第22話
「普段から女とろくなつき合い方してないから、そういうことになるんだよ。今回のことで反省して、まっとうな人間関係ってやつをちょっとは勉強しろ」
「言われなくても分かってるよ」
思わず憎まれ口が出る。
一臣はしらっとした顔で、
「お前が菜月さんとつき合ってた半年間、俺が何回彼女から電話受けたと思う?
その中で彼女が泣いてなかったことがあると思うか」
痛いところを突かれ、高遠はぐうの音も出ずに黙り込んだ。
しょげている友人を横目で見つめ、一臣は肩をすくめる。
「……まあ、全部が全部、お前が悪いとは言わないけどな」
しんみりとした口調が、高遠の遠い記憶の
ホイッスルが鳴り、一臣は立ち上がり際に言った。
「『彼は誰かを真剣に愛したことがないから、人の痛みが分からないのよ』
……菜月さんが最後に言ってた言葉だ。
少なくとも、お前は彼女にそう思わせてたんだってこと」
高遠は言葉を
――そのとおりなのかもしれなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます