①海編2【晴朝】

古池様「どうかしましたか?」


朝乃「晴華さんの事、もっと聞きたくて...。

   あっちでは沢山人が居たので...」


古池様「どういった事が気になるのですか」


A.麗夜が崖から落ちた話。※前回聞いてた場合のみ

B.晴華さんとなんでそんな仲が良いのか

※どっちも聞ける


Aの場合


朝乃「麗夜から聞きました。古池様と

   会う前に崖から滑り落ちたって...」


古池様「...そのため、彼女は高い所が苦手なの

    ですよ」


朝乃「高いところが苦手?」


朝乃「でも最初に助けようとしてた時...」


古池様「助けようとしてた時?」


朝乃「木から落ちていた雛を助け出そうと

   してたんです」


朝乃(あんな状況でも怖がってたのか...。)


古池様「そうなのですか。あの麗夜さんが...」


古池様「...忘れもしません、あれは台風の日。

    あの日はお祖母様に出張があって。

    それから帰宅してきた時の事でした」


古池様「急に怪我をしている汚れた子供を

    連れて来て、お風呂に入れるから

    待っていなさいと」


古池様「そう言って祖母が連れて来た子は

    記憶を失っており、お祖母様の手を

    握って気難しそうな顔でこちらを

    見ていた事を思い出します...。」


古池様「名前がないと不便なので、翌日に

    朝露の滴る1輪の花を見て"晴華"と

    いう名前を彼女に与えました」


古池様「それを聞いて機嫌を悪くした麗夜さん

    にも同じように名前を付けました」


古池様「晴華さんと麗夜さんは"違って"いました

    からね。」


朝乃「...晴華さんという名前は古池様が考えた

   名前だったんですね。」


古池様「そうです。そしてお祖母様は橘と

    言う名前を彼女に与えました。それ

    からというもの、晴華さんにはいいと

    言っているのに」


古池様「お屋敷のお手伝いをするようになり、

    ...彼女の笑顔が少しずつ戻りました。

    足の怪我も日に日に回復していき」


古池様「今では傷の跡がなくなるくらい回復

    していきました。怪我をしたのは

    麗夜さんでしたが...」


古池様「...彼女は私達に会う以前の記憶がなく」


古池様「麗夜はそれに対して晴華さんに怒りを

    覚えているようですね。」


朝乃「助けられた記憶があるのは麗夜だから...」


古池様「彼女にとっては知らない間に家

    に来ていて、それ以前の記憶を"思い

    出そうとしても思い出せない"そう

    です」


古池様「お祖母様に助けられた事も。何故

    崖がある山奥で彼女達が一人で

    彷徨っていたのかも。」


朝乃(晴華さんからは情報は引き出せない、

   か...。)


朝乃「...麗夜のがまだ知ってそうですよね。」


古池様「詳しい事情は彼女に聞いてみるのも

    良いかもしれませんね」


朝乃(二重人格ってだけでも大変なのに、

   そのうえ記憶喪失ともなると相当な

   苦労があっただろう)


朝乃(それだけ二人に過酷な運命があった

   っていうことなのかな...)





