秘めたる恋心(ひめこい)~あなたと私の不思議な夢物語~

百合猫嬢

ひめこい序章

第1話「運命の出逢いはいつも突然で、」


 まず、初めに...


 この小説は筆者が5~6年前くらいに百合ゲー作りたいという衝動に駆られ、仕事をしながら書き進めている百合ゲーになる予定のシナリオにあたります。


 ですので、


1.筆者は一応人間なので

 誤字は必ず出ます。


2.「」の後に。があったりしますが

  心理描写で敢えて書かせて

  頂いています。


3.百合ゲームのシナリオだと

 思ってご覧ください。


→※選択肢も出てきたりします


4.シナリオ、かなり長いです。


(11話で序章完結→本編開始)


→長編物として気長にお付き合い下さい


 こちらを踏まえた上で、お読みくださいますようお願い致します。


 因みに、作中の途中でスライドや

キャプションといった文字が出てくる

と思いますが


 スライド(短い時間が経った暗転)

キャプション(後日など長い暗転)


となっています。


女性目線から書いたリアル日常系百合作品です。


→良い作品だと思ったら♥️、☆

 コメント等 お願い致します。

 今後の筆者の活力になります。


     <プロローグ>


 ...あれは、行く春が惜しまれる季節のことだった。友達とのお昼ご飯の約束の前、


 小さな茂みのその先に...


 ピンクとも紫ともいえる、透き通る

ような綺麗な髪をした女の子が白い

ベンチの上で目を瞑ってた。

 

 白いマフラーに包まれたその姿は


 まるで、おとぎ話に出てくるような

お姫様みたいで


 気が付けば、彼女に心を奪われた私がそこにいた。 


 あの日、見た光景が忘れられなくて...


白いキャンバス、自然に手が動いていく。そんな、彼女と私の物語...。


※黒画面


「魚が空を泳いでてね!!そこには

 色んな動物さんが暮らしているの

 っ…!!」


 小さな頃は見るもの全てが何もかも新鮮で、物には1つ1つに心が宿っていて...。


 とにかく、手当たり次第に色んな

ストーリーを思い描いた。


「雲は綿あめ。食べてみると

 すっごく甘くて、美味しすぎて

 皆笑顔になるの!!」


「あと、それと、お星様は金平糖!!沢山空にあるから皆で仲良く分けたら戦争も無くなるんだ!!」


...なーんて、本気で思っていた時期もあった訳だけれど。


「そんなことあるわけないよね...、」


 いつもの友達と一緒にご飯を食べる約束、この高校生活にも大分慣れてはきたけど...。


 「はぁ...、」


 「大人」になるためだけに私達は決められた日々を、道を、時間を...


ただ、ただ、進んでいくのかな。


美紗「高校生活は勉強ばかりで

   つまーんないー...。」

 

 私の身体は、まるで芝生の上に吸い込まれるかのように倒れる。


 ...少しだけ、チクチクとした感触

が心地いい、


美紗「小さい頃はもっと、こう...。

   なんていうかね?どんな事でも

   ピカピカで新鮮に思えたの

   に...」


美紗「なんでこう、大人に近づくと...

   何もかも変わってっちゃうん

   だろ」


 遠ざかった地上から、空を掴むように手を真っ直ぐ、伸ばす。


美紗(こんな事をしても、空に手が

   届かないのは分かってる

   けど、)


 ただ、...そうしたかったから。


美紗「小さな頃は何もかもが新鮮に

   見えて、見た景色そのものが

   物語の世界だった、」


 それは今も変わらないんだけど...。


 私は子どもの頃からずっと物語を

絵にするのが好き。


 私の物語を、私の世界を、沢山の誰かに見て欲しい。聞いて欲しい、知って欲しい!!夢を叶える仕事に就くんだー!!


美紗「...なーんて張り切って、

   ルネミア芸術高等学校に

   入学した訳なんだけど、」


 皆高校生にもなるとさ...。


「お姫様なんてこの世にいるわけない

 じゃん」とか...


「星はゴミの塊なんだよ」とか


「戦争は決して無くならない」とか


 そんな「大人」の知識で全てが終わるようになちゃっうんだよね...。


 ...しかも同級生には「杏里さんってさ 意外に子供っぽいとこあるよね、」とまで言われる始末、


美紗「まぁ、ね...?、確かにその通り

   なんだけどね」


美紗「うう、自分が子供っぽいって

   すぐに否定できないのも...

