?」


瑞撫「ブラックウルフ!!実はそう

  いうのが好きなのかーーー!!、、」


柚夏「どうしたらっ、そうなるんですか!?」


柚夏「皆さんっ、違いますからっ!!

   今のはこの人が勝手にでっち

   あげただけで...!!」


美紗「頑張って、柚夏。応援してるよー」


樹理「こっちおいでー」


樹理「美紗ちゃんの席もちゃんと用意

   したんだよ?」


美紗「えへへ...///。嬉しいです...///」


美紗(でも...5人って事は...狛さん達

   は...、)


美紗(...ううん。...そう思うのは

   雪音に失礼って言われたし)


美紗(今は此処にいる光景を楽しもう、)


美紗(この人がさっきの...近くで見る

   と本当可愛い...。)


 海のように深い藍色の髪に、美しい夕焼け色の瞳...


 近くにいるだけで空気が変わるような美少女。


 耳の長いエルフのような格好をした女の子はすっごい遠い目をしながらさっきからずっと下を向いて俯いてる...。


??「......」


美紗「あ、えっと、お隣失礼します」


??「....え、あ...。...ど、どうぞ」


??「....」


樹理「さっきから、進んでないけど...

   一緒にお菓子に食べる?」


??「...だ、大丈夫ですから...。」


??「わ、私の事は、その...、

   どうか...お、お構いなく....。」


奈実樹「遠慮せんでもえぇよ?」


奈実樹「うちなんか出演者でもなんも

    ないのに普通に食うとる

    しな?」


 そう言いながらお菓子の袋を開けてる奈実樹さん


朝乃「私もよ。もっと近くで見て

   みない?って何故か書記の人に

   突然ナンパされて...」


朝乃「こんな、晴華さんを見るのに絶好

   な特別席に招待されて...♥️♥️」


奈実樹「朝ちゃん、本音が隠しきれて

    へんなぁ」


奈実樹「朝ちゃん的にはどうなん。

    ナンパされて」


朝乃「人間と天使を比べちゃ駄目だと

   思う」


奈実樹「相変わらずやなぁ」


朝乃「だから、美紗ちゃんもどんどん

   食べちゃって良いのよ///?」


朝乃「私がこれを言っても良い立場

   なのか分からないけどね。」


樹理「はい、お茶ー」


美紗「ありがとうございます!!...えへへ、

   では、お言葉に甘えて...///」


 さっきと種類の違う目の前のお菓子の山に手を伸ばす。


 ...んー!!どれも見たことないお菓子ばっかりでちょっと興奮しちゃうなぁ...///!!


美紗(皆美味しそう...♥️)


晴華「貴女のお名前はなんていうのー?」


??「...え、えと...ま...真菰...、」


美紗「真菰...?」


湾「...ど、どうしました?」


美紗(そういえばくゆが、そんな名前の

  子の友達がいるって前言ってた気がする)


美紗(...名前が...確か...みか...、

  みか...かげ...みかげ?)


美紗(そうだ、みかげちゃん...!!)


美紗「え、えっと...。...もしかして、

   妹さんって居ます?」


美紗「中学生で...みかげちゃんって

   名前だったりしませんか...?」

 

みかげと言った瞬間。湾さんの目が鋭くなって眉間にシワが寄る。


真菰「...あいつがっ!!、...あんなのが

  妹な訳ない...ッ...!!」


 興奮して、席から立ち上がる湾さんの瞳から強い憎悪にも似た強い怒りの感情が伝わってくる。


 そんな湾さんの頬は涙で濡れていた


真菰「本当の妹なら...あんな事絶対、しない...、、」


真菰「あいつは人の皮を被った悪魔だから、」


美紗「...妹さんと何かあったん

   ですか...?」


真菰「...、...急に取り乱すような事...、

  すみません...。」


真菰「そっちには何も関係ないのに...、」


美紗「関係ないことはないけど...、」


美紗(くゆの友達の話だし...、)


