第201話 新スキル【留壁】

 クレアから、彼女の秘密を教えてもらったその日の夜。

 俺は自室で自分のステータスを確認していた。



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 天音 凛 19歳 男 レベル:46879

 称号:ダンジョン踏破者(10/10)・無名の剣豪・終焉を齎す者・賢者の意思を継ぎし者

 SP:41350

 HP:369140/369140 MP:99650/99650

 攻撃力:85000

 耐久力:72960

 速 度:87600

 知 性:76620

 精神力:72420

 幸 運:74190

 ユニークスキル:ダンジョン内転移LV30・略奪者LV1

 パッシブスキル:身体強化LV10・剛力LV10・忍耐LV10・高速移動LV10・精神強化LV10・魔力回復LV2・魔力上昇LV10・状態異常耐性LV4

 アクティブスキル:金剛力LV10・金剛不壊LV10・疾風LV10・不撓不屈LV10・起死回生LV1・初級魔法LV3・纏壁LV5・浄化魔法LV1・索敵LV4・隠密LV4・鑑定LV1・アイテムボックスLV10・隠蔽LV1


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「これが俺の現時点のステータスか……カイン戦以降スキルを習得していないこともあって、SPがかなり溜まってるな」


 さっそくどれかのスキルに割り振りたいところ。

 問題はどのスキルにするかだが……


 確認を込めて、俺は【ダンジョン内転移LV30】の部分をタッチする。



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【ダンジョン内転移LV30】

 使用MP:1MP×距離(M)

 条  件:全てのダンジョン内に対して転移可

 転移距離:最大で1000メートル

 発動時間:0.2秒×距離(M)

 対象範囲:発動者と発動者が身に纏うもの


【派生スキル:瞬間転移タイム・ゼロ

 100MPを使用することにより、半径20メートル以内なら0秒で転移可。


【派生スキル:全景支配ピース・ルーラー

 発動対象に含まれる魔力と同量のMPを消費することにより、視界に映るものを転移させることが可能。人や魔物、およびそれらが身に纏っているものに対しては使用不可。

 継続時間:10秒

 クールタイム:10時間


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 ダンジョン内転移LV30→LV31(条件を満たしていないため、スキルレベルを上げることはできません)


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「条件を満たすまで、スキルレベルを上げることはできません……か」


 ダンジョン内転移はこれまでずっと、俺の支えになってくれたスキル。

 高速レベルアップを可能にしたのはもちろん、戦闘においても様々な逆境を覆す決め手になってくれた。

 できることならこれからも優先してレベルを上げていきたいと考えていたが……システムにそれを止められてしまった以上、切り替えるしかない


「となると、次点で上げるべきは……やっぱり纏壁てんへきかな」



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 纏壁LV5:MPを消費することにより、対象者を包み込むような魔力の壁を生み出す(強度、持続時間はスキルレベルにより変動)。

 クールタイム:60秒


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 纏壁LV5→LV6(必要SP:30000)


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 このスキルもまた、戦闘時、俺を敵の攻撃から守ってくれる重要なスキルだ。

 イフリート戦やカイン戦についても、このスキルがなければ間違いなく俺は死んでいたことだろう。


「必要SP的にも問題はなさそうだな。それじゃさっそく……」


 俺はステータスを操作し、纏壁のレベルを6に上げる。

 すると驚くようなことが起きた。



『スキル【纏壁】が一定のレベルに達しました』

『派生スキル【留壁】を獲得しました』



「うおっ、なんだ!?」


 突如として目の前に現れたメッセージを見て、思わず目を見開く。

 新しいスキル? どういうことだ?


 困惑しながらも、俺は纏壁の中に新しく出現した派生スキル【留壁】をタッチする。



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 留壁LV6:MPを消費することにより、指定箇所に固定された魔力の壁を生み出す(強度、持続時間はスキルレベルと規模により変動)。

 クールタイム:魔力壁の規模によって変動(1~60秒)


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「指定箇所に、固定された魔力の壁を生み出す……?」


 文章だけなら完全には理解できなかったため、とりあえず実際に試してみることにする。

 攻撃系のスキルではないため、特に問題が起きることもないだろう。


 それから、スキルを試すこと数分――


「なるほど。使ってみた感じ、一般的な結界のイメージに近いな」


 魔物との戦闘時、前方に展開しシンプルな防壁として使ったり、魔物の周囲に展開して封じ込める――などの方法で使えそうだ。

 纏壁と違い、一度発動すればその場から動けないという性質を持っているようだが、それはデメリットでありながらメリットともなりうる。

 使い方次第では、非常に強力なスキルとなるだろう。


「それにこれなら、纏壁と違って仲間をまとめて守ることもできる」


 イフリート戦を思い出す。

 俺があの時イフリートに勝てなかったのは実力差と相性もあるが、華たちを守りながら戦う必要があったというのも大きい。

 これまでソロで活動してきた影響から、俺のスキル構成は攻撃と回避に特化している。

 そこが補強された意味は大きいだろう。


「何はともあれ、ひとまず事前準備・・・・はこの辺りでOKだな」


 ステータスの確認のスキルの調整が終わった今、考えるべきは明日以降の計画について。

 つまり、どのダンジョンを攻略してレベルアップしていくかだ。


「ダンジョンの難易度が上がれば上がるほど、もらえる攻略報酬も増える。そうなれば当然――行くべきはAランクダンジョンだな」


 今日イレギュラーで攻略することになった冥獣ダンジョンを除き、俺はこれまでAランクダンジョンを攻略したことはないが、そろそろ挑む頃合いだろう。


 Aランクダンジョンは数自体が少なく、日本全土でも計13個――迷宮崩壊で冥獣ダンジョンが消滅したことを考慮すれば今は12個しかない。

 そんな中でも、最も攻略報酬が多いとされているダンジョンは――ここだ。



「海の中に出現したと言われているフィールド型ダンジョン――海龍ダンジョン。明日からはここを周回する」

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