第122話 理想的な成長
「んじゃ、さっそく始めるか」
「うん」
まず初めに必要なのは、大量のSPをどう割り振るか決めることだ。
俺と華は隣に並んで、華のステータス画面を見る。
そして、それぞれのスキルレベルを上昇させるのに必要なSP量を確認する。
−−−−−−−−−保有スキル−−−−−−−−—
身体強化LV3→LV4(必要SP:40)
魔力操作LV3→LV4(必要SP:800)
魔力上昇LV5→LV6(必要SP:1200)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
もともとのスキルレベルが高いからか、身体強化を除きどれも必要SP量がかなり多い。
特に技能模倣に関しては、LV2に上昇させるのに1000SPも必要だとは驚きだ。
それだけ優秀なスキルだから、仕方ない面はあるが。
すると、華は俺に向かって小首を傾げる。
「ねえ、お兄ちゃん。どのスキルが重要なの?」
「……正直、全部だな」
ユニークスキルである
それが俺の率直な意見だった。
ちなみに魔力操作というのは、魔法などを発動する際に魔力の扱いがやりやすくなるスキルである。
技術上昇スキル――剣術や槍術の魔力版と言ったところだ。
魔法の威力はスキルレベルの他に、本人の技術によっても左右されてしまう。
その技術を引き上げてくれるのだ。
話を元に戻そう。
問題はまずどのスキルのレベルを上げるかだが、その答えは決まっている。
「SPにも余裕はあるし、まずは身体強化をLV10まで上げよう。そしたら剛力、忍耐、高速移動っていうステータスを大幅に上昇してくれるスキルも獲得できるようになる。華の技能模倣を最大限活用するためには、接近戦もこなせるようになっておいた方がいい」
「わかった、じゃあそうするね」
華は俺を心から信頼してくれているようで、迷うことなく身体強化のレベルを上げていく。
結果として、490SPを使用して身体強化はLV10になった。
さて、ここからが本番だ。
「それじゃ、次はとうとう
「……うん、もちろん。使い方によっては、自分より遥かに強い相手を倒せるくらいだもんね」
華は神妙な面持ちでそう言った。
「そういうことだ。ただ、LV1以下のスキルしかコピーできない今のままじゃ役に立つ場面がかなり限られてくる。できれば、最低でもLV5くらいまではコピーできるようになりたいな」
「じゃあ、技能模倣のレベルを上げればいいの?」
「ああ。とりあえず傾向を見るためにも、LV2にしてみよう」
「……分かった」
頷き、華は技能模倣をLV2に上げる。
その結果、効果は以下のように変化した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
技能模倣LV2
条 件:対象者に直接触れることにより、相手が保有するLV2以下のスキルをコピーする。
模倣可能数:最大で2種類
模倣時間 :最大で20分(再度触れることで伸ばすことが可能)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「なるほど、こういった感じか」
コピー可能なスキルがLV1からLV2に。
模倣可能な数が1種類から2種類。
そして模倣時間が10分から20分に変化した。
全ての項目が成長する、理想的な進化だった。
「お兄ちゃん、これっていいの? 悪いの?」
「かなりいいな。これなら十分活躍してくれそうだ」
「ほんとっ!?」
俺の言葉に対し、華は嬉しそうな反応を見せる。
それを見て俺は和んだ。
その後、続けて技能模倣をLV3にまで上げ、残りのSPはひとまず置いておくことにした。
実際に華が魔物と戦闘するのを見て方針を決めようと思ったからだ。
そんなわけで、さっそく俺と華は魔物を探し始めるのだった。
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天音 華 18歳 女 レベル:521
SP:1760
HP:3820/3820 MP:1390/1390
攻撃力:820
耐久力:900
速 度:820
知 性:940
精神力:820
幸 運:820
スキル:
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
技能模倣LV3
条 件:対象者に直接触れることにより、相手が保有するLV3以下のスキルをコピーする。
模倣可能数:最大で3種類
模倣時間 :最大で30分(再度触れることで伸ばすことが可能)
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