B.晴華さんとなんでそんな仲が良いのか


古池様「彼女と一緒に暮らしているから

    ですよ。」


朝乃「一緒に暮らしてる...??」


古池様「彼女は聞いての通り記憶喪失です

    ので、彼女の両親を探すため此方も

    頑張ってはいるのですが...」


古池様「中々成果は出ていないようです。」


古池様「不思議とその話になると椿様が口を

    閉ざしてしまって...。」


古池様

「『あの山に行くと途端に目的を忘れる』と、

 大事なことなのに忘れてしまうのです。」


朝乃「目的を忘れる...??」




美紗「さっきはありがとうございます、先輩。

   これ、お皿持ってきたので良かったら

   食べて下さい」


朝乃「あっ、美紗ちゃん」


朝乃「え?良いの?わぁ...、美味しそうな

   ウニ。家に持ち帰ってお母さんに

   あげたいな」


雪音「よければ輸送させていただきますよ。

   先ほどのマッサージとても良いものでし

   た。是非、お礼としてお送り致しま

   しょう」


朝乃「い、いえ。私は見返りとかそういう

   つもりで...、した訳では...ないので。

   ...釣銭が多すぎます」


雪音「麗夜の件もありますので。」


朝乃「それこそ晴華さんと仲良くなる口実

   というか、彼女の事も別に嫌いな

   訳ではないので...」


雪音「でしたら、貸しという形にしておきま

  しょうか。篠崎さんのお言葉もあること

   ですから」


朝乃「私が出来る事でしたら、喜んでお手伝い

   しますよ」


雪音「...私としては大変助かるので良いのです

   が、事前に何をしたらよいかなど。交渉

   の際はすべきですよ?」


雪音「晴華さんが貴女の事を心配する理由も

   分かる気がしますね...」


朝乃「心配?」


雪音「人が良すぎるのも大概ですよ。その

   ような性格は、どうしてもそれを

   利用しようとする輩が出てきます」


雪音「言葉には注意しなければ」


雪音「私の知人がそのような目に遭ってほしく

   はないのです。私が近くにいるから

   ということもありますが...」


雪音「私には貴女方のようなフラットな関係を

   結ぶ事は出来ませんから」


雪音「私では、その場には立てません。

   だからこそ、貴女には心から感謝して

   いるのですよ」


と、瞳を閉じながら上品に海栗を食べている雪古池様。...流石お嬢様、海栗にも上品さを忘れる事はない。


雪音「美紗さんもお疲れ様です。流石はお母様

   にお出しするために養殖されている魚介

   類達ですね。とてもなめらかで、

   身もたっぷりと詰まっています」


雪音「美紗さんは、また海へ?」


美紗「うん、次はサザエをとってくるね」


雪音「流されてしまわれないように注意して

   下さいね。また、余った網は杭で刺し

   て海水に付けておくと鮮度が落ちません

   よ」


美紗「ありがと雪音、あ、あと。スマホは此処

   においておくね。先輩達に見てもらうの

   何か申し訳ないから...、」


朝乃「確かに奈実姉ぇは怒らせると怖いけど、

   世話好きだからそんなに気を使わなくて

   も良いと思うけどね」


※スライド 


朝乃「疲れたし、ちょっと寝ようかしら...」


朝乃(...なんか良い匂いがする。)


朝乃「向こうに行ってくるわ」


奈実樹「うちも行くか、朝ちゃん寝起きやし」


朝乃「別にそんな寝てないわよ」


美紗「やった。柚夏の料理だっ!!!」


朝乃「そんなに、芽月さんの料理って

   美味しいの?」


美紗「めっっっちゃ!!、美味しいです...!!」


朝乃「そんな美味しいんだ...」


確かに良い匂いがするがするし...。


樹理「味覚がクレイジってる朝乃さんには

   多分、味なんて分かんないと思う

   けど...」


 と、美紗ちゃんと海に行ってきたのか濡れている樹理さんがすかさず奈実ぇと私の間に入る。


朝乃「クレイジってる...新しいですね、

   チャットで意外と流行りそうかも!!」


樹理「味覚障害を治す努力!!ちょっとは

   ナミの事も考えて!!」


美紗「樹理先輩と朝乃先輩は本当に仲良しさん

   なんですね!」


朝乃(仲良しか??)


樹理「どこがかな!?」


朝乃「でも、そんなにハードルを上げられる

   芽月さんの料理も楽しみだよ」


美紗「...味は私が保証しますっ!!」


朝乃「あはは、大きく出たね」


美紗「本当に美味しいですから!!」


樹理「でも、狛さんが言ってた火を起こし

   てくれる人って、美紗ちゃんのフレンド

   さんの事だったんだね」


美紗「あっ、でも火が炊けたって事は...

   サザエとか牡蠣も焼けますよ!」


樹理「丁度帰ってきたところだし、ベスト

   タイミングだね!!美紗ちゃん!!

