過ちは消すしかない
最近、ちょっとデスマーチをしていた。
隣町に行くぐらいの気軽さでデスマーチしていたら、意外と疲れた。やはり暑い時期は苦手である。脳みそが上手く働かない。
デスマーチをしている最中に、システムから印刷出力が出来ないという問題にぶち当たった。色々確認していると、どうやら印刷するためのモジュールに問題があることがわかったので、開発部に頼んで修正をして貰った。
問題は、印刷しようとして失敗してしまったゴミデータである。
消せばいいのだが、データベースの構造上、あまり消去という手段を使いたくない。しかし、それ以外に手段がないなら仕方がない。
困りながら会社用の携帯電話を手に持つと、別の現場にいる人に相談のメールを打った。
数分後に返事が来た。内容は何故か、ガクブルしている絵文字だけだった。どういう意味だろう、と首を傾げながら自分が送った文面を確認する。そこにはこう記載されていた。
「暗殺の処理ですけど、失敗した奴は消すしかないですよね?」
「あ」と「い」を盛大に間違えた。
これではスナック感覚で部下を消し去る非情なヒットマンである。
多分、敵に見つかったんだろうな。顔を見られたとか。それで秘密裏に処理をするためにボスにお伺いを立てている状況だろう。そうとしか見えない。額を銃弾で撃ちぬいて、死体は防波堤から投げ捨てる。「今回の報酬だ」と、オリーブの実でも投げればパーフェクトだ。
相当疲れてるな、と思いながら「印刷っす」と返信した。相手は「消すしかないねー」と返してくれた。お陰で心置きなく部下(ゴミデータ)を処理出来たので感謝である。
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