第7話 


低い声を出し、鋭い目で彼女を睨みつける。


それでも、彼女の口元から笑みを消すことはできなかった。


薔子しょうこだよ。しょ・う・こ。昨日教えてあげたのに、もう忘れちゃったの?」


美しい人さし指を立て、美しい目で、美しい声が言葉を紡ぐ。


だが、高遠の疑問は一つも解消されることはなかった。


「昨日、何があった。何で見ず知らずのお前が俺のベッドで寝てるんだ」


「何だか眠くなってきちゃった。二度寝しようっと」


そう言い放つと、薔子しょうこと名乗った女は無防備むぼうびにベッドの上に寝転がってタオルケットを引きかぶる。


「おい!」


高遠は思わず声を荒げるが、そのまま微動びどうだにしない。

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