第192話 戦利品

 ケルベロス討伐後。

 迷宮が消滅し地上に戻される前に、俺は自分の状況を確かめる。


「おおっ、経験値獲得とラストボス討伐報酬で2500もレベルが上がったのか。これはなかなかだな」


 さすがにSランク魔物を討伐しただけはある。

 それに加え、強敵との戦闘経験を積むことができた。

 Aランクダンジョンを周回した方が安全にレベルアップできるのは確かだが、格上と戦うのにはこういったメリットも存在するのだ。

 ……まあ、逆に言えばやられるリスクもあるってことだけど。


 喜ばしかったのはそれだけではない。

 今回ケルベロスを討伐したことによって、新たに得たものがあった。


 俺はステータス画面を開き、称号欄を見る。

 そこにはこう書かれていた。



 ――――――――――――――


 終焉をもたらす者

 ・ラストボスを単独ソロで討伐した者に与えられる称号。

 ・ラストボスと戦闘時、ステータスの全項目が+30%。


 ――――――――――――――



【終焉を齎す者】。

 オークジェネラルを討伐した際、条件の一部を満たしていないことにより入手できなかった称号。

 それを今回、改めてラストボスであるケルベロスを単独で討伐することによって得ることができた。

 今後はラストボスと戦闘時、ステータスが上昇した状態で戦うことができる。


「ラストボスと遭遇する確率は低いとはいえ、あって困るものじゃないからな。ありがたく貰っておくとしよう」


 そう呟いていると、体を淡い光が包む。

 地上に帰還する合図だ。

 このままではケルベロスから核を取り出す時間がない。


「仕方ない、まるごと持っていくか」


 ただ、問題が一つ。

 アイテムボックスに限界があるらしく、全てを入れることはできなかった。

 アイテムボックスや物の容量はもちろん、そこに含まれる魔力量も保存限界に影響しているらしい。

 Sランク魔物の死体はそれだけの魔力を秘めていることだろう。


 そこで俺は3800SPを用いて、アイテムボックスのスキルレベルを8→10に上げる。

 それで何とか全て中に入れることができた。


「よし、だいたいこんなもんか」


 それから間もなく転移が発動し、俺は地上に帰還するのだった。



 ――――――――――――――


 天音 凛 19歳 男 レベル:46849

 称号:ダンジョン踏破者(10/10)・無名の剣豪・終焉を齎す者・賢者の意思を継ぎし者

 SP:41050

 HP:318300/368900 MP:52010/99590

 攻撃力:84950

 耐久力:72910

 速 度:87550

 知 性:76570

 精神力:72370

 幸 運:74140

 ユニークスキル:ダンジョン内転移LV30・略奪者LV1

 パッシブスキル:身体強化LV10・剛力LV10・忍耐LV10・高速移動LV10・精神強化LV10・魔力回復LV2・魔力上昇LV10・状態異常耐性LV4

 アクティブスキル:金剛力LV10・金剛不壊LV10・疾風LV10・不撓不屈LV10・起死回生LV1・初級魔法LV3・纏壁LV5・浄化魔法LV1・索敵LV4・隠密LV4・鑑定LV1・アイテムボックスLV10・隠蔽LV1


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