第129話 軽く周回

 グリフォン討伐後、俺は自分のステータスを見て「ふむ」と頷く。


「無名の騎士と戦った時は【無名の剣豪】って称号が手に入ったけど、今回は特に何もないんだな。まあ、倒すのに苦労したわけでもないし、それは別に構わないんだけど」


 大量の経験値ボーナスが手に入ったので、それで良しとしておこう。


 続けてグリフォンの体から魔石を取り出し、死体についてもアイテムボックスの中に収納する。

 討伐推奨レベル25000レベルの魔物だ。風を纏っていたことから、そっち方面の装備なんかに素材が使えそうだし、かなり高く売却できそうだ。


 問題は、どうやって売却するかだが……


「大量の魔石を、色々な店舗で分けて売却してたのとは事情が違うよな。そもそも前例のない魔物だし、入手した経緯を色々と訊かれそうだ」


 こんな時、ギルドに所属していたら面倒ごとを押し付けられるんだけど……


「……仮入団でも頼めば引き受けてくれそうだが、やっぱり経緯を説明しなくちゃいけないのがネックだな。とりあえず、しばらくはアイテムボックスの中に眠らせおくか」


 ただ、この調子だとアイテムボックスの容量が、すぐいっぱいになりそうだったので、3000SPを使用してLV6からLV8に上げておいた。


 うん、ひとまずこんなものか。


 その後、俺は転移魔法によって地上に帰還するのだった。



「さて、今の時間はっと」


 時計を見てみると、ダンジョンの中に入ってからまだ一時間も経過していない。

 体力にも余裕はあるし、あと何回かは攻略できそうだ。


「よし、いくか――ダンジョン内転移」


 そして俺は、再び鈴鹿ダンジョンに挑戦する。

 ダンジョン内転移を利用した階層間移動のおかげで、ボス部屋に到着するまではほとんど時間がかからない。


 出現するダンジョンボスは当然サラマンダー。

 簡単に討伐するなら、先ほどのように魔奪剣で体を纏う炎を奪ってしまえばいいんだが、それだとMP消費がかなり激しい。

 というわけで、


「纏壁」


 透明の結界を体に纏い、サラマンダーの炎に突撃する戦法を取った。

 その戦法を実行して思ったのは、やはり纏壁はかなり便利なスキルだな、ということ。

 おかげでMPを節約したまま、えいえいっと倒すことができた。



『ダンジョン攻略報酬 レベルが50アップしました』

 


 脳内に鳴り響くシステム音。

 二回目の挑戦ということもあり、エクストラボスは登場しない。


「よし、この調子でガンガンいくか!」



『ダンジョン攻略報酬 レベルが50アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 レベルが50アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 レベルが50アップしました』



 その後、俺は順調に周回を続けていく。

 最終的に今日だけで、9回も鈴鹿ダンジョンを攻略するのだった。



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 天音 凛 19歳 男 レベル:15285

 称号:ダンジョン踏破者(10/10)・無名の剣豪・終焉を齎す者(ERROR)・賢者を超えし者

 SP:10210

 HP:119130/119130 MP:5870/33720

 攻撃力:27200

 耐久力:23450

 速 度:27510

 知 性:26640

 精神力:23240

 幸 運:24810

 ユニークスキル:ダンジョン内転移LV21・略奪者LV1

 パッシブスキル:身体強化LV10・剛力LV10・高速移動LV10・魔力回復LV2・魔力上昇LV10・状態異常耐性LV4

 アクティブスキル:金剛力LV10・疾風LV10・起死回生LV1・初級魔法LV3・纏壁LV1・浄化魔法LV1・索敵LV4・隠密LV4・鑑定LV1・アイテムボックスLV8・隠蔽LV1


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