チケットはよく確認しよう

 新幹線には年に何回か乗る。

 そして稀に、自分の席に誰か座っていることがある。


 そういう時、迷いもなく「席間違ってますよ!」という人は少ないと思う。

 大抵は号車を確認し、列を確認し、席を確認し、それから徐ろに尋ねる。


「すみません、こちらの席ですか?」


 大抵は何かの勘違いで座っているので、恥ずかしそうにしながら移動してもらえる。

 いつだったか、間違って座ってしまった人を責め立てて追い出すようにしていた人がいたが、多分日常生活でストレスとか溜まっているんだろう。


 ある日のこと、新幹線に乗車したら自分の座る席に先客がいた。

 私くらいのトラブルエンカウンターともなれば慣れたもので、前述の通りに相手に声をかけてチケットを見せてもらった。


 そうしたら、確かに同じ席だった。

 何だろう、システムの不具合か? それともトランザクションエラー?

 色々なことを考えながら、首をかしげていたら、あることに気がついた。


「あの、これ昨日のチケットですよ」


 相手の人は驚いていたが、私も驚いた。

 新幹線のチケットって、日付を狙い撃ちで買う物だと思う。確固たる予定がなければ指定席なんて買わない。

 なのに日付を間違えるなんてことがあるのか。

 しかも、昨日のチケットということは、少なくとも二日以上前に、事前に受け取ったものである。何回か確認のチャンスはあったはずなのに、見逃されてしまったようだ。

 その人は慌てて車掌さんを探しに行ってしまったが、無事に席を取り直せたんだろうか。全席指定なんだけど。

 というか、日付超えてても改札は通れるんだなー。意外。


 私も同じようなことをしないように気をつけよう、と思ったらその時の新幹線の領収書を出してもらうのを忘れていた。おかげで会社から窘められた。しょんぼり。

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