   私達も貝を焼きに行こ?」


※スライド


朝乃「うわー、美味しい...。なにこれ」


朝乃「磯の香りと相まって海みたいね。」


柚夏「海なんですよ」


朝乃「はぁ〜、寝て食べてこんな物が食べら

   れるなんて最高ね。それだけで付いて

   きた甲斐があったってものよ」


朝乃「海の料理は味が濃くて良いわねー♡」


奈実樹「うちらも柚夏はんの味噌汁に感化

    されて作ったで。」


朝乃「焼肉とかあるかしら」


朝乃「さっきから良い匂い。」


朝乃「焼いた野菜も美味しいわよね。」


ジュウウゥゥ...


樹理「こっちも焼きあがったのから皆自由

   に取って食べてねー」


美紗「わぁ...、大きいソーセージ...!!」 


奈実樹「ふふ、丁度、焼き上がったとこさかい

    出来立てやよ」


朝乃(晴華さんと食べれたらもっと

   美味しかったんだろうなぁ...。)


晴華「朝乃ちゃん、あーん♡」


晴華「どう?美味しい?」


朝乃(もう、その絵柄がとても美味しい

   です...///)




朝乃(私はさっき寝たから良いけど、

   他の子は満腹になって寝てるわね...。)


古池様「…では、皆さん。そろそろ海を

    楽しみましょうか」


柚夏「美紗が寝たらって…」


古池様「たまたまですよ。...海と申しますと、

    いつもゆったりしていましたから」


古池様「そのような事にあまり慣れて

    いないのです。」


奈実樹「私も、若い子みたいにはなぁ…」


柚夏「…本当に高校生ですか…。」


朝乃「はぁぁ…。晴華さん…」


朝乃(海ではしゃぐ晴華ちゃん、見たかった

   なぁ...)


雨宮「さて…海と言ったら...ビーチバレーが

   王道だけど、」


 そんな事お構いなしとでも言うように、いつの間に持っていたビーチボールを片手にを開く雨宮さん。


雨宮「ビーチバレーをしようじゃないか!!

   勿論小栗君も強制参加で。小栗君も

   居るから3Pでね」


小栗「…まぁ、私は良いけれど」


柚夏「先輩も乗っかるんですか?」


小栗「だって、面白そうじゃない」


朝乃(海でビーチバレーか、青春だなぁ...。

   私に親友とか恋人がいれば)


雨宮「他の彼女達の分のくじもあるから、

良い運動だと思って僕に付き合って

くれないかい?」


古池様「そうですね...皆様もご参加なさい

    ますか?」


奈実樹「構いまへんよ、古池嬢がご参加

    なさるのなら私も参加します」


奈実樹「朝ちゃんも」


朝乃「まぁ、良いけど...」


雨宮

「折角だから罰ゲームを用意しよう。

 そっちの方がきっと面白いだろう

 からね?」


古池様「なる程、確かにそちらの方が

     盛り上がるとは思われますが...

一体どのような物に?」


雨宮「恋人の秘密を教えるのはどうかな?

柚夏君ならではの美紗君の秘密だって

知っているだろう?」


朝乃(晴華さんの秘密かー、)


古池さん「なる程、...よくお考えになられ

     ましたね。中々面白いご提案です」


朝乃「私、彼女の秘密知らないんだけど」


雨宮「確かにそう言われるとそうだね。

   僕も君より彼女の事を知ってるとは

   思えないし...」


古池様「それでは私が晴華さんの秘密を

    教えましょう」


朝乃(晴華さんの秘密は幾らあっても

   足りないからね!!!)


奈実樹「小栗はんの方はうちから」


小栗「何の秘密かは分からないけど、

   なんで知ってるのよ...。」


※キャプション


柚夏「…小栗先輩のクジ、わざと敵に回

   しましたよね?」


雨宮「当然だろう?」


 仲が悪い2人は意外にも味方チームで私もこっちのチームなんだけど、二人でいがみ合ってるような状況だった...。


雨宮

「…僕は彼女には全力でサーブを打つよ。

 波打つ小栗君の胸のためにね!!(ボソッ」


柚夏「…させないっ!!」


 投げ帰ってきたボールを雨宮先輩に取らせないように、スライディングで相手側のコートに投げ入れる。


 飛んできたボールをポンッと小栗先輩は古池さんのボールを受けて、最後に奈実樹さんがレシーブを決めた。


朝乃(まぁ、良いんだけど...私の番回って

   こないなー...)