 と、湾さんは落ち付いたのかゆっくりと席に座る...。


 あんまり触れられたくない話題だったのかな


真菰「...やっぱりこんな格好だと、

  まともに話せないよ...、」


真菰「...だから、こんな格好、絶対似合わ

  ないって言ったのにぃぃ、、」


真菰「...こんなのただのコミュ障じゃぁん、、」


 今にも泣き出しそうな顔で顔を手で覆いながら話す真菰さん。


美紗(なんかすっごい申し訳ないん

だけど...泣き顔も凄い...、可愛い...、)


 それを見た樹理先輩は慰めるように真菰さんをいい子いい子してるし、奈実樹さんはそっとお菓子を前に置いてる


樹理「此処にいる人は皆優しいから

   大丈夫だよ、」


美紗「なんか...ごめんなさい...。」


真菰「...いえ、こっちも悪いので」


真菰「...でも、なんでみかげのことを

  知ってるんですか?」


美紗「みかげちゃんのことはそんなに

   知ってる訳じゃないですけど、」


美紗「私にも妹がいて...、みかげって

   子とお友達だっていう話を

   聞いたから」


美紗「もしかしたら、その子の

   お姉さんなのかなー...って...、」


真菰「あぁ...、そういう事...。」


真菰「妹さんには彼女と付き合わない方

  が良いって言った方が良いよ」


真菰「【玩具(おもちゃ)】として

  見られる前にね。」


美紗(お姉さんが此処まで言うって、

   家では相当我が儘なのかな...。)


真菰「それと、あなたも一応気を付けた

  方がいいかもね」


美紗「私が...?」


真菰「あいつには人の心がないから。

  白羽(しろは)ちゃんに似てるってだけで何されるか分かんないし」


 私とくゆは仲は凄く良いけど...、姉妹同士仲の悪いお家とかもあるよね...。


 多分、色々複雑な家庭環境があると思うし一応言っておくだけ言っとくか


 お姉さんがそう言ってたって


真菰「私の方からも、関わるなって

  言っとくから...」


美紗「でも...。くゆにどう説明すれば...」


真菰「...実際話してる人なら分かるよ。

  出来れば話さない方が良いんだけど、」


真菰「妹さんも薄々気付いてると思う。

  みかげは関わっちゃ駄目な人間

  だって」


真菰「...特に、あなたは...似てる

  から...」


美紗「似てる...?」


真菰「私の好きな人にね。」


真菰「まぁ...、今も好きなんだけど」


晴華「あ。このお菓子、スッゴく美味しいよー、ほら、皆食べてみてー?」


美紗「えと...」


真菰「あぁ...。」


 真菰さんは一口だけお菓子を齧った後、包み紙の中食べかけのお菓子を包んで戻している。


真菰「...私は大丈夫です、白羽ちゃんが

  居ないのに一人だけ美味しい物を

  食べるなんて...。」


真菰「...すいません、やっぱり...これは後で

  食べますね」


 食べようとしたけどやっぱりあんまり気が進まないといった感じで、


 真菰さんは貰ったお菓子をバックの中に詰め込んでいた。


真菰「私の事は気にせず、食べて下さい、」


真菰「気を使うのもお互い...。疲れます

  から」


美紗(後からその人と一緒に食べるのかな?)


晴華「ふふ、まだ沢山あるからー

   大丈夫だよー。」


晴華「袋もあるし、その子に全部持って

   ってあげると良いよー、」


真菰「...良いの?」


晴華「此処で無理やり食べる必要

   ないよ。リラックスして食べれる

   環境で食べた方が、」


晴華「美味しいって思う人もいるし、

   ゆっきーもそうだからー♥️」


雪音「余計なことを言わないで下さい。」


雪音「...私にそのようなキャラ付けは

   ありません」


美紗(晴華さんのそういう情報ほんと

   助かる、)


