第24話 ※薔子視点

門田は大してひるんだ様子もなく、


「仕事はあまりうまくいっていないようだね。いろいろと悩んでいるようだったよ。詳しいことは私には話してくれなかったけれども」


「だったらわりがよくて楽な仕事、紹介してあげてよ」


「今は就職難の時代だし、どこも経営は厳しいからね。

それに彼女自身がどういう仕事をして、どんなふうに働きたいのか、私には分からない。やりたいことや望みを持っていれば、多少なりとも応援やアドバイスもできると思うんだが」


「先生は、いつも綺麗事きれいごとばっかりだね」


頬杖をつき、とげのある笑顔で薔子は言い放った。


「うんざりしちゃう」


門田は驚くでもなく怒るでもなく、食えない笑みで薔子を眺めている。

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