雨宮

「ちっ!!僕にボールをパスしないか!!

 君はビーチボールのルールを知らない

 のかい!?」


雨宮「ビーチボールといえば揺れる胸を

     鑑賞するゲームじゃないか...」


柚夏「生憎、そんな性的なルールは存じ上げて

   いませんからっ!!」


雨宮「くっ...、味方こそ最大の敵だった

     という訳だったのか...!?」


雨宮「味方なら頑張れよ!!」


柚夏「さっきから先輩の目論見を阻止する

   ためにめっちゃ頑張ってます」


雨宮「というか少しは彼女に渡したらどうだ」


 雨宮先輩はボールを取ることが出来ずに、ビーチボールは砂の上に落ちていった。


朝乃(落ちたボールGET、)


小栗「二人とも喧嘩しないで、ちゃんと

   やって頂戴ー!!」


と、向こうから小栗さんの声が聞こえる。その瞬間私はハッとビーチバレーをしていた事を思い出した。


柚夏「私は何と戦っているんですか...?」


朝乃(虚無かなぁ。)


雨宮「そんなの僕が知るわけないだろう?」


雨宮「というか、相手コートは向こう側

   なんだけど君は分かってるかい?

   白内障が進行しているなら、」


雨宮「眼科に行くことをお勧めするよ?」


柚夏「あ、敵ってこっちじゃなかったん

   ですね。すみません間違えてました」


雨宮

「やっぱり、最後まで信じられるのは

 己自身だけという事だね。いいよ、

 掛かってくるといい...」


雨宮「けど、3回目のアタックは譲らせ

     はしないよ?」


 相手側にレシーブを打つ、雨宮さんと柚夏さんの戦いが今まさに始まろうとしていた。


小栗「…うーん。なんで狛達お互いに

   ボールを取り合ってるのかしら」


雪音「…とても仲が良さそうですね」


※スライド


朝乃「私どうしようかしら、小栗さんの事も

   美紗ちゃんの事も深く知ってる訳

   じゃないし...」


奈実樹「じゃぁ樹理やな。」


朝乃「奈実姉ぇの方が一緒に居て詳しいじゃ

   ない」


奈実樹「そういうのやなくてな、」


奈実樹「樹理の事どう思っとるか聞かせてや」


朝乃「...別に何も思ってないわよ。」


奈実樹「うちと樹理は相応しいと思うか?」


朝乃「別に綺麗だし相応しいと思うけど」


奈実樹「朝ちゃんから樹理の話聞いたこと

    なかったからな。」


朝乃「いつも威嚇されるけど奈実姉ぇの事

   気にかけてるしそのアクセサリー、

   ...女子力も高いから別に心配はして

   無いわよ」


奈実樹「その話樹理にも聞かせてやりたい

    な。」


朝乃「別に楽しくないと思うけど...」


※キャプション


雨宮「海と言ったら、やっぱり

   締(し)めはこれじゃないかい?」


 とスイカをビニールシートの上に敷いて、雨宮さんは楽しそうに笑っている。


朝乃(スイカ割り。さっきより楽しそう

   かも、)


小栗「スイカもそんなに食べられないわよ?」


雨宮「勿論、分かってるさ。だから

   小さなスイカを2つしか用意して

   いないじゃないか」


 小柄なスイカをシートの上にセットする雨宮さん。色が薄いスイカと濃いスイカの2つだ。


雨宮「柚夏君と海での最後の勝負が

   したくてね、古池君に頼んだんだよ」


柚夏「...なんで色が違うんですか?」


雨宮先輩「黄色いスイカと、赤いスイカ

     別々を味わいたいくはないかい?」


柚夏「なるほど...中身が違うんですね、変な

   ものとか仕掛けてたりしない

   ですよね...?」


雨宮先輩「そう思うのなら君がどっちを

     選ぶか決めて良いよ?」


柚夏「え?良いんですか?」


柚夏(そうだなぁ...)


