第89話 第六階層~第九階層
第六層以降も、俺の攻略は順調に進んでいった。
第六層のクエストは【
直径50メートル四方のフロアに閉じ込められ、四方八方から放たれる魔法を30分間かわし続けるという内容だった。
第四階層のように空間全てを覆いつくすようなものではなかったため、しっかりとタイミングを見計らえば回避は可能だった。
しかし後半になるにつれて魔法の数と勢いは増し、直撃とはいかずともダメージを喰らう機会は少なくなかった。
体力、精神力共に削られていく中、なんとか30分間耐え抜くことができた。
『第六階層攻略報酬 レベルが300アップしました』
『【全射回避】をクリアしたため、ボーナス報酬が与えられます』
「おっ、ここでもボーナス報酬がもらえるのか」
第六階層のボーナス報酬は、指で掴めるくらいのサイズで、飴玉のような形をしていた。
さっそく鑑定を使用してみる。
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【
・これを飲むことで、10秒間魔法によるダメージを99%軽減する。
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「これまた、かなりの高性能だな」
時間が10秒と短いのはネックだが、それを差し引いても有り余るほどの優秀な効果だ。
使いどころを間違えなければ、かなり役立ってくれることだろう。
一度しか使用できないのが残念だ。
「よし、この調子でどんどん行くぞ!」
十分に休憩を取った後、俺は次の階層に挑戦するのだった。
第七階層は、再び第一階層のように体力と根気を試されるようなクエストが待っていた。
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
第一階層で一度経験したからか、途中で心が折れそうになることはない。
最後まで一切油断することなく、クエストをやり遂げることができた。
『第七階層攻略報酬 レベルが350アップしました』
第八階層は、今度こそ知恵を試されるようなクエストが待ち受けていた。
力だけではどうにもならない、謎解きのような要素を含んでいたため、攻略にかなり手間取った。
が、それでもなんとか最後にはクリアすることができた。
『第八階層攻略報酬 レベルが400アップしました』
第九階層は、第六階層のように魔法の行き交うステージが用意されていた。
第六階層と違うのは、その環境で討伐推奨レベル10000を超える強敵を何体も倒さなければならなかったということだ。
『経験値獲得 レベルが73アップしました』
『経験値獲得 レベルが66アップしました』
『経験値獲得 レベルが58アップしました』
その分だけ、魔物を倒した時に入る経験値はかなり多かった。
これまでの階層や、ダンジョン内転移を使用した超速レベルアップさえも超えた速度で、俺のレベルはどんどんと上がっていく。
そして俺のレベルが大台に乗りかけたころ、とうとうその瞬間は訪れた。
『第九階層攻略報酬 レベルが450アップしました』
『ボーナス報酬 スキル【起死回生】が与えられます』
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起死回生LV1:
HPが30%以下の時、攻撃力、速度、知性の各項目を+20%。
HPが20%以下の時、攻撃力、速度、知性の各項目を+50%。
HPが10%以下の時、攻撃力、速度、知性の各項目を+100%。
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ついでと言ってはあれだが、新たなスキルまで入手することができた。
報酬としてスキルが与えられるのはかなり珍しい例であるため、ありがたく頂いておく。
「内容的に、できれば使わずに済んだ方がよさそうだけどな」
HPが30%以下になった時点で、まさに死と隣り合わせ。
そのような事態が訪れないことを願う。
とまあ、そのような流れで第九階層までの攻略は終わる。
残るは第十階層のみ。
そこに待ち受けるのは、きっと俺がこれまで見たことのない強敵のはず。
間もなく訪れるその瞬間に備え、俺はゆっくりと準備を整えるのだった。
『【隔絶の魔塔】内、合計レベルアップ数:3376レベル』(第九階層終了時点)
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