   辛いけど...。」


美紗「...ん、なにこれ..?」


 寝そべってなければ見えなかった

だろう、小さな木の影に隠れるようにして、人一人が通れそうな本当に小さな隙間が空いてる。


美紗「...誰かが作ったのかな?」


美紗「でも、学校にこんな隙間が

   あったなんて知らなかった

   かも、」


美紗(昔は秘密基地とか作って皆と遊ん

だりしたんだっけ、布で旗とか

作ったり、帰るのが遅くなって)


美紗(それからすごい...怒られたんだ

よね...。今なら大丈夫かな?)

  

 隠れた木の視界に広がるこの先には

何があるんだろう...?一体、何が待っているのだろうっ...!!


美紗「...き、...気になる」


 子供の頃の時のような。あの、高ぶる好奇心にかられて、私は茂みに入ろうと汚れないように、上着を脱ぐ。


と同時に同級生に言われた言葉が思い浮かぶ、


「杏里さんってさ、 意外に子供っぽいよねー。」


 ...確かにっ、高校生にもなって、

茂みの先に行こう!!...だなんて思う

女子高生は少ないんだろうけど...。


美紗「...でもっ、でもっ!!

   誰も見てない...から...。

いいよね?」


 その程度の言葉なんかで、私のこの好奇心は抑さえきれる者はいなかった...!!!


美紗(...一応念のため、後ろを振り向

いてもみたけど、辺りを見回して

も誰も居ないし...!!)


美紗「誰にも迷惑掛ける訳じゃない

し...悪いことをしてる訳でもない

しっ...!!!い、良いよね...?」


がさ...、がさっ...。


 目の前の茂みを掻き分け、前へ前へと進んでいく。


美紗「...んー。あと...少し。...わっ!?」


 長い茂みを抜けると影で隠れていた私を「見つけた」とでもいうように真っ白い光が上から射した。


美紗(...眩しっ、でも...、なんだか

   すごい、わくわくするっ...。)


 茂みを抜けた瞬間、その光景に...


...私はつい、言葉を失ってしまった。


美紗(...なんて、綺麗な子

   なんだろう、)


 小さな庭園の木漏れ日を浴びる白いベンチ...。


 そのベンチにもたれ掛かり、目を閉じて眠っている一人の...お姫様がそこにいたから。


 お姫様が目を覚まさないように、

 私は、恐る恐る四つん這いで猫のように足音を消しながらお姫様に近づいた。



※一枚絵


 透き通るような紫色の髪をしたお姫様。


まるで人形のようにも見える真っ白い肌に女性の象徴とも言える長いまつ毛、


 白くて細い触ったらすぐにでも折れてしまいそうな...そう、まるでガラスの様に綺麗な腕...。


 白いベンチの上で目を瞑る女性の姿は、まるで御伽話に出てくる「白雪姫」、そのもの...、


 小さな頃から憧れていたお姫様が、...こんな近くにいる。


 なってみたいと思っていたこともあったけれど...小さい頃の私...、こっちの方が絶対お姫様だよ...。


美紗(お姫様って本当にいるんだ...。)


 ...しばらくの間、私の目はお姫様の姿を捕らえて離すことが出来なかった。


 何分経ったのかも分からない...。


 時が止まった様なそんな感覚…、不思議の国のアリスのように


 本物のお伽噺の絵本の中にいるような、感覚に心が奪われてたんだ。


??「....ん、...ぅ?」


 という彼女の透き通る声ではっと、絵本の世界から、お姫様は異物という私の存在を思い出させてくれた。


美紗「...っ、/////!!!」


...完全に見とれてた、


 彼女の鼈甲色(べっこういろ)の瞳とばっちりと目が合う

 

 さながら人形のような、光を浴びて透き通る黄金色の瞳。


美紗(って、…待って!!この状況!!

   私、完全に変な人じゃんっ

   ///!!!)


美紗「…はぁっ、はぁっ、、!!」


全力で走って逃げた。思わ...ず、


 逃げてしまった。


 体育の授業でも出せないであろう、全速力で私は近くの茂みの奥に隠れた。


 息をすることも忘れて…、


 美紗(この心臓をとにかく、落ち

    着かせなきゃっ...。)


美紗「…はっ、はぁっ…。…だ!!」


美紗「居たんだよ…!!」


…抑えることの出来ない喜びの感情が

全身から込み上げてくる。


美紗「だって、嘘なんかじゃなかった

   …!!お姫様は現実にいるんだ、

   いたんだよっ!!」


美紗「昔、昔あるところに…」


目を閉じて、物語を思い浮かべる…


 今の一瞬だけだけど、子供の頃に戻れたような…そんな気がした。


??「……」

※目を瞑っている立ち絵


 ...息も整ったので立ち上がる。


美紗「しょっ、お姫様も見られたし、

   今日も良い日だったな~っ

   と、」


 あっ、でも 教室に帰って忘れないうちにあの光景を…、ストーリーをメモしとかないとね...。


美紗「…でも、…なんか忘れてる気が

   する…。」


美紗(んー、何だっけ…。

   …ま、いっか。)


