第65話 魔狼の指輪

 経験値獲得とダンジョン攻略報酬を合わせて45レベルアップした。

 今回はあくまでキングウルフが成長しただけであり、エクストラボスというくくりではないため、レベルアップの報酬が通常通りなのが残念だ。

 しかし――


「こっちは無事にゲットできたな」


 ボーナス報酬である魔狼の指輪(真)を手に入れた俺は、鑑定を使用する。


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【魔狼の指輪(真)】

 ・魔狼ダンジョンに初挑戦、かつキングレインボーウルフを討伐した者に与えられるボーナス報酬。

 ・装備推奨レベル:2500

 ・火、水、風、土、光、闇の魔法のダメージを15%軽減する。

 ・毒、麻痺、睡眠を付与される確率を15%軽減する。


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「よし、調べていた情報通り! かなり強力な装備だぞこれは」


 無名剣ネームレスというチート武器を普段使っているため勘違いしそうになるが、基本的にステータスを10%上昇、あるいは受けるダメージを10%軽減してくれるだけでも、相当価値があるとされている。

 そんな中、相手のレベルに関係なく15%も魔法ダメージを軽減できる魔狼の指輪(真)は非常に優秀というわけだ。


「この装備の存在が発覚してから、レベル10000越えの冒険者が一週間のスパン覚悟で取りに来たって話もあるくらいだからな。入手できる回数も限られているから市場にはなかなか出回らないし、こうして手に入れられて本当に良かった」


 ただ、ここで一つの問題に気付く。


「この指輪、サイズがかなりでかいな。装備してもすぐに抜け落ちそうだけど……うおっ!」


 その心配は杞憂に終わった。

 左手の中指にはめると、自動的にサイズが変わりピッタリになったからだ。


「そりゃマジックアイテムなんだし、こういうことも可能だよな。普段、装飾系の装備をつけないから忘れてた……さて、そんじゃ次にやることはと」


 ステータス画面を開き、SPが2510あることを確認する。


「このダンジョンで苦戦するようなら、耐魔法のスキルを獲得しようと思ってSPを残しておいたんだが、その必要はなかったな。これから周回するダンジョンにここ以上の難易度のところはないし、魔狼ダンジョンでも次からは普通にキングウルフと戦うつもりだからな」


 通常のキングウルフは魔法を使わない。

 さらに、こうして魔狼の指輪(真)を手に入れた。

 ますます耐魔法のスキルを獲得する理由が減る。


「ただのキングウルフ相手なら、苦戦することもなく勝てるとは思うけど……討伐時間短縮という意味で金剛力のスキルレベルを上げとくか。攻撃力を上げておいて損は何もないからな。えいっと」


 2000SPを使用し、金剛力をLV3→LV4に上げる。

 金剛力を発動時、攻撃力は+40%になった。


「よし、いい感じだな。この調子で金剛力と疾風のスキルレベルをある程度上げたら、その後は待ちに待ったダンジョン内転移のレベル上げだ。やるぞ!」


 改めて気合を入れた後、キングレインボーウルフから9色の魔石を取り出す。

 後、キングレインボーウルフの9色の毛皮は防具にも使用されることから高く売れるため、アイテムボックスの中に回収しておく。

 討伐推奨レベルが3000の魔物を売ることになるが、パーティーで協力して討伐したと説明すればなんとかなるだろう。


 そのようなことを考えていると、帰還用の転移魔法が発動する。

 よかった、今回は無名の騎士のような敵が現れたりしないみたいだ。



 そんなふうにして、俺は魔狼ダンジョンを攻略したのだった。



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 天音 凛 19歳 男 レベル:3404

 称号:ダンジョン踏破者(5/10)・無名の剣豪・終焉を齎す者(ERROR)

 SP:510

 HP:25850/27410 MP:4260/6630

 攻撃力:6320

 耐久力:4640

 速 度:6540

 知 性:6100

 精神力:4620

 幸 運:5820

 スキル:ダンジョン内転移LV12・身体強化LV10・剛力LV10・金剛力LV4・高速移動LV10・疾風LV3・初級魔法LV3・魔力回復LV2・魔力上昇LV2・索敵LV4・隠密LV4・状態異常耐性LV4・鑑定LV1・アイテムボックスLV4・隠蔽LV1


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