第41話 4つ目の踏破

 ひとまず俺は、優先的にスキルレベルを上げたい、もしくは新しく入手したいと思っているスキルをピックアップしてみることにした。



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 SP:12010


 −−−−−−−−−保有スキル−−−−−−−−—


 剛  力LV6→LV7(必要SP:700)

 高速移動LV4→LV5(必要SP:500)

 アイテムボックスLV4→LV5(必要SP:1000)


 −−−−−−−−−新規スキル−−−−−−−−—


 索 敵LV1(必要SP:100)

 隠 密LV1(必要SP:100)

 状態異常耐性LV1(必要SP:100)


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「アイテムボックスについては、今のままでも一応事足りる。となると、まず優先的に上げるべきは剛力と高速移動だが……」


 軽く計算してみることにする。

 この2つのスキルレベルを上げるのに必要なSPは100SP×レベルだ。

 となると、剛力をLV10にするのに必要なSPが3400。

 高速移動をLV10にするのに必要なSPが4500。

 両方合わせたとしても7900SPで、十分おつりがくる。


 残る4110SPのうち3000SPを使って、索敵、隠密、状態異常耐性をLV4まで上げれば、1010SPを余らせた上で、それなりに整ったスキル構成になるはずだ。

 俺がこれからどのように成長していくにせよ、これらのスキルは絶対に使い道があるしな。


「じゃ、決定っと」


 迷うことなく、俺は今決めたスキルにSPを割り振った。



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 剛  力LV10:攻撃力を+2750

 高速移動LV10:速度を+2750


 索  敵LV4:MPを使用し、自分の周囲に存在する人や魔物などの情報を得る(発動に必要なMP量や索敵範囲はスキルレベルにより変動)。


 隠  密LV4:MPを使用し、自分の周囲に存在する人や魔物の認識から消える(発動に必要なMP量や隠密範囲はスキルレベルにより変動)。


 状態異常耐性LV4:毒、麻痺、睡眠などの状態異常に対する耐性を得る。



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「うん、いい感じだな」


 たったこれだけで、数分前とは実力が桁違いになったはずだ。

 できれば索敵、隠密、状態異常耐性のスキルレベルも10にまで上げたいが、その楽しみは後にとっておくことにしよう。


「よし、じゃあ気を取り直して。明日からはまた別のダンジョン周回だ」


 過去に俺が挑戦したことのあるダンジョンのうち、まだ踏破していないのは夕凪ダンジョンと、冒険者になりたての頃によく行っていたEランクの有川ダンジョンの2つ。

 とりあえず、明日からは夕凪ダンジョンに挑戦することにしよう。


「やるぞ、おー!」


 気合を入れるために、片手を高くあげてみる。

 やっぱり、一人で声を張り上げるのはとても虚しかった。



『ダンジョン攻略報酬 レベルが5アップしました』

『貴方は本ダンジョンを規定回数攻略しました』

『ボーナス報酬 レベルが10アップしました』

『今後、貴方が本ダンジョンを攻略しても報酬は与えられません』



 それから3日後、俺は無事に夕凪ダンジョンを踏破することができた。

 これで計4つ目のダンジョン踏破だ。


 その日の夜、溜まったSPを必要と思われるスキルに割り振っていく。

 葛西かさい 由衣ゆいから相談があるとの連絡をもらったのは、その最中のことだった。

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