真菰「...白羽ちゃんにあげたら。喜ん

  でくれるかな、」


樹理「絶対に喜んでくれるよ。後

   真菰さん、絶対笑顔の方が可愛い

   から」


樹理「その顔で会ったら、どんな相手

   でもhappyになると思うんだ♪」


真菰「......、」


真菰「...ありがとう」


瑞撫「では次はー!!一体誰なのでしょう!?エントリーNo.3番!!、皆大好き、

   この人です!!」


※キャプション


瑞撫「晴華ちゃーーーんッ!!!!!、、」


瑞撫「今、話題の時を駆ける少女、

   テレビでもラジオでも引っ張り

   だこの今を時めく転校生っっっ!!」


瑞撫「台風の日に自腹で握手会に向かう

   という彼女の献身さから、彼女の

   虜になった方も多いのではない

   でしょうかっ!!」


瑞撫「そして、最近発表された驚きの

   新事実!?」


瑞撫「美しい彼女の白髪は、実は白髪と

   いうのは本当なのかー!!」


雀「お嬢様、ちょっと興奮し過ぎです、、」


 と、舞台裏に隠れていた雀さんが興奮し過ぎた瑞撫さんを抑えるため外からなだめている...。


 その期待に答えるようにコツコツとローファーの音を立てながら、


 笑顔で手を振って晴華さんは舞台の前に立ち上がった。


晴華「はーいっ!!、」


晴華「皆さん、こんにちはっ♪

   橘 晴華ですっ」


熱狂的な生徒達

「晴華ちゃーーーんっ!!!、」


晴華「テレビで言った事は全部

   本当のお話です。」


晴華「実は、私も昔はあまりこの白い

   髪のことがどうしても好きに

   なれませんでした...、」


晴華「ですが、この髪を心の底から

   綺麗だって言ってくれた人が

   いた。」


晴華「白い兎みたいで、可愛いって

   その人は私に微笑んでくれた、」


晴華「その言葉があったから...。

   だから、私は今この場所にいるん

   です。決して私だけの力じゃありません」


 と、慈愛に満ちた優しい眼差しで晴華さんは大切な物を撫でるかのようにさらっ、と白く美しい綺麗な髪を撫でた後


 強い意志を感じる瞳で真っ直ぐと正面を見つめる。


晴華「色素の抜けてしまった私の髪

   でも、こんなに綺麗な白銀の髪に

   変わる事ができるから、」


晴華「誰だって、誇って良いんです。

   人に無いものを持っている事は

   けして恥ずかしい事じゃありません」


晴華「どうか自分に誇りを持って、

   どうか自分の事をもっと

   褒めてあげて下さい。」


晴華「一人でも多くの方が私の髪を

   見て、希望を持って貰えたらと

   良いな、といつも思っています。」


晴華「コンプレックスこそ、その人の

   長所になりえる事もあるんです」


晴華「だからどうか自信を持って下さい」


晴華「その自信こそがあなたにいつか

   必ず【輝き】をくれるから。」


晴華「私は、いつも頑張ってるあなたが

   好き...!!毎日楽しく、私と一緒に

   生きて生きましょうーっ!!」


朝乃「キャァァーーー///!!晴華様っーーー///!!」


朝乃「今、私の事好き、って///!!!!、、」


奈実樹「良かったなぁ、」


樹理「まぁ...確かに子供みたいには

   しゃいでるのは可愛いと思うけど...。ナミは私のだからね!!!」


 と、立ち上がりながら熱狂的なファンのように


 舞台に立ってる晴華さんに向かって凄い本格的なカメラを連写してる朝乃先輩


 しゃがんだり、立ったりしながらさっきから何枚も撮ってる...。


美紗(それにしてもアイドルの

   コンサートいるみたいな熱気、)


美紗(店番ほっておいて来てる人いる

   し...、いいのか、、)


朝乃「はぁ...///、尊過ぎか...??」


朝乃「こんなち、近くで///!!晴華ちゃん

   の写真撮れるなんて、、はぁ

   はぁ///、、」


美紗(此処だけ聞いてると完全にストーカー)


朝乃「私これだけで、100回くらい生き返られそう///!!」


パシャパシャ※SE


美紗「朝乃先輩...ちょっと、怖いね...。人が変わったみたいで...」


柚夏「まぁ...、それが先輩の生き甲斐というの

   なら仕方ないんじゃないかなぁ...」


※スライド


朝乃「ごめん...///...さっきのは皆、

お願い忘れて...///」


美紗「すみません...ちょっと、忘れる

   自信ないです...。」


樹理「あぁ...、やっぱり、緊張するよ

   ぉぉ...、、」


奈実樹「落ち着いていけば大丈夫や」


美紗(次は樹理先輩の番か)


美紗「頑張って下さい!!先輩っ!!」


樹理「う、うん...。私行ってくるね...」


 と、凄い緊張した様子で舞台に上がっていく樹理先輩...。先輩、大丈夫かな...?