柚夏「でしたら...」


朝乃「喉渇いてるから丁度良いわね...。

   ふわぁぁ...奈実姉ぇ、私ジュースが

   飲みたいわ...」


柚夏「朝乃先輩」


朝乃「ん??」


※スライド


 柚夏さんは目隠しをした状態で、グルグルと木刀を使って10回転する。フラフラとふらつきながら私の指示を待つ柚夏さん。


朝乃「右...、もう少し右ね」


朝乃「行き過ぎてるわ、半歩左よ」


柚夏「どの辺ですか...?」


朝乃(目隠しした人に指示を出すのって結構

   難しいわね。)


朝乃「そこよっ!!」


ボコッ、、


っと...思いっきり木刀を振りかざす柚夏さん。


奈実樹「タイムは2分30秒やね」


柚夏「少し時間掛かっちゃいましたね...」


朝乃「目隠しした人に指示出すのって意外に

   難しいのね。割った方をやってみた

   かったけど」


朝乃「柚夏さんの腕力だからこんなに割れた

   のかしら」


奈実樹「朝ちゃんだったら絶対割れてへん

    よな」


※スライド


朝乃「それにしても綺麗な空ねー」


朝乃「綺麗な海とあってる。」


奈実樹「ほんとにそれにつきるな。

    こんな所を満喫させてもろうた

    古池嬢には感謝やなー」


柚夏「勝負には負けたけど、良い思い出には

   なりました。」


奈実樹「でも、割れ方は綺麗やで」


奈実樹「そのまま食べても美味しそうや」


と、奈実姉ぇは大きな所は包丁で切って残りの破片は濾していく。


朝乃(手際良いなぁ...)


奈実樹「これでスイカジュースが作れるな。」


奈実樹「このまま濾して、ゼリーとかに

    するのもありやな。出来るのは帰る

    頃になりそうやけど」


柚夏「へー、そうやって作るんですか」


柚夏「スイカも美味しいですし。良いですね」


奈実樹「はい、これ朝ちゃんの分な」


朝乃「良いの??」


樹理さん「ナミぃぃぃ...」


樹理さん

「起こしてくれても良いじゃんナミぃぃ...。

 それより、何で朝乃さんのが先にジュース

 飲んでるの?」


奈実樹「樹理 寝とったやん」 


朝乃「えーと...何か私が怒らせるような事

   したならすみません。樹理さん...」


樹理さん「...ルシェルさんっ!!」


朝乃「けど、前奈実姉ぇが樹理さん呼び

   じゃないとルシェルさん拗ねるって...」


樹理さん

「私は貴女からはそう呼ばれたくないのっ!!

 I know her than you!!(私のが彼女の事知ってる

 の!!)」


奈実樹「...樹理が朝ちゃんに先にジュースを

    飲ませたのに嫉妬しとるだけやで」


奈実樹「私が先やて子供かいな」


朝乃「そう、私と奈実姉ぇが仲良くしてるのが

   樹理さんは気に入らないのね...。まるで

   昼ドラみたいだわ」


樹理「...ギュー、アアアッ!!」


朝乃「...えっ、...何!?」 


朝乃(私より犬みたい)