…っと、そろそろ授業が始まる時間だし、教室に戻ろうかな?と思ったその時。


親友の顔がふっ、と思い浮かんだ。


美紗「…あっ、…やっば、...柚夏に

   声掛けてなかった。」


 急いで教室に戻り、前の席で座っている親友に声を掛けてから後ろの自分の席に戻る。


美紗「今日は一緒にお昼出来なくて

  ごめんね。柚夏」


 私の声に反応して、前の席の柚夏は椅子を斜めにして後ろにもたれ掛かかってきた。


柚夏「なにしてたの?」


 彼女の名前は芽月 柚夏(めづき ゆずか)彼女とは中学生からの付き合いなんだ。そして、私の親友。


 姉御みたいな見た目だし、真面目で性格もさばさばしているけど、実は世話好きで結構面倒見も良かったりもする。


 それに見た目では全然想像がつかないと思うけど、柚夏って料理がビックリするほど美味しいんだよね。


美紗「もー、ごめんて柚夏。」


と柚夏に軽く謝り、次の授業の準備をしながら入学当初に学校から貰った水色のスケッチブックを机の中から取りだす。


 自分の趣味の話にも繋がってきちゃうんだけど、先程の夢の様な光景が消えない内に彼女の絵を早く残したかったから。


柚夏「あー、また美紗のあれな趣味?

   もう、そんな時季か...」


美紗「春に出てくる変質者みたいに

   言わないでよ、」


 描いている絵を見ながら頬杖をつく柚夏。


柚夏「…でも、さ。美紗ってストーリー

   を想像してからしか絵を描け

   ないタイプだよね?」


柚夏「けどそれって、物語とか思い

   付かない時とか大変じゃ

   ない?」


美紗「んー?別にそうでもないけど

   なぁ?見た瞬間、大抵思い

   浮かぶし…」


美紗「あ!!なんなら見てなくても

   思い浮かぶよ?」※ドヤ顔


柚夏「…なら良いんだけどね、」


美紗「でも、急にどうしたの?」


  手を動かしながらお姫様の絵の下書きを描く。


柚夏「…んー、相変わらず線歪ん

   でるね。美紗は一筆描き

   タイプなんだからさ、」


柚夏「そんなんじゃ消しゴム、すぐ

   無くなっちゃうよ。」


美紗「もー、煩いなぁ…、余計なお世話

   だよ。」


 何も言わずに遅れたせいか柚夏の当たりがいつもより強い気がする、...んー、いや...いつもこんなんかな?


柚夏「...まぁ、でも私は美紗の絵、

   嫌いじゃないけどね。感情的

   っていうか…心があってさ。」


柚夏「...そういうの、すごく美紗っぽい

   と思う。」


美紗「すごい私っぽいって…。それは

   私を皮肉ってる?それとも

   褒めてる?」


柚夏「褒めてる。褒めてる、すごい

   褒めてる、」


 と笑顔で答える柚夏。今日の柚夏はいつもよりちょっと意地悪だけど、


 何だかんだで面倒見が良くて周りからは結構頼りにされてるんだよね。


美紗「怪しいなぁー…、」


 ふと、絵を覗いていた柚夏が私の顔と絵をじっくりと交互に見ている事に気づく。


 あっ...もしかして、あのお姫様のことを柚夏は知ってたりするのかな...?


柚夏「…この絵の人って。隣のクラスの

   古池さんに似てるね、」


美紗「え!?隣のクラス!?」


柚夏「逆に今まで知らなかった方に

   驚きだよ」


柚夏「お姫様っぽい見た目だし、

   古池財閥の超お嬢様で

   有名で、すごい目立ってる

   人だから。」


柚夏「...それになんか、噂でファン

   クラブもあるくらいだって

   聞くし」


柚夏「まぁ、私達には縁も所縁も

   ないお話なんだけどさ。」


美紗「…へー、そうなんだ。初めて

   知った…」


美紗「柚夏って情報通なんだね、」


柚夏「美紗が知らなさすぎるだけ

   だと思うけどね」


美紗「ほんとね、」


柚夏「ちょっとは否定しなよ...、

   美紗のそういうとこが

   心配なんだよなぁ...。」


美紗(あの子、古池さんって言う

   んだ。顔が綺麗な人は名前も

   素敵だなぁ...///)


キーンコーンカーンコーン


※キャプション

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