瑞撫「まるでアリスの国からやってきた

   美しいスウェーデンと日本の奇跡

   のハーフ!!」


瑞撫「そして、我らがマスコット調理部

   部長の生徒会副会長!!樹理

   ちゃん先輩です!!!」


 樹理先輩は微笑みながら、堂々とした姿勢で舞台の前に立つ。


樹理「始め方の方は始めまして、私は

   樹理・シェリー・ルシェルです。」


樹理「調理部の方で会った方はいつも

   お世話になっています、皆さんの

   応援があったお陰で今私は此処に

   います」


樹理「私の事を知らないという方は、

   少しでも興味を持って頂けた

   なら」


瑞撫「調理部で売り子をさせて頂いて

   いますので是非いらして下さい

   ね♪」


美紗「え?緊張...?」


 さっきまで緊張していたようには思えない樹理先輩の堂々とした優しい佇まいに、


 良い意味でギャップがあった。


奈実樹「...あの子、あぁ言うて本番にはもの凄ぉ

    強いんよ。普通の人よりよっぽど

    喋るの上手やな」


奈実樹「うちより上手いんちゃうか?」


 と、お茶に手を伸ばしながらリラックスしてお菓子を食べてる奈実樹さん。


美紗「奈実樹さんは樹理さんを凄く、

   信頼してるんですね」


奈実樹「...んーそうやなぁ。信頼とかそういう

    のやのうて、...やっぱなんやかんや

いって、樹理とは付き合い長いし

    なぁ」


柚夏「あ、えっと...。その、次頑張ってくださ

   い」


 と、隣にいた柚夏が湾さんに話かけてる。ゆずかーさんは誰にでも優しいからなぁ


真菰「...すみません、私そういう趣味ないの

  で困ります...」


 ばっさりと湾さんに断られてるゆずかーさん。


美紗「ドンマイだよ、ゆずかーさんb」


柚夏「...流雨、私ってそんなに見境ない

   ナンパ野郎に見える?」


流雨「一般的には...そう見えなく

   ない...、けど...私は違うって

   知ってる...」


柚夏「ああっぁああぁぁあ」


美紗「トドメ刺されちゃったねぇ...」


※キャプション


美紗「ドンマイ、柚夏。私はゆずかーさん

   の味方だよ」


柚夏「ただ頑張ってねって声を掛けただけなのに、なんで私は

   恋人と親友に慰められてるんだろう...」


瑞撫「では、登場して頂ましょう!!」


瑞撫「突如として精霊の世界から現れた

   ニューエース!!、」


瑞撫「美しい青髪のエルフだーーー!!

   因みに学年は本人たっての強い

   希望で非公開でぇすっ!!!!」


真菰「....、」


 菰さんが舞台に出ると皆、騒がしかった会場が一気に静かになる...。


 海のように深く美しい青髪をしたエルフが完全に何かを諦めた様子で上目遣いに眼(まなこ)を開くと、


 まるで2つの夕焼けが差し込んだような瞳が姿を現す。


 そんな幻想的なエルフの姿に見とれている人が沢山いた。


 やっぱり、無理ぃぃ////、、、、とエルフの姿をした少女が自信なさげに真っ赤になりながら俯くと、


 彼女の人間らしい立ち振る舞いを目にした人々は


 動き出した時を思いだしたかのように会場がざわざわとざわいた。


可愛い、、


??「....ノーコメントじゃ、...