奈実姉「あーそれな、狐の威嚇する時の声

    やで。樹理が怒ってる時に時々

    その音出る」


朝乃「狐...」


朝乃「...つまり、犬科の狐に嫌われるって事

   は、私は犬ではないと言う事よね

   っ!?」


奈実樹「同族嫌悪って言葉もあるんやで」


奈実樹「ところで、芽月さんどないしたん?」


柚夏「...あ、いえ。スイカジュースが凄く

   美味しかったので、レシピ良かったら

   お聞きしたいなぁと思いまして」


樹理「ねぇナミ、このスイカジュース、

   ゼラチンで固めても美味しそう」


奈実樹「けど、もうそろそろ帰る時間なんや

    ない?」


樹理「あー...そっか...今度また作ろ?」


奈実樹「そうやね。それと朝ちゃんとの

    会話は終わったんか?」


樹理「晴華ちゃんの事が好きなのは分かった

   けどやっぱりナミといるのは気に入ら

   ない。」


奈実樹「もうちょっと仲良くなってくれると

    えぇんやけどな」


美紗「ねー、柚夏ー!!最後に海入ろー」


樹理「ねぇ、ナミ。行こ?」


奈実樹「そうやね。...最後やし、行こか」


※キャプション


朝乃(こ、これは...!!、、晴華ちゃんが愛用

   しているという噂のなつめシャンプー!!!)


朝乃(これが...、晴華さんの匂いがする////。

   うわっ、すごい。晴華さんだ!!!!、、)


朝乃(もっとこの匂いを堪能したい...!!!♡)


朝乃「あぁっ!!美紗ちゃん...!!

   生乾きな美紗ちゃんだわっ...!!」


朝乃「美紗ちゃん、今からドライヤー掛けよう

   としてる?だったら私にさせてもらえな

   いかしら?」


美紗「え、良いんですか...?」


朝乃「どうぞ、どうぞ!さっ、さっ...!!

早くしましょう?」


美紗「...あ、朝乃...、先輩...?」


朝乃「...くんくん」


美紗「えーと...、先輩何を...」


朝乃「んー、...この話をすると止まらなく

なっちゃうけど良いかしら///?」


美紗「何も聞かない方が多分、怖いので...」


朝乃「此処で使われているシャンプーが

   プレミアの高級シャンプーで、

   超レア物で限定販売しかされてない

   シャンプーなのよっ!!」


美紗「...シャン、...プー?」


朝乃「晴華様がモデル雑誌でちょこっとだけ

   喋ってたんだけど!!」


朝乃「幻のシャンプーとして、都市伝説に

   なってたの!!まさか、こんな処で御目

   にかかれるなんて...!!どうにかして

   古池様と交渉できないかしら...、でも」


朝乃「牡蠣を送って貰って、追加でこんな事

   頼みづらいわね、いや、でも...あ

   ぁ!!!どうしても、欲しい!!

   はぁん...///♡晴華様の香り...///」


美紗「確かにこのシャンプー、とっても

   良い匂いすると思ってたんですよね、」


朝乃「そうなのよ!!やっぱり分かっちゃうわ

   よね?で、このシャンプーには...」


※スライド


朝乃「それで、晴華様は毎日シャンプーの

   匂いが違うのよね///。その中で一番頻度

   が高い匂いがまさしくあのシャンプー

   なのよ///!!」


美紗「へぇ、...そうなんですね」


朝乃「美紗ちゃん?」


美紗「あ、すみません...、ちょっ

   と...!!忘れ物しちゃって、

   すぐに戻ってきます!!」


奈実樹「逃げられたな。」


朝乃「奈実姉ぇ。仕方ないじゃない、あんな

   シャンプー見せられたらこっちも

   眩んじゃうわよ」


朝乃「自分から晴華ちゃんの匂いが漂ってる

   って思ったら興奮するのも無理ないわ!!」


奈実樹「それはそうなってる人が言う台詞

    じゃないんよ」


朝乃「奈実姉ぇも良い匂い、」


樹理さん「それ以上近付かないでっ!!」


奈実樹「来ましたよ。ギャンギャンが」


朝乃「ギャンギャンって」


奈実樹「朝乃ちゃんは晴華ちゃんのシャンプ

    ーで発情しとるだけやで」


樹理さん「私が何かしてる間にナミと従姉妹

     百合するのはズルいって言ってるの

     !!なんで私の目の前でするの」


奈実樹「隠れてしてたらそれこそ怒るやろ」


樹理さん「怒るよ」


奈実樹「怒るんかい。実質朝ちゃん選択肢

    ないやん」


※キャプション


美紗「...お待たせ、しましたっ!!」


朝乃「...あ、美紗ちゃん。おかえり、

   忘れ物は見付かったのかしら?」


美紗「はい...!!あ、でも...ごめんなさい、

   皆さん待ってもらちゃって...」


朝乃「いいえ、実際そんなに待ってないわ。

   帰る前に忘れ物に気付けて本当に

   良かったわね、美紗ちゃん」


樹理さん「勿論っ、私も全然気にしてないよ?

