第80話 第一階層 『魔狼の殲滅』②
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
魔狼の群れと戦い続けて、どれだけ時間が経っただろうか。
そんなことを考える余裕もないほどに、俺は全神経を注ぎ、目の前にいる敵と戦いを繰り広げていた。
「はぁあああああ!」
叫びながら、俺は手にしている短剣を振るう。
銀色の刃がポイズンウルフの喉を深く切り裂いた。
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【
・鍛冶スキルを用いて作成された短剣。
・装備推奨レベル:4000
・攻撃力+3000
・速度+1500
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本日、隔絶の魔塔に来る前に購入した短剣。
これまで使用してきた武器とは違い、鍛冶スキルを持つ冒険者が作成したものでもある。
もしもの時を考え、こうして用意しておいたのだ。
レベルの低い敵に
その点、この短剣なら細かい動きが可能になる上に、速度ステータスまで上げてくれる。
攻撃力は少し落ちるが、それでも一撃で討伐できるから大した問題はない。
敵の攻撃を喰らわないよう、戦場を縦横無尽に駆け巡りながら、俺と魔狼たちの戦いは続いていた。
「バウッ!」
「ガアッ!」
「ちっ!」
ウォーターウルフとアースウルフの魔法攻撃が飛んできたため回避しようとするも、僅かに遅れてしまい、俺の体を掠る。
魔狼の指輪(真)の効果もありダメージは減少しているもののHPが削られてしまう。
一撃一撃は取るに足らなくても、それが積み重なっていけば大きな脅威となる。
その証拠に、既に俺のHPは2割近くも削られてしまっていた。
「仕方ない、これを使うしかないか――疾風!」
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疾 風LV6:速度を+60%(1秒につき10MPを消費する)
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長期戦になると思っていたため、MPを大量に消費するスキルの使用は控えていたが、そうも言ってられない状況だ。
一刻も早く、ここにいる敵を倒さなければならない。
「――やってやる!」
そして俺は、残る魔狼の討伐を続けた。
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
「うおおおおおおお!」
それからさらに戦いを続け、手が痺れ、疲労が溜まり始めたころ。
第一陣として現れた魔狼たちのほとんどを倒し終え、ひとまずの休息を得られると思った、その直後だった。
「グォオオオオオ!」
「グルゥウウウウ!」
「――――これは!」
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【キングレインボーウルフ】
・討伐推奨レベル:7000
・9色の毛皮に包まれた、狼型の魔物。
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他の魔狼よりも一回り大きく、強力になったキングレインボーウルフが2体同時に現れた。
正確には数えていないが、既に1000体近い魔狼と戦った後に訪れた脅威。
思わず、俺は叫んでしまった。
「よし、休憩タイムだ!」
俺は武器を無名剣に替えて応戦する。
少しレベルが低い格下を数百体相手にするくらいなら、少しレベルが高い少数の相手と戦う方が圧倒的にやりやすい!
ボーナスタイムだ!
「溜まった
怒りをぶつけるようにして、無名剣で何度も斬りかかっていく。
ほとんど何も考えていない野性的な戦闘スタイルだったが、無事に2体のキングレインボーウルフを討伐できた。
それにて、ひとまず第一陣を全て討伐することができたのだった。
『経験値獲得 レベルが10アップしました』
『経験値獲得 レベルが9アップしました』
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第一階層 クエスト【魔狼の殲滅】
・第一階層内にいる全ての魔物の討伐。
・現在討伐数(1032/5000)
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『【隔絶の魔塔】内、合計レベルアップ数:42レベル』
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