   駄目...、、です...か...?、、」


??「わ...私...じ、実は...あがり症で...」


??「こんな、大勢の前とかほんと

  無理ぃぃ.../////、、」


瑞撫「はーい、そんな可愛い声でおねだりして

   も駄目です~♥️♥️」


瑞撫「惜しいわ~、本当に惜しいわ~。

   貴女が年下なら私も頑張

   ったのだけれどねぇー...」


 舞台の真横にいる私達からでも、沢山の人が湾さんの姿に見とれているのがわかる...。いや...。あれは反則でしょ...、


美紗「年上?って事はあの人先輩?」


柚夏「さぁ...でも、あんな可愛い子

   居たら結構目立つと思うけど

   なぁ...。」


柚夏「カラーコンタクトとか、多分

   髪を染めて印象変えてるんだろう

   けど...」


晴華「...朝乃ちゃん、」


朝乃「...はい。...さっきの人、髪は微か

   に濡れてますけど...」


朝乃「あれは、地毛ですね。」


晴華「だよね、私もそう思って

   たんだー♥️」


朝乃「というか、染めるだけであんな風

   になれたらどこのメーカーか捜しあててでもこの犬

   みたいな髪に使ってるわよっ!!」


晴華「えっ...でも朝乃ちゃんの髪、ワンちゃん

   みたいで私は凄く可愛いと思うんだけど

   なー...」


朝乃「...くぅ、...ぅん、ん”ん”ー...!!」


美紗(...朝乃先輩がコンプレックスと橘さんの   

   意見とで葛藤してる。頑張れ朝乃先輩!!)


美紗「...でも、凄いね。...あの人、

   皆あの人に見とれちゃってるもん」


柚夏「私もあれは確かに凄いと思うけど...。

   染めてなかったのか...。...先輩、彼女の

   事知ってます?」


朝乃「ううん、二年生の人であんな人いな

   かったと思うけど...」


樹理「私も知らないよ、あんな可愛い子なら

   ナミを取られないように真っ先に私

   友達になっちゃうし」


奈実樹「樹理はほんま、回りくどいよなぁ...」


樹理「え?じゃぁ、何年生の子なんだろう?」


柚夏「ちょっ、恐いこと言わないで下さい

   よ...!!前小栗先輩一緒に歩いてるの見た

   ことあるので」


柚夏「二年生の人だと思っていたの

  ですが...」


奈実樹「小栗はんの友達なぁ...」


奈実樹「でも、うちもあんな子知らんよ?

    後輩の友達だったって可能性も

    あるやろうし...」


柚夏「あっ!!そうですよ!!あとで直接本人

   に聞けばいいんです!!そうしましょ

   う!!」


※キャプション


瑞撫「では、お決まりになられました方々から

   1票ずつ箱に入れて下さいませ

   ー!!」


柚夏「逃げられた...。」


美紗「真菰さん結局、戻って来なかったね...」


柚夏「恐怖だけ残して去っていくなんて...

はぁぁぁ...」


瑞撫「はぁー、全部終わったわね。雀ちゃん」


雀「まだ集計が残ってますよ」


瑞撫「皆さん、お疲れ様ですわ。1時間で

   集計が終わりますから、その間はご自

   由になさってくださいまし」


 投票を入れる人を書いた紙を瑞撫さんが持ってきた箱に出演者じゃない人達は入れる。


 私のは勿論雪音の名前を書いた票だ。


柚夏「あのー...あの人はいいんですか?居ない

   みたいですけど...」


瑞撫「そうねぇ...?時間どおりに戻って頂けれ

ば...?」


瑞撫「別に今必要な訳ではございません

ですし、ねぇ...?捜すのもわりと面倒

ですもの」



瑞撫「雀ちゃんと隠れん坊なら全力で

   追い回すけど///!!見付けたら、雀ちゃんget

   ー!!それだけでやる価値があるわね...