     朝乃さんが美紗ちゃんを苛めたら

     私が絶対許さないんだからね!!」


朝乃「ただ髪を乾かしてあげただけよ...。」


奈実樹「朝ちゃんはそんな事しいへんし、

    それに、そないなずっとじゃれとって

    電車に乗り遅れてもうち、知らへん

    よ?」


奈実樹「たまにはこういう事も必要なんかな」


樹理「あ、...置いてかないでナミー!!」


美紗「朝乃先輩も大変ですね...」


朝乃「大変なのは両者の関係じゃない?」


朝乃(そんな事より美紗ちゃんのシャンプー

   良い匂い...♡、)


朝乃「それでね、さっきのシャンプーの匂い

   が凄く良いじゃない?実はそれには秘訣

   があるのよね...///」


美紗「そ、そうなんですか...」


朝乃「えっと...興味なかった、かな...?

   一人だけ楽しんじゃってごめんね?」


美紗「いいえ!!そんな事ないです!!私は

   先輩の楽しそうにお話してるとこ

   大好きです、シャンプーのお話も」


美紗「気になりますし...、先輩と話してると

   癒されるなーって...思ったんです」


朝乃「そ、そうなの...///?最近、あまり

   褒められてなかったから嬉しいわ...///」


美紗「....いえ、わりと本気で癒やし系

   ですよね。先輩って...」


※スライド


樹理「な、ナミ...ごめんなさい。言い過ぎた

   から...その、...お話して下さい...」


樹理「...ナミとお話出来ないの、

  ...辛い、...です」


奈実樹「...ふぅ、...まぁ反省しとるんなら

    えぇけどね。...謝るんならうちや

    なくて朝ちゃんちゃうん?」


樹理「...ごめんなさい。」


 奈実姉ぇは自分の事はあんまり怒らないけど他人の事に対しては結構怒る。今日だって樹理さんに苛められてる私を助けてくれたし


朝乃(やっぱり頼りになるなぁ...。)


朝乃「えっ、あ...私は気にしてなかったんで

   全然、あっ、はい...」


朝乃(普通にお姉さんしてくれるとありがたい

   んだけど...)


美紗「良かったですね、先輩」


朝乃「いや...、本当に気にしてなかった

    のよ...?樹理さんには奈実姉ぇが

   お似合いだと思うし...美女同士で」


樹理「それ本当!?」


朝乃「え、えぇ...。ファッション雑誌の

   ゴシップ記事に出てくる美男美女

   のようにお似合いと思うわ」


樹理「えへへ、そうかな...///だって、ナミ。

   ナミもそう思う?」


奈実樹「樹理はまだ分かるけどな、うちは

    ほぼ一般人やから、それには当て

    はまらんからね...」

 

※スライド


美紗「楽しかったですね、海!」


朝乃「また来年も行きたいですね。」


樹理「寝ちゃったのは少し、残念だったけど

   行って良かったよ!」


美紗「はいっ、本当に雪音には感謝

   ですね...!!えへへ、楽しかったなぁ...」


柚夏「...美紗。もし私が寝てたら、

   駅着いたら声掛けて...。美紗だけだと

   不安なんで朝乃先輩もお願いします...」


美紗「えー...、私だってちゃんと覚えてるよ」


朝乃「アラーム掛けておくよ、晴華さんの

   動画聞いてるから。そこは安心して」


 晴華さんとは一緒に行けなかったけど、たまにはこうやって後輩達と遊ぶのも悪くないなーと思う朝乃さんなのでした。


※キャプション


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