   !!はぁはぁ///!!」


 興奮した様子で雀さんにぎゅーっと抱き付く瑞撫さん。


 頬ずりまでしてる...雀さんはその様子に呆れながらも少し嬉しそうだった。


柚夏「...はぁ、」


雀「お嬢様とは一緒に仕事しますので、安心

  してください。それと私じゃなかったら、

  逃げてますよ...」


雀「というか、逃げて良いですか?」


と満面の笑顔で言う雀さん。


瑞撫「だぁめ、よ♡」


と同じく満面の笑顔で答える瑞撫さん。


瑞撫「まぁ...、そうねぇ...?」


瑞撫「照れ屋なお方みたいでしたし、恥ずかし

   くてどこかで隠れんぼしているのかも

   しれませんわね。お暇があったら捜して

   みてはどうかしら?」


瑞撫「本妻がいるのに浮気ばっかして

   いたら雀ちゃんも流石に愛想尽かしちゃうので」


瑞撫「此処でお菓子を食べるもよし、外で店を

   回るのも良し。皆様も22時までには

   戻って頂ければナニをして頂いても結構

   ですわよ♥️」


美紗「...瑞撫さんはそういうことば

   っか言うんですから...///」


柚夏「んー、じゃぁ...。捜してこようかな...」


美紗(ゆずかーさん、あれ?...まさかの

   スルー?)


 柚夏なら何言ってるんですか!?とか言いそうなのに...、


 まぁ、柚夏お化け苦手みたいだし目を見るに下ネタでさえ考える余裕ないほど

怖がってる...って訳でもなさそう...?


瑞撫「ですが先生方には見つからないように

   気を付けて。生徒なら見せ付けても権力

   はありませんし、ねー」


柚夏「....?」


 柚夏の側によって、私は小さな声で話し掛ける...。


美紗「...もしかして、ゆずかーさんナニの

   意味知らない...?」


柚夏「ん...?あー、確かにイントネーションが

何か変だなって思ったけど」


柚夏「あぁ...そういう奴か。携帯ない

   からさ、そういう最近の流行り

   みたいなのはあまり知らなくて...」


美紗「私からはちょっと教えられない

   けど...、他の人に聞いたら絶対駄目だよ?」


美紗「聞いたら多分、柚夏の人生終わる」


柚夏「...そんなに危ない言葉なの?」


美紗「うん...。危ない(社会的に)」


柚夏「国家、機密の漏洩情報とか...?」


美紗(...面白そうだからこのまま黙っと

   こうかな)


美紗「ごめん、私からは...どうしても、

   言えない...」


柚夏「よくわからないけど...、なにか怖いから

   私さっきの人捜してくるよ...」


美紗「いってらっしゃーい」


雪音「私も聞き慣れない言葉なので、お教え

   して頂いても良いですか?」


美紗「...は?」


晴華「あははー、美紗ちゃんゆっきーに教えて

   あげないとだねー♥️」


美紗「えぇぇぇぇ/////!?ま、まだ雪音にそう

   いうのは私早いんじゃないかなー?っ

   て思うから、そのっ...///」


 雪音の黄金のような瞳が、私を真っ直ぐに見つめてる...///なんなの...///

この、公開処刑...///


美紗「...../////」


美紗「...私の口からは、その...///」


雪音「...教えて頂けないのですか?」


→A「恥ずかしいけど、頑張って教える」

→B「恥ずかしくて無理///!!」



→A「恥ずかしいけど、教える」


美紗「その...、え、え...えっ///」


雪音「...え?」


→「頑張る」


美紗「...えっち...な事...、です...///」


雪音「なるほど...。ナニとは性交の事なのです

   ね。...どのような場合に使う言葉です

   か?」


美紗「えぇっと...、...その...///...恥ずかしいので

   ...もう、勘弁してください...///」





→B「恥ずかしくて無理///!!」


美紗(好きな人の前でえっちな事ですって

   言える訳ないじゃぁぁぁあん...っ///)


雀「生徒会の書記が仮にもそういうことを

  言うのはどうかと...」


樹理「えっ、もしかして...瑞撫さんと雀ちゃ

   ん...///?」


雀「彼女とはしてませんし、それに

  多分しません...///、、」


瑞撫「私はもう雀ちゃんを無意識のうちに

   頂いちゃっていたのね...♥️」


瑞撫「好きすぎて、あぁ、雀ちゃん...///!!

   そんな事までさせてくれるなんて♥️」


雀「なんでお嬢様まで乗ってるんです

か///!!変な幻覚みてないで行きます

  よっ///!!...もぉ///」


瑞撫「まぁ、私はフォーマルな付き合い

   の方が好きだからそういうのは

   雀ちゃんにはしないわ」


雪音「なるほど...、性交渉の事でしたか」


美紗「雪音さん///?!」



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